北朝鮮のお姫様キム・ジュエ氏が後継者に?ドラマの世界とは違う女性は花というスローガンの裏側

韓国ドラマ「愛の不時着」などを通じて、どこか遠くて近い存在として関心を集める北朝鮮の暮らし。劇中では市場(チャンマダン)でたくましく生きる女性たちの姿が印象的でしたが、実際の北朝鮮における「女性の地位」はいま、大きな転換期を迎えているようです。

北朝鮮の最高指導者、キム・ジョンウン(김정은)総書記の愛娘として知られるキム・ジュエ(김주애)氏。最近では「後継者」としての呼び声も高く、公式行事で見せる堂々とした姿が注目を集めています。しかし、その華やかな演出の裏側には、私たちが推しのドラマを観るのとはまた違った、北朝鮮独自の厳しい現実が隠されていました。

■「女性は花」という美名に隠された、驚くべき格差

北朝鮮には「女性は花(여성은 꽃이라네)」という有名な大衆歌謡があります。この曲は、家庭を献身的に支える女性を「花」に例え、彼女たちがいなければ生活が成り立たないと歌う情緒的な楽曲です。しかし、歌詞の2番に進むと「息子や娘を英雄に育てる花」というフレーズが登場し、結局は国家体制のための犠牲を強いる内容へと変わります。

韓国の専門家によれば、女性を「花」と呼ぶこと自体、現代のジェンダー平等の視点からは程遠い認識の表れだといいます。実際、3月8日の「国際女性デー(北朝鮮では3.8国際婦女節)」に行われた行事で、キム・ジョンウン総書記は演説を行い、女性たちの苦労をねぎらいました。ですが、その内容は「革命のための自己犠牲」を称賛するもの。スイス留学経験があり、西洋文化にも触れてきた42歳の若きリーダーとしては、少々時代錯誤な女性観が露呈した形となりました。

■Kドラマが変えた!?北朝鮮エリート家庭の意外な夫婦喧嘩

北朝鮮の社会はいまだに根強い家父長制の中にあります。ある脱北した元エリート外交官のエピソードが、その実態をリアルに物語っています。

彼は北朝鮮にいた頃、妻に「灰皿を持ってこい」と言えば、妻は何の疑問も持たずにお辞儀をして持ってきたそうです。しかし、韓国に定着した今、同じことを頼むと「自分のタバコなんだから、自分で持ってきてよ!」と反論されるようになったのだとか。この元外交官は「これもすべて、南朝鮮(韓国)のテレビドラマを見て学んだせいだ」とぼやいているそうです。

実は北朝鮮でも、密かに流通する韓国ドラマの影響で、女性たちの意識に変化が起きています。「女性が一方的に尽くすのは当たり前ではない」という、ドラマが伝えるメッセージが、北朝鮮の家庭内にある「封建的な壁」を少しずつ崩しているのかもしれません。

■「お姫様」キム・ジュエ氏は、北朝鮮初の女性リーダーになれるのか

一方で、北朝鮮の権力中枢を見渡すと、凄まじい「ガラスの天井」が存在していることがわかります。

労働党の重要役職に就く女性の割合は極めて低く、党大会の代表者のうち女性はわずか8.2%。さらに権力の中枢である中央委員にいたっては、249人中たった4人(1.6%)しかいません。その4人とは、キム・ジョンウン総書記の妹であるキム・ヨジョン(김여정)氏、側近のヒョン・ソンウォル(현송월)氏、チェ・ソニ(최선희)外相といった、いわゆる「特別な女性たち」だけです。

ここで一つの疑問が浮かびます。女性の社会的進出がこれほどまでに制限されている国で、果たしてキム・ジュエ氏が「女性後継者」として受け入れられるのでしょうか。

韓国の国家情報院は、キム・ジュエ氏がすでに「後継者の内定段階」にあると分析していますが、脱北者たちの間ではいまだに半信半疑の声も多いのが現状です。男性優位の社会で、彼女をリーダーとして認めさせるためには、今後さらなる「思想教育」や「偶像化(神格化)」という名のプロモーションが必要になると見られています。

「白頭(ペクトゥ)血統」と呼ばれるロイヤルファミリーの女性たちがスポットライトを浴びる一方で、一般の女性たちは今もなお「革命を支える花」としての役割を求められている北朝鮮。キム・ジュエ氏という一人の少女の動向は、単なる権力争いだけでなく、北朝鮮という国が「女性の存在」をどう定義し直していくのかという、大きな社会実験の結果を見ているかのようです。

ドラマの世界よりもドラマチックで、それでいて厳しい現実が交錯する北朝鮮の情勢。キム・ジュエ氏がいつか本当にトップに立つ日が来るのか、それとも別の展開が待っているのか、皆さんはどう予想しますか?北朝鮮の暮らしや女性たちの変化について、皆さんの感じたことをぜひコメントで教えてくださいね!

出典:https://www.sisaweek.com/news/articleView.html?idxno=234240

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