推しの公演会場は元・屠殺場だった!?パリ・ラ・ヴィレット公園に隠された建築とK-POPの深い縁

「推しのワールドツアーが決まった!」
そんな時、SNSに流れてくる海外公演の会場名を見てワクワクしたことはありませんか?特にヨーロッパツアーで頻繁に登場するフランス・パリの会場「ル・ゼニス(Le Zenith)」は、K-POPファンにとってはお馴染みの聖地と言えるでしょう。

しかし、その会場が位置する「ラ・ヴィレット公園(Parc de la Villette)」が、かつては「屠殺場(とさつじょう)」だったという歴史を知る人は少ないかもしれません。今回は、韓国の建築家チェ・サンデ(최상대)氏が綴る建築紀行をもとに、血塗られた過去から「文化の森」へと生まれ変わったこの公園の、意外すぎる物語をご紹介します。

■ 負の遺産を「文化」で塗り替えたパリの決断

パリの北東の端に位置するラ・ヴィレット。ここは1800年代半ば、ナポレオン3世によるパリ改造計画の一環として、不衛生な屠殺場や家畜市場が市街地から移設された場所でした。100年以上にわたり、ここはパリの食卓を支える「血の匂いがする場所」だったのです。

しかし時代は流れ、産業構造の変化とともに屠殺場は閉鎖されます。残されたのは、広大な空き地と古びた鉄骨。通常ならすべて取り壊してマンションを建てそうなものですが、当時のミッテラン大統領は異なる道を選びました。フランス革命200周年を記念した「グラン・プロジェ(大プロジェクト)」として、ここを最先端の文化芸術拠点へと変貌させることにしたのです。

これは、韓国でもソウル市内の古い工場跡地をカフェや美術館に再生する「トシジェセン(都市再生)」の動きとよく似ています。古い歴史を消し去るのではなく、その記憶の上に新しい価値を積み上げる――。ラ・ヴィレットは、世界中の都市再生モデルの先駆けとなった場所なのです。

■ 赤い箱の正体は?建築ファンを唸らせる「点・線・面」の魔法

公園に足を踏み入れると、まず目に飛び込んでくるのが、あちこちに点在する真っ赤なジャングルジムのような建物です。これらは建築用語で「フォリー(Folly)」と呼ばれています。

設計したのはスイス出身の建築家、ベルナール・チュミ。彼は公園を「自然を模倣する場所」ではなく、「事件と活動が起きる都市」として再定義しました。120メートル間隔で配置された26個の赤いフォリーは、公園内の座標(点)となり、そこに運河や散歩道という「線」、そして広大な芝生広場という「面」が重なり合っています。

実はこの「フォリー」、韓国の光州(クァンジュ)広域市にも存在することをご存知でしょうか?2011年の「光州デザインビエンナーレ」をきっかけに、光州の街なかにも世界的な建築家によるフォリーが多数設置されました。J-HOPE(BTS)の故郷としても知られる光州を訪れたことがあるファンの方なら、「あ、あの不思議なオブジェみたいな建物か!」とピンとくるかもしれません。パリのラ・ヴィレットこそが、その元祖なのです。

■ K-POPスターたちが立つステージ「ル・ゼニス」の存在感

さて、私たちファンにとって最も重要なのは、公園内にある「ル・ゼニス(Le Zenith)」です。もともとは暫定的な施設として作られましたが、あまりの使い勝手の良さと人気から、今ではパリを代表する公演会場となりました。

BLACKPINK(ブラックピンク)やStray Kids(ストレイキッズ)、ATEEZ(エイティーズ)など、数え切れないほどのK-POPアーティストたちがここでフランスのファン(現地では「K-POPファン」という言葉以上に、特定のアーティストを熱狂的に支えるコミュニティが強固です)と熱い時間を過ごしてきました。

さらに公園内には、ヨーロッパ最大規模の「産業科学博物館」や、独創的なデザインで知られるコンサートホール「フィラルモニ・ド・パリ(パリ・フィルハーモニー)」も隣接しています。まさに、科学と芸術、そして現代のポップカルチャーが共存するミラクルな空間なのです。

■ 時代を超えて「記憶」が息づく場所

かつての屠殺場の面影を残す巨大な鉄骨の建物「グランド・ホール」は、今では映画上映や展示が行われる若者の文化拠点となっています。過去を否定せず、建築的な工夫で未来へと繋ぐ。その姿勢が、ラ・ヴィレットを「いつまでも未来を感じさせる公園」にしているのでしょう。

チェ・サンデ氏は、この公園を「時代の記憶と品格を物語る場所」と評価しています。もし皆さんが、推しのヨーロッパツアーを追いかけてパリへ行く機会があったなら、公演の待ち時間にぜひ公園を散策してみてください。足元に流れる運河や、不思議な赤いフォリーを眺めながら、「ここはかつてどんな場所だったのか」に思いを馳せてみると、いつもの聖地巡礼がより深い旅になるはずです。

パリの空の下、推しの歌声が響く公園が、実は壮大な歴史の再生プロジェクトだったなんて、なんだかロマンチックだと思いませんか?

皆さんは、海外の公演会場で「ここは素敵だった!」と感動した場所はありますか?いつか行ってみたい「憧れの聖地」があれば、ぜひコメントで教えてくださいね!

出典:https://www.imaeil.com/page/view/2026031820321323321

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