2026年の設正月(ソルチョンジョル、旧正月)連休期間、地上波で放映された映画の中で、思わぬ大物が視聴率1位の座を奪い取った。話題の大作が揃った設正月特選映画の枠で、予想外の番組が頭角を現したのだ。
2月18日、SBSで午後8時20分に放映された『ゾンビ娘』が全国視聴率5.4%、首都圏視聴率5.8%を記録。同時間帯に編成された作品を全て上回り、設正月期間(16~18日)の全特選映画の中で圧倒的な1位となった。
同時間帯の競合作品との視聴率格差は歴然としている。同じ日午後8時30分、tvNがテレビ初放映した『悪魔が引っ越してきた』は全国2.6%、首都圏2.5%に留まり、KBS2の午後10時の枠で放映された『脱獄』は20位圏内すら入れなかった。
設正月初日の16日には期待作が大量編成されたものの、いずれも2%台の視聴率を脱することができなかった。MBCが朝9時40分に放映した『大家族』は全国2.6%、首都圏2.7%を記録。同じくMBCでテレビ初放映となった『全知的読者視点』は首都圏2.5%に留まった。KBS2で編成された累積観客1,000万人を超える大ヒット作『掘墓人』(ホムビン)さえも、20位圏内への進出に失敗した。OCNは設正月初日から2日間にかけて『犯罪都市』1・2編の連続放映という勝負手を打ったが、これまた明確な成果には結びつかなかった。
話題作が一堂に集った設正月特選映画の激戦区で、『ゾンビ娘』だけが唯一5%台の視聴率を記録し、その存在感を示したのである。
■2025年最高興行作が地上波でも圧倒
『ゾンビ娘』は累積観客数564万人を記録した2025年韓国映画の最大ヒット作だ。7月30日の公開後、連続してボックスオフィス1位を維持し、夏の映画館を席巻。公開26日目で500万観客を突破し、その年の国内公開作の中で最も早く500万人の大台を超えた。
損益分岐点が220万人とされていたことを考えると、それを2倍以上上回る収益を上げ、大成功を収めたことになる。
この作品は、グローバルで約5億回の閲覧数を記録したイ・ユンチャン作家のネイバーウェブトゥーン『ゾンビになってしまった私の娘』を原作とする。ジャンルはコメディ・家族・ゾンビ・ファンタジードラマで、血や恐怖よりも家族ドラマと笑いに重点を置いた作品だ。
メガホンは『人質』『運の悪い日』で冷酷で激烈な映像センスを披露したピル・ガムソン監督(フィル・ガムソン監督)が担当。いわゆる「血のセンス」と呼ばれた監督が今回はコメディと家族ドラマへの転換を試みたことも、公開前から話題となっていた。
主演はチョ・ジョンソク、チェ・ユリ、イ・ジョンウン、チョ・ヨジョンが重要な役を務め、ユン・ギョンホ、チョ・ハンソン(조한선)らの実力派俳優が参加して完成度を高めた。
■猛獣飼育士の父と思春期の娘の絆を描く
ストーリーは、猛獣専門飼育士の父・ジョンファン(チョ・ジョンソク)と思春期の娘・スア(チェ・ユリ)が、世界を襲ったゾンビウイルス事態の中で繰り広げる物語である。スアがウイルスに感染し、世界に残された唯一のゾンビとなると、ジョンファンは娘を守るため、母親・バムスン(イ・ジョンウン)が暮らす海辺の田舎村「ウンボンリ」に逃げる。
感染者を捕捉しようとする物騒な社会の雰囲気の中で、ジョンファンは「うちの子は人を噛みません」と叫びながら娘を隠す極秘訓練に突入する。家族と村人たちはこの親子を前に葛藤と連帯を行き来する。
「最も愛する存在がゾンビになったとき、どんな選択をするのか」という問いを、コミカルでありながらも重厚に描いた家族ドラマである。
■実の父の経験が配役を決めた
主演のチョ・ジョンソクは、実際の父としての経験がこの作品を選んだ決定的な理由だったと語った。
「父になった後に『ゾンビ娘』が訪れたとき、どうしてこんなに絶妙で不思議に自分の元に来たのかと思った」と述べた。「素材はゾンビで、コメディと感動のコードがありますが、父性愛を扱った部分が私に大きく響いた」とも付け加えた。
娘が2020年のコロナパンデミック時期に生まれ、娘が高熱で病気だった時にマスクを外して直接世話をした経験が、この作品の感情線と自然に繋がったと明かした。
「『ゾンビ娘』は、私にこのような熱い父性愛があることに気づかせてくれた大切な作品です」と表現し、シナリオを読んでいて感じた感情が非常に強く沸き上がったため、むしろそれをどのように調整するかが撮影の鍵だったと明かした。
■猫俳優「愛用」も活躍
娘役のチェ・ユリ
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