韓国映画界に、また新たな「伝説」が誕生しました。
今、韓国で最も熱い視線を浴びている制作会社「SLL」が、映画『犯罪都市4(범죄도시4)』(2024年公開、マ・ドンソク主演の大ヒットアクション映画)に続き、またしても観客動員数1,000万人を超える「1,000万映画」を世に送り出しました。その話題作の名は、『王と生きる男(왕과 사는 남자)』。
2026年3月7日、韓国の映画振興委員会・統合電算網の集計によると、本作は前日の6日に累計観客数1,000万人を突破しました。これは、2024年上半期に1,150万人を動員したアクション大作『犯罪都市4』以来、約2年ぶりとなる快挙です。
日本の韓流ファンの皆さんにとって、韓国での「1,000万映画」という言葉は馴染みがあるかもしれません。韓国の人口は約5,100万人。つまり「5人に1人が見た」計算になる1,000万突破は、単なるヒットを超えた「国民的社会現象」を意味します。日本では100億円超えの興行収入に匹敵する、まさに映画人の悲願とも言える数字なのです。
なぜ、この『王と生きる男』がこれほどまでに韓国人の心を掴んだのか。そして、日本でも人気の高いキャストたちがどのような輝きを見せたのか。その舞台裏を詳しく紐解いていきましょう。
■「悲劇の若き王」を新解釈。実力派ユ・ヘジンと新星パク・ジフンの化学反応
本作『王と生きる男』の舞台は1457年。朝鮮王朝時代、叔父によって王位を追われ、江原道(カンウォンド)の寧越(ヨンウォル)へと流刑になった悲劇の若き先王、端宗(タンジョン/本名:イ・ホンウィ)の物語を描いています。
これまでの韓国時代劇(サグク)において、端宗は「哀れな王」として描かれることが一般的でした。しかし、今作が画期的だったのは、その王を「守ろうとする者たち」の人間愛にスポットを当てた点です。
主演を務めたのは、日本でも「信頼して見られる俳優(ミドゥボ)」として圧倒的な知名度を誇るユ・ヘジン(유해진)です。彼は今回、流刑になった王を守ろうと奔走する村長、オム・フンド役を熱演しました。ユ・ヘジンといえば、映画『コンフィデンシャル/共助』シリーズや『タクシー運転手 〜約束は海を越えて〜』などで見せる、親しみやすさと重厚な演技が魅力。今回も、コミカルな一面を見せつつも、命をかけて王を守る熱い人間味を見せ、観客の涙を誘いました。
そして、本作最大のトピックは何と言っても、若き王イ・ホンウィを演じたパク・ジフン(박지훈)の存在です。
オーディション番組『PRODUCE 101 シーズン2』から誕生した伝説のグループ「Wanna One(ワナワン)」出身の彼は、ソロ活動開始後、ドラマ『弱いヒーロー Class1』などでその演技力を高く評価されてきました。しかし、今作で「1,000万俳優」という称号を手にしたことで、アイドル出身という枠を完全に超え、韓国映画界を背負って立つ若手実力派としての地位を不動のものにしました。
韓国では「演技ドル(演技ができるアイドル)」という言葉がありますが、最近ではその境界線がなくなりつつあります。特にパク・ジフンが見せた、繊細で孤独な王の感情表現は「これまでの端宗の中で最も美しい」とSNSでも大きな話題となりました。
■名匠チャン・ハンジュン監督が仕掛けた「重すぎない時代劇」の魔法
本作のメガホンを取ったのは、チャン・ハンジュン(장항준)監督です。彼は人気脚本家キム・ウニ(『シグナル』『キングダム』などで知られるヒットメーカー)の夫としても有名ですが、彼自身、ユーモアと鋭い演出力を兼ね備えた鬼才として知られています。
韓国の観客にとって、時代劇は「用語が難しそう」「展開が重そう」という先入観を持たれがちです。しかし、チャン・ハンジュン監督はそこに現代的なユーモアとテンポの良い演出を加えました。その結果、歴史に詳しくない10代・20代から、史実を知る50代以上の層まで、全世代が楽しめるエンターテインメントへと昇華させたのです。
また、本作を製作した「SLL(韓国の地上波局JTBC傘下のコンテンツ制作会社)」の戦略も見事でした。SLLは「マルチレーベル戦略」を採用しており、今回の制作を担った「BAエンターテインメント」のような個性豊かな制作会社を傘下に持っています。各レーベルのクリエイティビティを尊重しつつ、グローバルな流通網をサポートするこのシステムが、『犯罪都市』シリーズに続く「1,000万映画」の連続輩出を可能にしたと言えるでしょう。
■「歴史」という馴染みのある素材を、いかに「新しく」見せるか
韓国映画界には「時代劇はヒットしにくい」と言われていた時期もありましたが、近年では『ソウルの春(서울의 봄)』のように、実際の歴史をベースに映画的想像力を加えた作品が爆発的な支持を得る傾向にあります。
今回の『王と生きる男』の成功も、まさにその流れを汲んでいます。
「端宗(タンジョン)」という韓国人なら誰もが知る歴史上の人物を扱いながらも、その裏側にあったかもしれない「名もなき民草との絆」を温かく描いたこと。そして、ベテランのユ・ヘジンと、新世代の旗手パク・ジフンという、年齢もキャリアも異なる二人の「ブロマンス(男同士の熱い絆)」に焦点を当てたことが、多くの人々の心に深く刺さったのです。
パク・ジフンは自身のSNSで「1,000万という数字が信じられません。心から愛しています」と感謝を伝え、チームの集合写真を公開。ファンからは「私たちのジフンがついに1,000万俳優に!」「演技が本当に素晴らしかった。おめでとう」といった祝福のコメントが殺到しています。
2026年、韓国映画界に力強い一歩を刻んだ『王と生きる男』。
SLLの関係者は「これからも世界中の観客が熱狂できるウェルメイド(作りの良い)コンテンツを届けていく」と意気込んでいます。映画だけでなくドラマやバラエティでも勢いを見せる彼らの次なる一手にも注目が集まります。
パク・ジフンさんの熱演、早く日本のスクリーンでも堪能したいですよね。もし皆さんがこの映画を見に行けるなら、ハンカチを何枚持っていきますか? ぜひ皆さんの「推し俳優」の1,000万超えへの期待や、パク・ジフンさんへの応援メッセージをコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.xportsnews.com/article/2120075
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