1999年に公開され、韓国映画初のアメリカ配給を果たしたアクション大作が再び脚光を浴びています。主演のパク・チュンフン(박중훈)が10日間も雨に打たれながら撮影したという伝説の格闘シーンの裏側が明かされました。
■ 韓国型「ハードボイルド」を確立した独創的なスタイル
韓国のアクション映画史において、欠かすことのできない名作『認めざるを得ない(原題:인정사정 볼 것 없다)』が、公開から20年以上を経た今、その革新的な演出スタイルで改めて評価されています。本作は雨の日に発生した殺人事件を追い、刑事たちが犯人を執拗に追跡する姿を描いた刑事アクション映画です。
それまでの韓国映画にはなかった、ハリウッドの「ハードボイルド(感情を抑え、冷酷で暴力的な事実を淡々と描くジャンル)」を韓国独自の感性で再解釈した点が最大の特徴です。犯人を冷徹に、刑事を本能のままに動く肉体的なイメージで描き出し、現代の刑事アクション物の原点となりました。
■ 実験的な手法と「雨の中の死闘」
イ・ミョンセ(이명세)監督は、当時の商業映画としては極めて珍しいアニメーションの挿入や、スローモーション、ジャンプカット(映像を意図的に飛ばしてつなげる編集技法)といった実験的な手法を次々と取り入れました。イ監督は「ストーリーは、刑事は必ず捕まえるという単純なもの。その単純な物語をいかに映画的なイメージで伝えるかにこだわった」と当時を振り返っています。
特に、降りしきる雨の中で行われる格闘シーンは、韓国映画史上屈指の名シーンとして知られています。この場面はハリウッド映画『マトリックス レボリューションズ』でもオマージュ(尊敬を込めた引用)されたと言われるほど、国際的にも高い評価を得ました。
主演俳優のパク・チュンフンは「ゴリラになったような気持ちで、猪突猛進な刑事役を演じた」と語り、この雨のシーンだけで、日の出から日没まで丸10日間も雨に打たれ続けながら撮影したという過酷なエピソードを明かしました。
■ 映画界における「韓流」の先駆け
本作は、韓国映画として初めてアメリカの配給網に乗って北米公開されたことでも知られています。サンダンス映画祭(アメリカで開催される独立系映画の祭典)を通じて配給が決まり、当時はまだドラマ中心だった韓流ブームの中で、映画ファンという新たな層を海外で開拓しました。
専門家は、本作を「暴力の美学を盛り込んだ韓国型ハードボイルドの誕生であり、韓国映画の全盛期を切り開いた作品」と位置づけています。単なる娯楽映画を超え、映像美と独自のスタイルを確立した本作の価値は、今も色あせることがありません。
出典:https://news.kbs.co.kr/news/pc/view/view.do?ncd=8563025&ref=A
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ ハードボイルド(Hardboiled)
元々は文学ジャンルの一つで、感情を交えずに客観的な事実や暴力的な現実を淡々と記述するスタイルを指します。韓国映画では1990年代後半から2000年代にかけて、このスタイルを取り入れた刑事物やノワール作品が数多く制作され、独自のジャンルとして定着しました。
■ サンダンス映画祭
俳優のロバート・レッドフォード(Robert Redford)が創設した、アメリカ最大の独立系映画祭です。ここで高く評価されると全米配給のチャンスが広がるため、世界中の若手監督や実験的な作品が集まる「スターへの登竜門」として知られています。
私は『財閥家の末息子』のような緻密なミステリーが大好きなんですが、こうした今の洗練された作品があるのは、本作のような骨太な名作が道を切り開いてくれたからだと思うんです。パク・チュンフンさんの泥臭い演技と、芸術的な映像のギャップが本当に素敵ですよね。皆さんは、昔の韓国映画の名作を遡って観る派ですか?それとも最新作を追いかける派ですか?





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