日本でも圧倒的な演技力で知られる実力派俳優、シム・ウンギョン(심은경)が、ついに韓国ドラマの世界に帰ってきます。
映画『サニー 永遠の仲間たち』や『怪しい彼女』で見せたコミカルで愛らしい姿から一転、2019年には日本映画『新聞記者』で第43回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。韓国人俳優として初の快挙を成し遂げ、その後も日本を拠点に活動を続けてきた彼女が、約6年ぶりに韓国ドラマへの復帰を果たすことが発表され、日韓両国のファンの間で大きな話題となっています。
今回、彼女が挑むのはなんと、物語の鍵を握る「強烈なヴィラン(悪役)」。これまでのイメージを覆す、冷酷なキャラクターへの挑戦に注目が集まっています。
■ 超豪華キャストが挑む、韓国の欲望の象徴「建物主」を巡るサスペンス
シム・ウンギョンが復帰作に選んだのは、2026年3月14日から韓国のケーブルテレビ局tvNで放送開始予定の新ドラマ『大韓民国で建物主(たてものぬし)になる方法(原題)』(脚本:オ・ハンギ、演出:イム・ピルソン)。
タイトルにある「建物主(コンムルジュ)」という言葉、実は韓国社会では単なる「大家さん」以上の特別な意味を持っています。韓国では「神の上に建物主(神様よりも偉いのがビルのオーナー)」という言葉があるほど、不動産収入で生活する建物主は全国民の憧れの的。本作は、借金に苦しむ「生計型・建物主」が、命よりも大切な家族と建物を守るために、偽装誘拐事件に加担してしまうというスリリングなサスペンスです。
共演陣も映画祭の常連組が顔を揃える超豪華仕様。主演のハ・ジョンウ(하정우、『チェイサー』などで知られる韓国映画界の至宝)をはじめ、イム・スジョン(임수정)、キム・ジュンハン(김준한)、そしてアイドルグループf(x)出身で俳優としても評価の高いチョン・スジョン(정수정/クリスタル)という、まるで映画のようなキャスティングが実現しました。
■ 念願のヴィラン役!シム・ウンギョンが演じる「得体の知れない恐怖」
この作品でシム・ウンギョンが演じるのは、冷酷で残酷な性格を持つヴィラン、ヨナ。再開発事業を推進する企業の担当者として、ハ・ジョンウ演じる主人公のギスジョンを執拗に追い詰めていく役どころです。
シム・ウンギョンは本作を選んだ理由について、「ヴィランを演じたいという長年の念願が叶った」と語っています。彼女が演じるヨナは、どこから来たのかも分からないミステリアスな人物。ある日突然現れ、人々に不幸をもたらすその姿は、これまでのステレオタイプな悪役とは一線を画すといいます。
さらに驚くべきは、彼女の役作りへのこだわりです。シム・ウンギョンは自らアイディアを出し、視覚的にも「ヨナ」という人物の二面性を表現しようと試みました。
「ゾッとするほど恐ろしいけれど、どこか子供のような無邪気さが共存している様子を見せたかった」と語る彼女。そのインスピレーションの源は、なんと名作映画『時計じかけのオレンジ』だそう。劇中での独特なファッションアイテムや、目の周りに赤い陰影を入れた「疲弊した雰囲気」のメイクなど、細部にまで彼女のこだわりが詰まっています。
■ 本格アクションにも初挑戦!「見たことのないシム・ウンギョン」に期待
今回の役どころでは、シム・ウンギョンにとって初となる本格的なアクションシーンも用意されているとのこと。撮影の数ヶ月前から練習に没頭したという彼女は、「これまでアクションをお見せする機会がありませんでしたが、今回の作品でしっかりお見せしたい」と自信をのぞかせています。
韓国では「ヨンクル(魂までかき集めるという意味で、無理な借金をして投資すること)」してまで不動産を手に入れようとする社会問題が背景にあります。このドラマも、そうした人々の剥き出しの欲望が描かれます。
「建物を取り巻く様々な人物の欲望が、どこまで暴走していくのかを見守る力がある作品です」と、見どころを語ったシム・ウンギョン。日本で培った経験を経て、より深みを増した彼女の演技が、韓国の地でどのような化学反応を起こすのでしょうか。
名子役から、日本を代表する女優へ、そして今度は韓国で最強のヴィランへ。歩みを止めないシム・ウンギョンの新しい顔
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