21世紀の大君夫人が即位式シーンを全カット?歴史歪曲論争で揺れる韓国ドラマ界の現状

Buzzちゃんの見どころ

制作費300億ウォンが投じられた大作ドラマ『21世紀の大君夫人』の第11話エンディングが、配信サイトで丸ごと削除される事態となりました。即位式の設定が「韓国を中国の属国のように描いている」と批判を浴びています。

■ 豪華な即位式シーンが配信から消えた理由

MBCのドラマ『21世紀の大君夫人』で、物語のハイライトとなるはずだった即位式のシーンが、VOD(見逃し配信)やWave(韓国の動画配信サービス)、Disney+などのOTTプラットフォームから一斉に削除されました。これにより、主人公が「大君(テグン:王の息子)」から「王」へと即位する展開が唐突になり、300億ウォン(約33億円)もの制作費をかけた大作としては異例のクオリティ低下を招いています。

この事態の背景には、放送直後から巻き起こった「歴史歪曲論争」があります。視聴者からは、ドラマ内の設定が当時の国家的な自尊心やアイデンティティを傷つけるものだとして、激しい批判が寄せられました。

■ 視聴者が憤慨した「12本」と「9本」の差

論争の焦点となったのは、主人公のビョン・ウソク(변우석)演じるイアン大君が即位式で着用した「冕旒冠(めんりゅうかん:王が儀式で被る冠)」の紐の数と、臣下たちの掛け声です。

ドラマの中で主人公は、皇帝が使用する12本の紐がある「十二旒冠」ではなく、9本の「九旒冠」を着用していました。さらに、臣下たちは皇帝に対して使う「万歳(マンセ)」ではなく、諸侯に対して使う「千歳(チョンセ)」という言葉を叫びました。

ドラマの設定は「日本による植民地支配を受けず、現在まで王室が続いている21世紀の立憲君主制の韓国」という仮想の世界です。制作陣は、朝鮮王朝が清などの中国王朝との関係において「諸侯国」という立場だった歴史的事実に基づき、当時の礼法を再現したと見られています。しかし、現代まで続く独立国家という設定でありながら、自ら進んで中国の格下として振る舞うような描写に対し、「なぜわざわざ卑下するような設定にするのか」と視聴者の怒りが爆発しました。

■ 国民請願にまで発展した抗議の動き

この問題はネット上の批判に留まらず、法的な動きにも発展しています。韓国国会の国民同意請願には「歴史歪曲ドラマの放映中断およびコンテンツ廃棄措置の要請」が出され、わずか4日間で5万人以上の同意を得ました。これにより、この問題は国会の科学技術情報放送通信委員会に回付されることとなりました。

過去には2021年、実在の人物を登場させながら中国風の小道具を使用したSBSドラマ『朝鮮駆魔師』が、わずか2回で放送打ち切りに追い込まれた事例もあります。今回も同様に、歴史考証の正確さよりも「現代の視聴者が共有するアイデンティティ」を無視した演出が、作品の命取りとなった形です。

ドラマ関係者はシーンの削除という苦渋の決断を下しましたが、全12話で完結した後も、その余波は収まりそうにありません。

出典:https://www.joongang.co.kr/article/25433750

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ 冕旒冠(めんりゅうかん)と格付け

東アジアの伝統的な儀礼において、王が被る冠の「紐(旒)」の数は、その人物の地位を表していました。中国の皇帝は最高位の12本、その下の諸侯(朝鮮の王など)は9本、さらに下の地位は7本や5本と決められていました。現代の韓国ドラマで9本を描くことは、歴史的に正しい反面、現代の感覚では「他国の下」であることを認める表現として受け取られることがあります。

■ 万歳(マンセ)と千歳(チョンセ)

「万歳」は「一万年続くように」という願いを込めた言葉で、本来は皇帝に対してのみ使われる表現でした。一方、王や諸侯に対しては「千歳(千秋)」という言葉が使われていました。韓国の時代劇ではこの使い分けがよく議論になりますが、現代が舞台の仮想ドラマで「千歳」を使うと、国家の格を低く設定しているという印象を視聴者に与えてしまいます。

Buzzちゃんの感想

歴史ものに現代の感性を混ぜるのって本当に難しいですよね。私は『財閥家の末息子』のように、歴史の隙間をミステリーで埋めるような作品が大好きなんですが、国家のプライドに関わる部分は特に敏感な問題なんだと感じました。せっかくビョン・ウソクが素敵な演技をしていたのに、物語が不自然になってしまったのはファンとして少し悲しいです。皆さんは、ドラマの「創作の自由」はどこまで許されるべきだと思いますか?それとも、歴史を扱う以上は絶対に守るべきラインがあると思いますか?

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