BTS(防弾少年団)が約4年ぶりとなる完全体コンサート開催を発表してから、わずか48時間で海外からソウルへの旅行検索が155%増加し、釜山に至っては2375%も急増したという。このように推し活のために海外ファンが大挙押し寄せ、地域の観光・宿泊産業まで活気づかせる現象が「ツアーツーリズム」だ。
もはやK-POP自体が、日本を含む世界のファンにとって一大トラベルコンテンツとなっている。グローバルなK-POPファンたちが今、ソウルをどう楽しんでいるのか—その実態を追ってみた。
アイドルのコンサート会場で完結しない海外ファンの行動パターンが興味深い。彼らは所属事務所のビルを訪れたり、推し活が通った飲食店やカフェを探し歩いたりと、「アイドルの足跡」をたどりながら街を散策する。そうした訪問動線や認証ショットはシャオホンシュ(中国版Instagram)やX(旧Twitter)で共有され、その情報がまた新たな訪問者を呼び込む構造ができている。ソウルは単なる観光地ではなく、グローバルなK-POPファンたちの「聖地」として確立されたのだ。
■成水洞(ソンスドン):SM系ファンの聖地スポット
成水洞に位置するSM エンターテインメント(大手K-POP事務所)の新本社ビルは、SMTOWN傘下アーティストの「ピンク・ブラッド」ファンの必須立ち寄りスポットだ。ビル内に開設された「KWANGYA(光野)ストア」には、少女時代、SHINee、EXO、NCT、aespa(エスパ)といった所属アーティストのアルバムと公式グッズを購入しようと、連日ファンが押し寄せている。ビル前でポストカードを持ったインスタ映えショットを撮る光景も当たり前だ。
成水洞周辺は最近、K-POPポップアップストアの重要な拠点として浮上。2025年にはNCT WISH、RIIZE(ライズ)、NMIXX(エンミックス)といった人気アイドルのアルバム発売記念ポップアップや展示会が相次ぎ、ファンから熱い反応を得ている。アルバム発売時期に合わせた展示会、体験型スペース、フォトゾーン、限定グッズ販売がひっきりなしに開催され、ファンたちはカムバック(新作発表)の雰囲気を現場で体感できるのだ。
かつての強南洞(カンナムドン)SM Town時代を懐かしむファンも多く、江南エリアへ足を運ぶ。COEX(コエックス)内のK-POP広場では大型ビジョンと3Dメディアアートで映される映像作品が楽しめ、コエックスモール内の「ケイタウンフォーユー(Ktown4u coex)」も外せないスポット。最新アルバムとグッズ、ポップアップイベント、体験プログラムまで運営されており、K-カルチャーを一か所で体験できる。
■用山(ヨンサン):HYBE(ハイブ)系ファンの巡礼コース
BTS、SEVENTEEN(セブンティーン)、TOMORROW X TOGETHER(トゥモロー・バイ・トゥゲザー)、ENHYPEN(エンハイフン)、LE SSERAFIM(ルセラフィム)、ILLIT(アイリット)などを傘下に持つハイブの本社ビルも、グローバルファンの足が絶えない。かつては展示スペース「HYBE INSIGHT」が営業していたが、現在はビルを背景に写真に収めたり、誕生日やカムバックを祝う応援広告を眺めたりすることが定番コースとなっている。
本社訪問後、ファンの行動は自然と「用里団通り(ヨンリダンギル)」へ向かう。近辺にはメンバーが来たと言われている飲食店やカフェが集まっている。本社から徒歩5分の「オグンネ2タッカルビ」はRMやエンハイフンメンバーの来店情報がきっかけでファンが殺到。本社向かいの「スタンダード・バン」はアイリットのミンジュが来店後、SNSで話題化した。メンバーが好んだとされるドリンクやデザートを実際に体験することが新たな旅のコンテンツになっている。「もしかして偶然出会えるのでは」という期待感も、このコースの醍醐味だ。最後に訪れるのは用山アイパークモール。内部のK-POPグッズショップ「ウィズミュー(WithMUU)」で最新アルバムや公式ペンライト、各種グッズを購入し、本社認証ショット→グルメ→グッズ購入という完全な「ハイブコース」が完成する。
■弘大(ホンデ)・合井(ハビ):YG系ファンの遊び場
合井に位置するYG エンターテインメント(大手事務所)新本社も、BIGBANG、BLACKPINK(ブラックピンク)、TREASURE(トレジャー)といったグローバルファンの人気スポット。YGは来訪者のために向かいのビル全体をファン専用スペース「ザ・セイム(The SameE)」として造成した。「ファンとアーティストが同じ時間、同じ空間を共有する」という意味を込めた施設には、カフェ、グッズショップ、展示スペースが完備されており、ファンはアーティストのMVやポスターを鑑賞しながらくつろげる。
弘大周辺にはK-POP公式グッズ、アルバム、ペンライト、ポストカードなどを扱う店舗が密集しており、自然と「グッズツアー」動線が形成される。「
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