K-ドラマやK-映画のグローバル化に伴い、言語監修の重要性が急速に高まっている。その第一線で活躍するのが、俳優にして言語コンサルタントの公大有(コン・デユ)だ。BTS(防弾少年団)のファンミーティングMCから、最新ドラマ『この愛、通訳できますか?』(Netflix)まで、彼が関わった作品は数知れない。先ごろMBC(文化放送)でインタビューに応じた公大有が、国境を越えた活動の現場で感じることと、再日本人3世としてのアイデンティティについて語った。
■再日本人3世の言語的葛藤
神奈川県出身で、韓国国籍を持つ公大有。幼少期は日本語が主言語で、韓国語はほとんど話せなかった。その転機が訪れたのは2003年。韓国に移り、語学堂に入学して韓国語を一から学び直す決意をしたのだ。俳優活動も一時中断するほどの覚悟で、言語とアイデンティティに真摯に向き合った。
「日本にいた時は差別をほとんど感じませんでした。でも韓国に来た時は『あなた日本人でしょ』という視線を強く感じました」と公大有は当時を振り返る。「海外にいた時より、むしろ韓国に来た方が大変だったんです」
この経験が、彼の人生における大きな転機となった。韓国語を習得することが、自分が韓国人であることを最も簡潔に表現する手段だと考えたのだ。
■俳優から言語専門家へ
公大有が一般に認知されるようになったのは、日本の作品『仮面ライダーW』での活動がきっかけ。その後、韓国ドラマ『ミスター・サンシャイン』(2018年)に出演したことが、彼の人生を大きく変える。作品内の日本語台詞の監修と俳優への言語指導を担当したのだ。俳優と言語コンサルタントという二つの顔を持つ活動の開始だった。
以降、映画『鳴梁 命運の海戦』『鳴梁2 死の海』『パクチョン』では出演と日本語監修を兼務。『パクチョン』ではキム・ゴウンへの日本語指導も行った。『スチールレイン2』『パチンコ』『犯罪都市3』といった話題作にも参加している。
そして最近の注目作は、Netflixオリジナルシリーズ『この愛、通訳できますか?』だ。キム・ソンホ(『ボイス』シリーズなどで知られる人気俳優)扮する主人公ホジンの友人役で出演する傍ら、韓国語・日本語両言語の監修を担当。作品全体のクオリティ向上に貢献している。
■グローバル時代の「言語感度」
言語監修の仕事について、公大有はこう定義する。「グローバル視聴者の目線に合わせて、作品の言語完成度を調整する作業です」
「ある俳優の外国語が不自然だと、その瞬間に作品全体が話題になってしまう」と彼は指摘する。そのため、主役だけでなく脇役まで完成度を高めることが重要だというのだ。
実際、『この愛、通訳できますか?』での福士蒼汰(日本の有名俳優)キャスティング決定により、翻訳、トレーニング、台本修正対応など、業務量が急増。同時期にディズニー+ドラマ『メイド・イン・コリア』の言語指導も重なり、体力的に最も過酷な時期を過ごしたという。
「クレジットには私の名前だけが出ますが、実際にはクルーのような形で運営しています。それでも移動や日程調整、現場対応は最終的に私が責任を持つ場面が多いんです」
■韓国ドラマの現場で見えた「課題」
興味深いのは、公大有が韓国の現場で感じた違和感だ。「韓国作品には日本人キャラクターや日本が舞台の場面が頻繁に登場するのに、意外と誤った情報が多い」と述べる。
「オーディション現場で、日本語そのものを疑われることもありました。その時に『これは個人の問題ではなく、構造と認識の問題だ』と気づいたんです」
ネイティブスピーカーの存在は事実なのに、必要とされるべき役で落とされることもあるという。「結局のところ、認識が変わらないと同じ問題が繰り返されます」と力強く語った。
■『この愛、通訳できますか?』での経験
キム・ソンホとの共演について尋ねられると、公大有は笑顔を浮かべた。「日本語トレーニングを一緒にしながら、キャラクター分析に長い時間をかけました。現場では先生のような立場になるので、それは不思議な経験でしたね」
一方、『メイド・イン・コリア』の主演であるヒョンビン(『愛の不時着』などで知られるトップ俳優)については、こう語った。「繰り返し練習でリズム感と感情をトレーニングの中で構築するタイプでした。トップ俳優は訓練方法からして違うんだと実感した。ヒョンビンがなぜトップ俳優なのか理解できる瞬間でした」
■BTS MC時代の伝説的エピソード
公大有は過去、BTSのファンミーティングのMCを務めたことがある。その時の経験は今も鮮烈だという。
「当日現場で『衣装チェンジの時間を1人で10分埋めてほしい』と急に頼まれました。その瞬間、メンタルが大きく揺らぎました」
結局、1部と2部を合わせて約20分をほぼ即興で進行したのだが、「その20分が人生で
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