韓国から4年ぶりにコンペティション部門へ進出した『ホープ』は惜しくも無冠でしたが、世界200カ国への先販売を達成しました。最高賞のパルム・ドールは、クリスティアン・ムンジユ監督の『フィヨルド』が受賞しています。
フランスで開催された第79回カンヌ国際映画祭が2023年5月23日(現地時間)、リュミエール大劇場で閉幕式を行い、各賞の受賞結果が発表されました。韓国映画界が熱い視線を送っていたナ・ホンジン(나홍진)監督の新作映画『ホープ(HOPE)』は、惜しくも受賞を逃す結果となりました。
■ 最高賞パルム・ドールはルーマニアの巨匠へ
今年の最高賞であるパルム・ドール(カンヌ国際映画祭の最高賞)に輝いたのは、ルーマニアのクリスティアン・ムンジユ(Cristian Mungiu)監督による『フィヨルド』でした。この作品は、ノルウェーに移住したルーマニア系の夫婦が、子供の養育方針や宗教問題を巡って周囲の住民と衝突する姿を描いた人間ドラマです。ムンジユ監督は2007年にも『4ヶ月、3週と2日』で同賞を受賞しており、今回が2度目の最高賞受賞という快挙となりました。
2等賞にあたる審査員大賞は、ロシアのアンドレイ・ズビャギンツェフ(Andrey Zvyagintsev)監督の『ミノタウロス』が受賞しました。成功した経営者が戦争への人員派遣や家庭の問題に直面する葛藤をスリラー調で描いた作品です。
■ 俳優賞は共同受賞が相次ぐ異例の展開
今回の映画祭では、俳優賞で複数の共同受賞者が誕生しました。男優賞は『カワード』に出演したエマニュエル・マキア(Emmanuelle Machia)とバランタン・カンパニュ(Valentin Campagne)の2名が獲得。
注目の女優賞では、日本の濱口竜介(하마구치 류스케)監督の新作『オール・オブ・ア・サドゥン』に出演したヴィル지ニー・エフィラ(Virginie Efira)と岡本多緒(TAO)の2名が選ばれました。濱口監督作品から日本人俳優の受賞者が出たことは、アジア映画界にとっても大きなニュースとなりました。
■ 『ホープ』は無冠も、海外マーケットで驚異の「完売」
ナ・ホンジン監督の『ホープ』は、韓国映画としては2022年の『ベイビー・ブローカー』や『別れる決心』以来、4年ぶりにコンペティション部門(映画祭のメイン部門)に招待され、大きな期待を集めていました。
映画の内容は、韓国の孤立した漁村「ホポ港」に突如としてエイリアンが現れ、村の人々が恐怖と怒りに包まれる姿を描いたSFアクションスリラーです。ファン・ジョンミン(황정민)、チョ・インソン(조인성)、チョン・ホヨン(정호연)といった豪華キャストが出演しています。
受賞こそ叶いませんでしたが、現地の公式上映では20分間にわたるスタンディングオベーション(観客が立ち上がって拍手を送ること)が続き、各国の有力メディアからも高い評価を得ました。この反響はビジネス面にも直結し、カンヌの映画マーケットでは世界200カ国以上に先行販売が決定。「完売」状態となるなど、韓国映画の底力を見せつけました。
なお、今回の審査員長は映画『オールド・ボーイ』などで知られるパク・チャヌク(박찬욱)監督が務めました。韓国人監督が審査のリーダーとして映画祭を率いたことも、今年の大きなトピックとなりました。
出典1:https://www.ajunews.com/view/20260525143018937
出典2:https://www.womentimes.co.kr/news/articleView.html?idxno=103169
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ カンヌ国際映画祭と韓国映画
韓国映画はカンヌとの縁が非常に深く、2019年にはポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が韓国映画史上初のパルム・ドールを受賞しました。今回のナ・ホンジン監督も、デビュー作の『チェイサー』から今回の『ホープ』まで全作品がカンヌに招待されており、「カンヌが愛する監督」の一人として知られています。
■ パク・チャヌク監督の功績
今回審査員長を務めたパク・チャヌク監督は、韓国映画の国際的地位を押し上げた立役者です。カンヌでは過去に『オールド・ボーイ』で審査員特別グランプリ、『渇き』で審査員賞、『別れる決心』で監督賞を受賞しています。韓国人が審査員長を務めることは、世界におけるKコンテンツの影響力を象徴する出来事といえます。
ナ・ホンジン監督の『ホープ』、受賞は逃したけれど世界中で完売なんて本当にすごいです。私は財閥ドロドロ系も好きですが、この作品のような極限状態の人間ドラマも大好きなので、7月の韓国公開が待ちきれません。特にチョ・インソンさんがどんな演技を見せてくれるのかワクワクしちゃいます。皆さんはSFスリラー映画はお好きですか?それともやっぱり王道の恋愛ドラマ派ですか?





コメント