第79回カンヌ国際映画祭の変革と光影。韓国映画ホープが巻き起こした議論と芸術の力

Buzzちゃんの見どころ

第79回カンヌ国際映画祭では、韓国映画史上最大規模の製作費を投じたSF大作『ホープ』が競争部門に選出され、そのジャンル性を巡って現地で大きな議論を巻き起こしました。

■ 体質改善を図るカンヌ国際映画祭の現在地

第79回カンヌ国際映画祭は、政治的な発言やクィア映画の存在感が増す中で、一種の「体質改善」の時期を迎えています。今年のラインナップを振り返ると、公式の競争部門以上に、非競争部門やサイドバーセクション(並行部門)の作品に強い輝きが感じられたのが特徴です。映画祭のメイン会場であるリュミエール大劇場と、その隣に位置するドゥビッシー劇場では、連日映画の定義を問うような熱い上映が続きました。

特に注目を集めたのは、ポーランドの巨匠パヴェウ・パヴリコフスキ(파베우 파블리코프스키)監督の新作『ファーザーランド』です。歴史的解釈を超え、人間の感情を鮮烈に描き出したこのモノクロ作品は、アスペクト比やカメラワークにおいて徹底した単純さを追求しながら、その裏にある強烈な凝縮感で観客を圧倒しました。監督は「世の中には言葉や動きがあふれすぎている」と語り、独自の美学を82分に封じ込めています。

■ フランス映画界を揺るがす「ブラックリスト」と抵抗の野次

一方で、華やかな映画祭の裏側では深刻な対立も浮き彫りになりました。フランスのスター俳優イザベル・ユペール(이자벨 위페르)やヴァンサン・カッセル(뱅상 카셀)が出演するアスガー・ファルハディ(아스가르 파르하디)監督の『パラレル・テイルズ』の上映時、制作・配給を手掛けたカナル・プリュス(フランスの有料放送局)のロゴがスクリーンに映し出されると、会場からは激しい野次が飛びました。

これは、カナル・プリュスの実質的な支配株主である保守系財閥がメディア支配を強めていることに対し、映画人たちが「想像力のファシスト的掌握」として抗議声明を出したことが背景にあります。さらに、カナル・プリュスのCEOが声明に署名した俳優らと「二度と仕事をしない」という実質的なブラックリストを宣言したことで、映画祭後半にはロゴが出るたびに「ファシスト!」という怒号が響く異例の事態となりました。

■ 韓国映画『ホープ』が投じた一石と芸術性の追求

リュミエール大劇場で最も大きな話題をさらったのは、韓国から出品されたナ・ホンジン(나홍진)監督の『ホープ(호프)』でした。韓国映画史上最大の製作費を投じたSFクリーチャー・ブロックバスターである本作が、作家性を重視する「競争部門」に選出されたことは、現地メディアの間でも賛否両論を巻き起こしました。本来であれば深夜枠(ミッドナイト・スクリーニング)にふさわしいジャンル映画が、最高賞を競う場に登場したことで、静かだった映画祭の雰囲気を一変させました。

一方で、9年ぶりにカンヌへ戻ってきたヴァレスカ・グリゼバッハ(발레스카 그리제바흐)監督の『ドリームド・アドベンチャー』のような、自然主義的で静かな作品も高く評価されました。ブルガリアの国境地帯を舞台にした考古学者の物語は、緻密に構成されたプロットを超えて、観客がその場の空気や風を感じるような映画的体験を提供しました。今年のカンヌは、商業的な大作と、純粋な芸術性を追求する作家主義的な映画が、それぞれの極端な位置で共存し、ぶつかり合う刺激的な場所となっていました。

出典:http://www.cine21.com/news/view/?mag_id=110079&utm_source=naver&utm_medium=news

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ カンヌ国際映画祭の競争部門(In Competition)

世界三大映画祭の一つであるカンヌにおいて、最高賞の「パルム・ドール」を競うメインのセクションです。通常は巨匠や作家性の強い監督の作品が選ばれますが、近年では韓国映画などの商業的成功と芸術性を両立させた作品が選出されることも増えています。

■ クリーチャー・ブロックバスター

怪獣や正体不明の生命体(クリーチャー)が登場する、巨額の予算を投じた娯楽大作を指します。韓国では『グエムル-漢江の怪物-』などが有名ですが、今回の『ホープ』はそれを超える規模のSF映画として世界中から注目されています。

Buzzちゃんの感想

ナ・ホンジン監督の『ホープ』、製作費が韓国史上最大規模だなんて、それだけで期待が高まっちゃいます。カンヌの競争部門でジャンル映画が物議を醸すのも、それだけ作品にパワーがあった証拠だと思うんですよね。個人的には芸術性の高い難解な映画もいいけれど、やっぱり手に汗握るエンタメ作品に惹かれちゃいます。皆さんはカンヌのような映画祭に、ハリウッド顔負けの超大作が並ぶのはアリだと思いますか?それとも、もっと作家主義的な映画だけを扱うべきだと思いますか?

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