韓国ドラマ界が今、一本の「レトロ・コメディ」に沸いています。
現在、韓国のtvNで放送中の土日ドラマ「アンダーカバー・ミス・ホン(언더커버 미쓰홍)」が、並み居る強豪を抑えて話題性の頂点に立ちました。最終回まで残り2回となった今、視聴率は2桁の大台を突破し、SNSやコミュニティサイトでは結末を予想する書き込みが溢れています。
本作の何が、これほどまでに韓国の視聴者を惹きつけているのでしょうか?日本人ファンなら知っておきたい、ドラマの背景と人気の秘密を紐解きます。
■ Netflixオリジナル作を抑えての「話題性1位」という快挙
韓国の話題性分析機関「グッドデータコーポレーション」の発表(2月4週目)によると、TV-OTT統合ドラマ部門で「アンダーカバー・ミス・ホン」が1位を獲得しました。驚くべきは、そのライバルです。前週まで1位だったのは、実力派のシン・ヘソン(신혜선)とイ・ジュニョク(이준혁)が主演するNetflixシリーズ「レディ・ドゥア(레이디 두아)」でした。
世界配信の大型タイトルを抑えて、地元のケーブルテレビ局(tvN)のドラマが首位を奪還したことは、韓国国内での「体感人気」がいかに高いかを物語っています。
視聴率も驚異的な右肩上がりを見せています。初回3.5%という静かなスタートでしたが、口コミが広がり、最新の第14回では全国11.8%、最高13.1%(ニールセンコリア基準)を記録。今や「週末の顔」としての地位を完全に固めました。
■ 「90年代レトロ」と「痛快な下克上」が融合したストーリー
本作の舞台は1990年代。30代のエリート証券監督官であるホン・グムボ(박신혜:パク・シネ)が、怪しい資金の流れを追うために、証券会社へ「20歳の新人社員」として偽装就職する物語です。
ここで注目したいのが、韓国で定着している「ニュートロ(New+Retro)」ブームです。90年代のファッションや音楽、当時のオフィス風景を再現した映像美は、当時を知る世代には懐かしく、MZ世代(20代〜30代)には新鮮に映っています。
また、主人公の名前「ホン・グムボ」は、実は香港のアクションスター、サモ・ハン・キンポー(洪金寶)の韓国語読みと同じ。そんな遊び心のある設定も、コメディとしての楽しさを引き立てています。
しかし、物語は単なるコメディでは終わりません。劇中、韓国を揺るがした「IMF危機」が訪れます。
※豆知識:IMF危機とは?
1997年に韓国が深刻な外貨不足に陥り、国際通貨基金(IMF)の支援を受けた経済危機のこと。多くの企業が倒産し、失業者が溢れたこの時期は、韓国人にとって「最も苦しく、忘れられない記憶」の一つです。ドラマでは、この激動の時代を背景に、パク・シネ演じる主人公が仲間と共に立ち上がる姿が描かれています。
■ 最終回の見逃せない「3つの観戦ポイント」
いよいよ明日から放送される最終回に向けて、注目すべきポイントを整理しましょう。
1. 「ヨイド海賊団」の最後の大勝負
主人公のホン・グムボを中心に結成された「ヨイド海賊団」。ヨイド(汝矣島)とは、ソウルの漢江にある島で、日本でいう日本橋兜町や大手町のような「金融の街」です。ハ・ユンギョン(하윤경)、コ・ギョンピョ(고경표)らが演じる個性豊かなメンバーたちが、腐敗した会長を倒し、会社を救うためにどんな作戦を仕掛けるのか。チームプレーの集大成に期待がかかります。
2. ビランへの徹底的な「勧善懲悪」
韓国ドラマの醍醐味といえば、悪役(ビラン)への容赦ない報復です。私欲のために息子さえ死に追いやったカン会長(최원영:チェ・ウォニョン)と、その右腕の執拗な悪行に対し、どのような「サイダー(胸がすくような展開)」な結末が用意されているのか、視聴者の関心が集中しています。
3. 宿舎301号室の「ウォーマンス」
女性専用宿舎で共に過ごす4人のルームメイトたちの友情(ウォーマンス)も見逃せません。
※豆知識:ウォーマンス(Womance)とは?
ウーマン(Woman)とロマンス(Romance)を掛け合わせた造語。ブロマンスの女性版で、単なる友達以上の強い絆や、自立した女性同士の連帯を指します。
複雑な利害関係に巻き込まれた彼女たちが、事件解決後もその友情を守り抜けるのか。ラストシーンでの彼女たちの笑顔を願わずにはいられません。
主演のパク・シネは、出演者話題性ランキングでも1位を獲得。まさに「信じて見る女優」としての底力を見せつけました。1990年代というノスタル
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