産業時代の「アリ」のような勤勉さから、AI時代の「キリギリス」のような遊びの能力へ。世界を席巻するBTSを例に、文化や芸術が持つ経済的・人道的価値を人文学の視点から考察します。
■ 勤勉な「アリ」の時代からAIの時代へ
かつての産業時代は、勤勉さ、蓄積、貯蓄、反復、効率、生産性といった価値観が、社会が人間に求める核心的な倫理でした。学校教育は誠実な「アリ」を育てるために制度化され、工場や会社は決まった時間に最大効率を上げる労働者を理想としてきました。
しかし現在、私たちはAI時代という新しい世界の入り口に立っています。これまで人間が行ってきた反復作業、計算、分類、予測、文書化といった仕事の多くは、人工知能がより正確に、そして休息を必要とせず遂行するようになります。いわば、疲れを知らない「AIアリ」の出現です。このような時代において、人間が機械よりもアリのように働いて競争に勝つことは極めて困難になっています。
■ 「ホモ・ルーデンス」とBTSに見る遊びの力
ここで注目されるのが、童話『アリとキリギリス』におけるキリギリスの存在です。これまでの産業社会では、キリギリスは単に遊んで暮らす怠け者として描かれてきました。しかし、AI時代が到来した今、人間に求められているのはまさにキリギリスのような「遊び」の能力です。
オランダの歴史家ヨハン・ホイジンガは、人間を「ホモ・ルーデンス(遊ぶ人)」と定義しました。文化は経済的結果として存在するのではなく、遊びの中で発生し、展開されるという考え方です。現代の文化産業の源泉であるゲーム、スポーツ、K-POP、映画、ドラマ、ウェブトゥーン、観光などは、すべてこの「遊びの構造」の上で動いています。
その象徴的な存在がBTSです。彼らは単に歌とダンスを販売しているわけではありません。音源やアルバム販売はもちろん、コンサート、キャラクターグッズ、プラットフォームビジネス、さらには韓国語学習やファッション、飲食、そして韓国という国全体のイメージ再構築に至るまで、極めて複合的な価値を生産しています。
■ ベテランのキリギリスが貯蔵するもの
2020年時点でBTSによる経済的波及効果は1兆ウォン(約1,100億円)を超えたと算出されており、現在は数兆ウォン規模に達していると推測されます。彼らの成功は、「よく遊ぶこと」がいかに高度に訓練された方式であり、どれほどの価値を生むかを示しています。
かつて、大衆芸術家を指して「タンタラ(芸能人を低く見る呼称)」と呼んだ時代もありましたが、今や彼らは輸出の最前線に立つ集団です。AIがアリの役割を代行するこれからの時代、人間には「キリギリス的な能力」が不可欠になります。
アリが冬に備えて食料を貯蔵するように、現代のキリギリスであるアーティストやクリエイターたちは、人々の孤独を癒やす「ヒューマニズム」や「情緒」を貯蔵しているのです。技術文明が進化すればするほど、人間の遊びと文化の力は、私たちが冷たい技術の冬を乗り越えるための武器となるでしょう。
出典:https://www.jnilbo.com/news/articleView.html?idxno=90000041705
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ タンタラ(딴따라)
元々は楽器の音を模した言葉で、芸能人を「単に騒いで遊んでいる人」と見下して呼ぶ際に使われた差別的な表現です。しかし現在では、K-POPや韓国ドラマが世界的に成功したことで、誇りを持って自らをこう呼ぶアーティストも増えるなど、言葉の持つニュアンスが変化しています。
■ ホモ・ルーデンス(Homo Ludens)
「遊ぶ人間」を意味するラテン語で、人間を「知性(サピエンス)」や「工作(ファーベル)」ではなく、「遊び」こそが文化を創造する本質的な要素であると捉える概念です。韓国の文化評論では、K-POPの熱狂的なファン文化やコンテンツの爆発力を説明する際によく引用されます。
私は『財閥家の末息子』のような、緻密な戦略で成り上がっていくミステリー系が大好きなんですが、この記事を読んでエンタメの力って本当にすごいんだなと改めて実感しました。BTSのようなスターが、経済だけでなく人の心まで救っていると思うと感動しちゃいます。皆さんは、自分の好きな「遊び」がいつか大きな価値を生むと思いますか?それとも、やっぱり仕事はアリのようにコツコツ派ですか?





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