脱・Netflixで世界を狙う!韓国ドラマ界に起きている新戦略プラットフォーム多角化の全貌

「韓国ドラマを見るなら、まずはNetflix(ネットフリックス)」――。そんな常識が、今まさに大きな変化を迎えています。

これまで、韓国コンテンツが世界的なヒットを飛ばすためには、Netflixのような巨大な単一プラットフォームを通じて配信されることが「王道」であり、ほぼ唯一の成功ルートだとされてきました。しかし、最近の韓国エンタメ界では、あえて特定のプラットフォームに依存せず、世界中のさまざまなサービスに作品を供給する「プラットフォーム多角化」戦略が注目を集めています。

今回は、この新しい流れが日本の韓流ファンにどのような影響を与えるのか、そして韓国の制作現場で何が起きているのかを詳しく解説します。

■ ネットフリックスなしで「世界1位」を記録した話題作

その象徴ともいえる作品が、ティビング(TVING/韓国の主要配信サービス)のオリジナルドラマ『親愛なるX(친애하는 엑스)』です。

この作品は、昨年11月の韓国公開と同時に、海外では複数のプラットフォームを通じて一斉に配信されました。具体的には、アジアドラマファンにおなじみの「ラクテン・ヴィキ(Rakuten Viki)」、アメリカ大手の「HBOマックス(HBO Max)」、そして日本では「ディズニープラス(Disney+)」、さらに中東・北アフリカ地域の「スターズプレイ(StarzPlay)」といった具合です。

驚くべきは、その成績です。世界的な視聴ランキング集計サイト「フリックスパトロール」によると、『親愛なるX』はラクテン・ヴィキと日本のディズニープラスで1位を獲得、中東のスターズプレイでも2位にランクインしました。つまり、Netflixという「巨大な看板」を借りずとも、複数の窓口を確保することで世界的な大ヒットを記録できることを証明したのです。

ここで少し補足すると、韓国では今、国内発の配信サービス「K-OTT(韓国系OTT)」が非常に力をつけています。日本でもおなじみの「CJ ENM」系列のティビング(TVING)や、地上波放送局が共同で立ち上げたウェーブ(Wavve)などが、独自のオリジナル作品を次々と制作しており、これらが世界市場へ直接打って出る時代になったと言えます。

■ 「特定プラットフォームへの依存」から「ブランド館」の設置へ

これまでの韓国ドラマ界には、ある種の「偏り」への懸念もありました。
『イカゲーム(오징어 게임)』シリーズや『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜(더 글로리)』といった歴史的ヒット作がNetflixから生まれたことで、主役級の人気俳優たちが「世界的な知名度を上げるならNetflixオリジナル作品に出るのが一番」と考えるようになり、制作費や人材がNetflixに集中しすぎるという指摘があったのです。

そこで、韓国の配信各社が打ち出したのが「ブランド館」戦略です。

例えば、ティビング(TVING)は、HBOマックスのアジア・太平洋17地域において、プラットフォーム内に「ティビング・ブランド館」を開設しました。これは、百貨店の中に特定のブランドショップが入るようなイメージです。

この戦略により、ユ・ジテ(유지태)とイ・ミンジョン(이민정)が主演を務めるドラマ『ビルランズ(빌런즈)』や、JTBCで放送中の『未婚男女の効率的な出会い(미혼남녀의 효율적 만남)』などが、世界各地で現地の視聴者の目に触れるようになりました。また、ウェーブ(Wavve)も子会社を通じてアメリカ、カナダ、ブラジルなど30カ国以上に韓国コンテンツを提供しています。

■ なぜ「多角化」が必要なのか?制作費高騰とリスク分散の裏側

なぜ今、韓国のエンタメ企業はこれほどまでに配信先の拡大を急いでいるのでしょうか。そこには、切実な「制作費」の問題があります。

昨今の韓国ドラマは、映像クオリティの向上とともに1話あたりの制作費が跳ね上がっています。どんなに素晴らしい作品を作っても、一つのプラットフォームでしか配信されない場合、そこでもしヒットしなかった時のダメージは甚大です。

しかし、複数の国のさまざまなプラットフォームと手を組めば、リスクを分散させることができます。「韓国国内ではあまり注目されなかったけれど、ブラジルや中東では熱狂的に支持された」というような、いわゆる「逆輸入的なヒット」も狙えるようになるのです。

ティビングの関係者は、「特定のプラットフォームでの単独ヒットではなく、多数の国で同時に成果を出すことが重要。ブランドとしての実績を積み上げていくことができる」と、この戦略のメリットを強調しています。

私たちファンにとっても、この流れは決して無関係ではありません。これまでは「Netflixに入っていないから見られない」と諦めていた話題作が、普段使っている別のサービスや、複数の窓口から手軽に視聴できるようになる可能性が高まっているからです。

また、配信先が増えることで制作側の資金繰りが安定すれば、さらに多様なジャンル、より挑戦的なストーリーのドラマが生まれる土壌が整います。大資本の意向に左右されすぎない、作家性の強い作品に出会えるチャンスが増えるかもしれません。

韓流ファンの皆さんは、最近Netflix以外のプラットフォームでチェックしているお気に入りの韓国ドラマはありますか?「次はこれが日本で見られるかも!」という期待も込めて、ぜひ注目している作品をコメントで教えてくださいね!

出典:https://www.hani.co.kr/arti/culture/culture_general/1248188.html

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