KTが仕掛けるK-カルチャー×AIの融合戦略!世界最大のモバイル展示会MWC26で韓国の最新技術を公開

2026年3月、バルセロナで開催される世界最大級のモバイル・ICT展示会「MWC26」(モバイル・ワールド・コングレス)に、韓国の大手通信企業KTが壮大な展示ブースを出展することが発表されました。そこで繰り広げられるのは、単なる技術紹介ではなく、韓国の革新的なAI技術とK-カルチャーを融合させた、ユニークなブランド体験。世界中から集まるテクノロジー関係者や企業人たちに、韓国の技術力と文化的魅力を同時にアピールする、まさに21世紀型のマーケティング戦略なのです。

■広化門広場をテーマにした「最も韓国的な」展示空間

KTが設営する展示館のテーマは「広化門広場」。ソウルの中心地であり、韓国の歴史と現在が交差する象徴的な場所です。展示入口では、この広化門を中心に繰り広げられてきた大韓民国の革新の歩みを映像で紹介。その先に広がるのは、世宗大王の銅像、KT広化門ビルのウエストウイング、世宗文化会館など、広化門の象徴的な空間を見事に再現した展示空間です。

技術とK-カルチャーの融合という聞き慣れないコンセプトですが、要するにKTが「韓国の技術は単に優秀なだけでなく、韓国の文化と歴史に根ざしている」というメッセージを世界に発信したいということ。グローバル企業が展示会で自社の存在感を示すために、単に製品スペックを並べるのではなく、自国の文化的背景まで含めてプレゼンテーションするという、非常に興味深い試みです。

■企業向けAIの最新形「エージェンティック・ファブリック」とは

展示の目玉となるのが「AX Zone」(AI Transformation Zone)での最新AI技術の公開です。ここで初公開される「エージェンティック・ファブリック」という企業向けAI運用システムは、複数のAI技術を有機的に連携させて、企業業務全般を自動化・効率化するという、かなり高度なソリューション。

このシステムの優れた点は、企業がすぐに導入できるよう「エージェント・ビルダー」という標準テンプレートが用意されていること。つまり、IT知識がそこまでない企業でも、産業別に最適化されたAIを簡単に現場に適用できるという、実用性の高さが特徴です。

さらに「エージェンティック AICC」という次世代コンタクトセンターソリューションも展示予定。複数のAIエージェントが協力して顧客対応にあたり、単なる相談対応にとどまらず、実際の業務処理まで自動化するというもので、これは流通・サービス業界に革新をもたらす可能性を秘めています。

また、AI技術を活用した映像分析で行方不明者を捜索する「ビジョン・トラック」も展示され、こうした技術が社会課題解決にも貢献していることが示されます。

■K-POPアイドルと「AI韓服体験」で、テックとカルチャーが一本化

展示の中でも韓流ファンの心をつかみそうなのが「K-Square Zone」と名付けられたエリア。ここでは、KTグループの関連企業(ビーシーカード、KTスポーツ、KT밀리의서재〈KT Millybook〉など)が各々のサービスを紹介するほか、協力中小・ベンチャー企業のブースも展開されます。

注目は、K-POPアイドルグループ「コルティス」(Cortez)とコラボレーションした「AR ダンスプログラム」。来場者がAR技術を通じて、K-POPアイドルと一緒にダンスを踊る体験ができるというもので、これはもうテクノロジー展示会というより、K-カルチャー体験の場へと変わっていることを象徴しています。

さらに「AI韓服体験」では、広化門を背景にして、AIが来場者の体型に合わせた韓服(チマチョゴリ)の仮想試着を実現。これは単なる技術デモではなく、「韓国の伝統衣装とAI技術が融合する未来」というビジュアルメッセージを世界に発信することになります。

■スポーツとAI、K-POPとAI、そして食とAI

展示館はさらに多彩な体験ゾーンで構成されています。スポーツゾーンでは、サッカー選手のリ・ガンインをモデルにした「AI李康仁」が7言語での応援メッセージを発信。韓国スポーツ選手のグローバルな活躍とAI技術が組み合わされた、まさに今の時代を象徴する企画です。

また「F&B Zone」では、最新の「ハイオーダー」という注文・決済システムを体験できるなど、日常生活に密着したAI活用事例も紹介されます。

さらに通信の発展史を辿る「アーカイブ Zone」では、大韓民国の通信技術がどのように進化してきたかを追跡でき、単なる現在の技術紹介に留まらず、韓国技術の積み重ねられた歴史をも伝えるという、企業としての奥行きを感じさせる工夫が施されています。

■なぜこの企画が注目なのか

このKTのMWC26での展示戦略が興味深い理由は、単なる「技術の優位性アピール」ではなく、「韓国の技術は韓国の文化と歴史に支えられている」というナラティブを世界に伝えようとしている点です。

K-POPアイドルとAIの融合、韓服とAI、広化門という歴史的場所をモチーフにした展示構成——これらすべてが、「韓国のテクノロジーは単に西洋の模倣ではなく、独自の文化的基盤の上に構築されている」というメッセージを力強く発信しています。

グローバル企業がどのように自国をプレゼンテーションするか、その手法は国家のソフトパワーにも直結します。この展示を通じて、世界中のビジネスリーダーたちが「テクノロジー大国・韓国」というイメージをいっそう強く認識することになるでしょう。

K-POPアイドルとAI技術が共存する展示館——これは単なるマーケティング施策を超えて、韓国が世界に提示する「未来のビジョン」そのものなのです。

出典:http://www.smedaily.co.kr/

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