韓国のドラマ制作本数は2022年の136本から2024年には108本へと約20.6%減少しました。Netflixの売上が5年で2.5倍に急増する一方で、劇場公開映画は年間22本にまで落ち込むなど深刻な状況が続いています。
■ 巨大プラットフォームの台頭と制作現場の冷え込み
韓国のエンターテインメント業界において、Netflix(ネットフリックス)をはじめとするグローバルOTT(動画配信サービス)の影響力が強まる中、伝統的な演劇の街・大学路(テハンノ)や映画の聖地・忠武路(チュンムロ)が消滅の危機に瀕しています。
かつて韓国のコンテンツ制作環境は、地上波放送局や映画館を中心に回っていました。しかし、新型コロナウイルスのパンデミックを経て視聴環境が劇的に変化し、観客の足は劇場から遠のきました。その隙間に浸透したのがNetflixなどのグローバルプラットフォームです。Netflixコリアの売上は2020年の4154億ウォン(約470億円)から2024年には1兆542億ウォン(約1200億円)へと、わずか5年で2.5倍以上に膨れ上がりました。
その一方で、制作現場の状況は厳しさを増しています。韓国国内のドラマ制作本数は2022年の136本から2024年には108本へと2割以上減少しました。映画界はさらに深刻で、パンデミック前には毎年数十本が公開されていた韓国映画ですが、今年劇場にかかる予定の作品はわずか22本に留まっています。
■ 恩恵を受けるのは一部のスターのみ
OTTの普及は当初、安定した制作環境を保障するように見えましたが、実際には深刻な格差を生んでいます。潤沢な制作費が投じられるコンテンツの恩恵を受けるのは、一握りのトップスターや有名クリエイターに限られています。コンテンツの土台を支える新人俳優やスタッフ、演出家たちには、舞台に立つ経験や成長の機会すら与えられない状況が続いています。
先月開催された第60回百想芸術大賞(韓国で最も権威のある総合芸術賞)でテレビ部門の男性助演賞を受賞したユ・スンモク(유승목)は、デビュー36年目にして初めてのノミネートでの受賞でした。彼は大学路の演劇からスタートし、長年の下積み時代を経て花を咲かせた俳優の一人ですが、彼に続く後輩たちが通るべき「針の穴」は、以前よりもさらに狭くなっています。
■ 求められる制度改革と業界の連帯
Netflixは莫大な利益を上げている一方で、知的財産権(IP)を独占し、ネットワーク使用料の支払いや適切な納税についても消極的な姿勢を見せていると批判されています。また、映画が劇場で公開されてからOTTで配信されるまでの期間を確保する「ホールドバック」制度の議論も、数年前から停滞したままです。
1980年代後半にアメリカ映画が韓国市場に直接参入した際や、2000年代のスクリーンクォーター(国内映画の義務上映日数)縮小危機の際には、映画人たちが一丸となって韓国の生態系を守るために声を上げました。しかし現在、プラットフォームの影響力があまりに強いため、制作関係者たちは沈黙を守らざるを得ない状況にあります。専門家は、グローバルプラットフォームとの不公正な取引実態を告発し、創作者の正当な権利を保障するための法整備や、業界全体の連帯が必要だと指摘しています。
出典:https://www.mt.co.kr/opinion/2026/06/04/2026053123335759124
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ 大学路(テハンノ)と忠武路(チュンムロ)
ソウルにある「大学路」は、100以上の小劇場が集まる「演劇の聖地」として知られ、多くの有名俳優がここで下積みを経験します。一方の「忠武路」は、かつて多くの映画制作会社や映画館が集まっていたことから「韓国映画界」の代名詞として使われる言葉です。
■ スクリーンクォーター制度
映画館に対して、年間で一定の日数以上、自国の映画を上映することを義務付ける制度です。韓国ではハリウッド映画の席巻から国内映画を守るために重要な役割を果たしてきましたが、現在は緩和・縮小が進んでいます。
私は『財閥家の末息子』みたいなハイクオリティなドラマが大好きなので、制作本数が減っているというニュースは本当にショックです。Netflixのおかげで世界中の作品が観られるのは嬉しい反面、韓国の制作現場が苦しくなって面白い新作が減っちゃうのは困りますよね。皆さんは、やっぱりNetflix派ですか?それとも映画館や地上波のドラマもしっかりチェックする派ですか?





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