厳しい冬が終わり、暖かい日差しが恋しくなるこの季節。韓国から、人々の心にポカポカとした温もりを届けてくれる素敵な映画のニュースが届きました。
AFTERSCHOOL(アフタースクール/2009年にデビューした人気ガールズグループ)出身の女優イ・ジュヨン(이주연)と、芸歴50年を誇る大ベテラン俳優ハン・インス(한인수)が共演する映画『キム〜チ!』(原題:김~치!)が、3月25日に韓国で公開されることが決定しました。
今回は、この作品の見どころとともに、映画のタイトルに隠された韓国ならではの文化や、出演者の魅力について深掘りしてご紹介します。
■元アイドルから実力派俳優へ!イ・ジュヨンの新たな変身と名優ハン・インスの共演
まず注目したいのは、主演を務めるイ・ジュヨンです。彼女といえば、日本でも高い人気を誇ったAFTERSCHOOLの元メンバー。当時のクールで華やかなアイドルとしての姿を覚えているファンも多いのではないでしょうか。グループ卒業後は本格的に俳優の道へと進み、ドラマ『恋の記憶は24時間〜マソンの喜び〜』などで着実にキャリアを積んできました。
そんな彼女が今作で演じるのは、人生の「焦点(フォーカス)」を見失ってしまった女性、ミンギョン(민경)。傷を抱え、立ち止まってしまった彼女が、ある一人の老人との出会いを通じて再生していく姿を繊細に演じています。
そして、物語の鍵を握るおじいさん・ドック(덕구)役を演じるのが、韓国演芸界の至宝ハン・インスです。芸歴50年という圧倒的なキャリアを持つ彼は、韓国では「国民のお父さん」的な存在として親しまれている重鎮。今作では、認知症を患いながらも、亡くなった孫娘のために毎朝玄関に座って手を振り続けるという、切なくも温かいキャラクターを演じ、作品に深い重厚感を与えています。
■写真を通して紡がれる“心の再生”と、韓国でおなじみの合言葉「キム〜チ!」に込められた魔法
映画のタイトル『キム〜チ!』と聞いて、多くの日本人は韓国料理のキムチを思い浮かべるでしょう。しかし、韓国文化に詳しいファンの方ならピンとくるはず。そう、韓国で写真を撮る時の「はい、チーズ!」にあたる合言葉が「キム〜チ!」なのです。
「チ」の発音をする時に自然と口角が上がり、笑顔になることから使われるこの言葉。映画では、この「キム〜チ!」という掛け声が、単なる撮影の合図ではなく、止まってしまった日常を再び動かし、幸せを呼び込む「魔法の呪文」として描かれています。
物語は、無気力な日々を送っていたミンギョンが、ドックの姿をカメラに収めることから始まります。ファインダー越しにドックの純粋な想いや家族の絆を見つめるうちに、彼女自身の心も少しずつ癒やされていく……。写真というメディアを通じて、世代を超えた二人の時間が重なり合っていく過程は、観る者の涙を誘うこと間違いありません。
韓国では近年、派手なアクションやサスペンスよりも、日常の小さな幸せや人間愛を描いた「ヒーリング系」の作品が、ストレスの多い現代人の心を癒やすとして高い支持を得ています。今作もまさに、そんな韓国映画界の良質なエッセンスが詰まった作品といえるでしょう。
■独立映画界が認めた珠玉の感性!春の陽だまりのようなポスターに期待が高まる
本作のメガホンを取ったのは、パク・チョリョン(박철현)監督です。これまで『カメレオンマン』や『マルシ(言葉遣い)』など、独自の視点で人間ドラマを描いてきた実力派。今作でも、家族と写真をテーマにした感動的な叙事詩を見事に完成させました。
そのクオリティはすでに高く評価されており、「第5回忠武路(チュンムロ)独立映画祭」で長編独立映画部門の審査員大賞とブルーリボン演技賞を受賞しています。「忠武路」といえば、日本でいう「有楽町・銀座」のように、古くから韓国映画の聖地として知られる場所。そこで認められたということは、本作が単なるアイドル映画ではなく、芸術性と演技力を兼ね備えた一級品のドラマであることを証明しています。
今回公開されたメインポスターは、春の柔らかな日差しの中でカメラを見つめるミンギョンの表情が印象的です。ファインダーのフレームを模したデザインは、彼女の心の揺れ動きを象徴しているかのよう。また、ポスターの下部で優しく微笑むドックと舞い散る桜の花びらは、韓国の美しい春の情景を連想させ、観るだけで心が洗われるようです。
韓国では「春」は新しい出発を意味する特別な季節。卒業や入学といった節目の時期に、この映画が届ける「幸せを呼ぶ呪文」は、きっと多くの観客
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