日本でも圧倒的な知名度を誇り、日韓両国のスクリーンで鮮烈な印象を残し続けている俳優シム・ウンギョン(심은경)。映画『新聞記者』(2019年公開の日本映画、主演を務め日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞)での熱演を覚えている日本のファンも多いことでしょう。そんな彼女が、自身の俳優人生と、演技に対するどこまでもストイックな本音を語り、韓国で大きな注目を集めています。
今回のニュースの核心は、芸歴20年を超えるベテランでありながら「演技をしながら満足感を感じることは、一生ないかもしれない」と彼女が吐露したことにあります。一見するとネガティブな言葉に聞こえるかもしれませんが、そこには彼女が抱く「俳優」という職業への並々ならぬ敬意と、誠実に向き合おうとする覚悟が込められていました。
■ 「子役出身」という肩書きを超えて。芸歴20年の彼女が抱く葛藤
シム・ウンギョンは2003年に子役としてデビューしました。韓国では、幼い頃から芸能界で活動する俳優を「子役出身(アヨク・チュルシン)」と呼び、成人してからもそのイメージを払拭するのに苦労するケースが少なくありません。しかし、彼女は映画『サニー 永遠の仲間たち』(2011年公開、日本でもリメイクされたヒット作)や『怪しい彼女』(2014年公開、7か国でリメイクされたコメディ映画)で、若くしてその演技力を証明し、韓国を代表する若手実力派としての地位を不動のものにしました。
そんな彼女が「満足感を得られない」と語った背景には、韓国芸能界特有のプロ意識の高さも影響しているかもしれません。韓国では俳優に対し、常に「変身」と「成長」を求める声が非常に強く、一度の成功に甘んじることは許されない風潮があります。
シム・ウンギョンはインタビューの中で、「演じることは常に難しく、苦しい作業」だと認めつつ、「それでも一歩ずつ、誠実に(ソンシルヒ)やっていきたい」と語りました。この「誠実(ソンシル)」という言葉は、韓国では非常に重みのある言葉です。単に真面目であるということ以上に、自分に嘘をつかず、与えられた役割に対して魂を削るように向き合う姿勢を指します。彼女の言葉からは、ベテランの余裕ではなく、新人時代から変わらない「探究心」が今も彼女を突き動かしていることが伝わってきます。
■ 日本での活動で見つけた「新しい視点」と演技への渇望
シム・ウンギョンのキャリアを語る上で欠かせないのが、日本での目覚ましい活躍です。2017年から日本での活動を本格化させた彼女は、言葉の壁を乗り越え、日本アカデミー賞の頂点に立ちました。韓国のトップ女優が、あえて一からキャリアを築き直すかのように異国の地へ飛び込んだことは、韓国国内でも驚きをもって迎えられました。
韓国のエンターテインメント業界は、儒教的価値観(目上の人を敬い、礼儀を重んじる精神)が根強く、現場の上下関係や礼儀作法が非常に厳しいことで知られています。一方で、日本での活動は彼女にとって、異なる制作スタイルや表現の機微に触れる貴重な機会となったようです。
今回の発言の中で彼女は、「演じるほどに難しさを感じる」と語っています。これは、日本と韓国という異なる文化圏で演じてきたからこそ、表現の幅が広がり、より深いところにある「正解のない答え」を探し続けているからではないでしょうか。
彼女は、自分自身の演技を客観的に見つめるあまり、撮影が終わった後も「もっとこうできたのではないか」と自問自答を繰り返すタイプだといいます。その姿は、私たちがスクリーンで見る堂々とした彼女からは想像もつかないほど、繊細でストイックなものです。
■ 「完璧ではないからこそ、面白い」シム・ウンギョンが目指す未来
シム・ウンギョンは、自身のキャリアを振り返りながら「満足感に浸ることはないかもしれないが、それが演技を続ける原動力になっている」とも明かしました。もし一度でも「完璧だ」と満足してしまったら、そこで成長が止まってしまう。彼女にとっての「難しさ」は、決して障害ではなく、俳優として生きるための喜びそのものなのかもしれません。
近年では、ドラマ『マネーゲーム』(2020年、経済官僚たちの葛藤を描いた社会派ドラマ)や『青い瞳のキャス(Kasu)』(仮題、今後期待される作品)など、深みのある役どころに次々と挑戦しているシム・ウンギョン。彼女が語る「誠実な歩み」は、これからも私たちファンを驚かせるような、新しい景色を見せてくれるはずです。
「いつか満足できる日が来ることを願う」のではなく、「満足できない自分を抱えて、泥臭く誠実に歩んでいく」と決めた彼女の覚悟。その美しさが、彼女の演技に独特の哀愁と説得力を与えているのだと感じさせられました。
日本と韓国、二つの国を股にかけ、常に自分を追い込み続けるシム・ウンギョン。皆さんは彼女の出演作の中で、どのシーンが一番心に残っていますか?また、彼女の「満足感は一生感じられない」というストイックな姿勢をどう感じましたか?ぜひ、あなたの熱い思いをコメントで教えてください!
出典:https://www.segye.com/newsView/20260226511405?OutUrl=naver





コメント