キム・チョヨプ原作のSF短編が初のアニメ化!巡礼者たちはなぜ帰らないのかホ・ピョンガン監督が語る制作秘話

Buzzちゃんの見どころ

韓国で40万部超えを記録したキム・チョヨプ(김초엽)の人気小説が初のアニメ映画化。2026年6月3日に公開され、日本のアニメ業界で経験を積んだホ・ピョンガン(허평강)監督が、独創的なSFの世界観を構築しています。

■ ベストセラーSF小説が待望の映像化
韓国のSFブームを牽引する作家キム・チョヨプの代表作『私たちが光の速さで行けないなら』に収録された短編『巡礼者たちはなぜ帰らないのか』が、アニメーション映画として誕生しました。本作は、自らユートピアを去り、不完全な世界を選択した人々の物語を描いています。

総監督を務めたのは、本作が監督デビュー作となるホ・ピョンガンです。彼はこれまで『名探偵コナン ゼロの執行人』や『ハイキュー!! TO THE TOP』、『日本沈没2020』など、数多くの日本のアニメーション制作に携わってきた経歴を持ちます。今回のプロジェクトでは、原作が持つ文学的な感性と神秘的な雰囲気を維持しながら、アニメーションならではの手法で物語を拡張させました。

■ 日本での経験を活かしつつ「韓国らしさ」を追求
ホ・ピョンガン監督はインタビューで、日本のアニメ業界で学んだ技術をそのまま再現するのではなく、韓国人クリエイターとしてのアイデンティティを大切にしたと語っています。作画の構想段階では、キャラクターデザイナーのウィ・ヒョンソン(위현송)と議論を重ね、「世界名作劇場」のような懐かしく温かみのある絵柄を目指したといいます。

これは、特定のファン層だけでなく一般の観客も親しみやすいデザインにすることで、作品に込められた深遠なメッセージをより広く届けるための工夫です。5頭身から6頭身程度の親しみやすい比率を採用しつつ、多様性を表現する独創的なビジュアルを完成させました。

■ 徹底した世界観の構築とこだわり
映画の舞台設定には、監督自身の経験が反映されています。惑星の風景は、トルコのカッパドキアで目にした、まるで火星のような岩山の景色からインスピレーションを得たそうです。また、原作では男女双方が存在するユートピアの描写を、映画では女性のみが暮らす空間へと変更しました。

この変更についてホ・ピョンガン監督は、観客が「なぜわざわざ愛を探しに地球へ向かうのか」という疑問を抱かないよう、物語の説得力を高めるための選択だったと明かしています。また、物語に宗教的な雰囲気を持たせるため、特定の宗教に偏らない形で聖典や神女といった要素を配置し、神秘的なユートピアの姿を描き出しました。

本作は、外見の美しさや才能が重視される階級社会である地球と、欠点があっても「あなたの汚れは美しい」と認め合えるユートピアの対比を通じ、真の愛と人間らしさの意味を問いかけています。

出典:https://www.sisaweek.com/news/articleView.html?idxno=235901

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ キム・チョヨプ旋風

韓国で現在起きているSF小説ブームの象徴的な作家です。特に若い女性層を中心に絶大な支持を得ており、彼女の作品は「感性SF」と呼ばれ、科学的な設定の中に社会的な弱者や人間関係の機微を織り交ぜるのが特徴です。

■ 日本のアニメ業界と韓国人クリエイター

韓国のクリエイターが日本のアニメ制作会社で経験を積み、その後韓国に戻ってメインスタッフとして活躍するケースが増えています。本作の監督もその一人で、日本の緻密な制作手法と韓国独自の感性を融合させた新しいスタイルが注目されています。

Buzzちゃんの感想

私は恋愛中心のドラマは少し苦手なんですが、この作品のような「欠点があるからこそ人間らしい」というメッセージにはすごく心打たれます。映像もピンク色の岩山など幻想的で、大好きな『財閥家の末息子』のようなミステリー要素とはまた違った没入感がありそうです。皆さんは、完璧だけど変化のない世界と、不完全だけど愛がある世界、どちらに惹かれますか?

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