公開3日でNetflixグローバル非英語シリーズ4位、2週目には1位を獲得。4480万時間の視聴を記録した本作は、韓国伝統の「恨(ハン)」をスマホアプリという現代的なツールで描き、世界64カ国でトップ10入りを果たしました。
■ デジタルプラットフォームを媒介とした新しい恐怖の形
Netflixシリーズ『きりご』が、韓国ホラーの伝統的な要素を現代のデジタル環境に見事に移植し、世界的なヒットを記録しています。本作は、2026年4月24日の公開直後から大きな注目を集め、非英語シリーズ部門でグローバル1位に上り詰めるなど、Kコンテンツの底力を改めて証明しました。
物語の鍵となるのは「きりご」という謎のアプリです。このアプリに願い事を書くと、その願いは叶いますが、代償として24時間後に本人が死ぬという呪いが発動します。生き残るための唯一の方法は、誰か他の人が新しい願い事を入力して呪いを引き継ぐこと。軽い気持ちで願いを唱えたヒョンウクが無惨な死を遂げたことで、友人であるチョン・ソヨン(전소영)やカン・ミナ(강미나)らが演じるキャラクターたちは、逃げ場のない恐怖に飲み込まれていくことになります。
かつて『着信アリ』(日本)や『ボイス』(韓国映画)が電話を恐怖の媒体として使用しましたが、『きりご』はさらに一歩踏み込み、通知、入力画面、カウントダウン、SNS共有といったスマートフォンの日常的な機能をそのまま呪いのプロセスとして描いています。恐怖は夜の学校だけでなく、明るい昼間の教室や友人との会話中にも、手元の画面を通じてリアルタイムで迫ってくるのです。
■ 伝統的な「恨」の情緒とデジタル空間の融合
本作の根底にあるのは、理不尽に命を落とした者の恨みが現世を侵食するという、韓国ホラーの王道とも言える「恨(ハン)」の叙事です。いじめによって命を落としたド・ヘリョンと、その唯一の友人であり巫女(ムーダン)の娘であるクォン・シウォンの二人の関係が、呪いの起源として描かれます。
特に注目すべきは、空間演出の進化です。『女高怪談』シリーズに代表されるように、韓国ホラーにおいて学校は「競争」や「疎外」の象徴であり、地獄のような場所として描かれてきました。『きりご』も学校を舞台にしつつ、そこに「異空間」という概念を導入しています。この異空間は、韓国の伝統的なシャーマニズムの世界観とデジタルの構造が混ざり合った超現実的な場所として描かれており、若い視聴者にも馴染みのあるジャンル的な快感を提供しています。
登場人物の一人であるハジュンの姉ハヌルは、会社員を辞めて突然巫女になったという設定で、彼女の結界や祈祷を通じて、呪いを解くための戦いが繰り広げられます。現実の学校が抑圧と暴力の場であるならば、この異空間は社会の歪みが凝縮され爆発する場として、物語に多層的な恐怖を与えています。
■ 人間の本性を暴く「呪いの転移」と体験型マーケティング
ドラマは単なるホラー演出にとどまらず、「自分が助かるために他人に呪いを移さなければならない」という極限状態における人間の醜悪な本性も鋭く描き出しています。生き残るために友人を裏切る選択や、嫉妬、独占欲といった、年齢を問わず誰の心にも潜む感情を浮き彫りにしています。
また、本作のヒットにはメタバース的な体験を提供する巧みなマーケティングも貢献しました。制作側は実際にアプリストアに「きりご」アプリをリリースし、ファンが自分の願いを入力したり、SNSでカウントダウンの認証ショットを共有したりできる仕掛けを作りました。ドラマを観終わった後も、自分のスマートフォンに残るアプリのアイコンが「恐怖が日常に続いている」という感覚を抱かせ、視聴者を作品の世界観に深く没入させています。
韓国の伝統的なシャーマニズムと、0と1で構成されるデジタルのアルゴリズム。全く異なる二つの要素が融合した『きりご』は、Kホラーの新しい可能性を提示した一作となりました。
出典:https://www.sisain.co.kr/news/articleView.html?idxno=57919
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ 恨(ハン)
韓国特有の感情表現で、悲しみ、怒り、悔しさなどが長い間蓄積され、解消されずに心に残っている状態を指します。韓国ホラー映画では、この「恨」を抱いた幽霊が登場し、生者に復讐を果たすという物語が非常に一般的です。
■ 巫女(ムーダン / 무당)
韓国の伝統的なシャーマニズムにおいて、神や霊と交信し、お祓い(クッ)や占いを行う職能者のことです。現代の韓国ドラマでも、科学では説明できない現象を解決するキーパーソンとしてよく登場する存在です。
正直、恋愛要素少なめのホラーは少し身構えちゃうんですが、この「アプリで呪いが移る」っていう設定、今の時代だと一番リアルで怖い気がするんです。伝統的な巫女さんが出てくるあたりは、私の大好きな『財閥家の末息子』みたいなミステリアスな雰囲気もあって引き込まれちゃいました。もし皆さんのスマホに、願いが叶う代わりに誰かに呪いを移さなきゃいけないアプリが届いたらどうしますか?「すぐ削除する」派?それとも「一度だけ願いを試してみる」派?





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