戦火でも止まらない芸術の魂。イスラエルの演出家ハダル・ガロンが語る生きた演劇と韓国文化への視点

Buzzちゃんの見どころ

イスラエルの劇作家ハダル・ガロン(Hadar Galron)が来韓し、戦時下での演劇創作やPTSDを扱う最新作について語りました。韓国の俳優の身体能力を絶賛する一方、物語の伝え方については独自の鋭い指摘をしています。

■ 爆撃の下でも続く創作活動と「生存」としての演劇

イスラエルの著名な劇作家であり、演出家・俳優としても活動するハダル・ガロン(Hadar Galron)が、釜山国際演劇祭(K-Stage)の審査委員として韓国を訪れました。大慶大学演技芸術科のキム・ゴンピョ(김건표)教授によるインタビューに応じた彼女は、現在も続くイスラエル・パレスチナ情勢の中での芸術家の苦悩と、演劇が持つ役割について生々しい実態を明かしました。

ハダル・ガロンは「爆弾が落ちる時は劇場を閉めざるを得ず、この2年半の間、舞台よりも防空壕や避難所にいる時間の方が長かった」と語り、サイレンが日常を侵食する過酷な環境を説明しました。しかし、そのような状況下でも、イスラエルの表現者たちは創作の手を止めていないといいます。劇場のドアが閉ざされても、オンライン空間でリハーサルを行い、新しい形式を試行錯誤し続けているのです。彼女にとって公演の創作は、単なる芸術活動ではなく「生存の一部」であると強調しました。

■ PTSDと向き合うイスラエル演劇の現在地

現在、イスラエルの演劇界は大きく二つの流れに分かれていると彼女は分析します。一つは政府の支援を受ける大規模劇場によるミュージカルやコメディで、これらは観客に一時的な現実逃避を提供します。対照的に、政府支援を受けない小劇場や独立した空間では、戦争のトラウマや社会の亀裂を真っ向から扱う政治的・社会的な演劇が活発に行われています。

特に「PTSD(外傷後ストレス障害)」は現在のイスラエル演劇の核心的なテーマとなっています。2023年10月のハマスによる侵攻後、遺体の身元確認現場で過ごした経験を基にしたドキュメンタリー演劇や、住む場所を失ったコミュニティの物語、そして大切な人を失ったパレスチナ人とユダヤ人が共に癒やしを見出していく物語などが上演されています。また、戦地から戻った夫と、その恐怖を共有しなければならない妻の苦しみといった「二次的トラウマ」も、家族や社会が直面する大きな課題として描かれています。

■ 韓国の演劇とKコンテンツへの鋭い考察

韓国を訪れたハダル・ガロンは、韓国の俳優たちが持つ高いエネルギーと身体能力に深い感銘を受けたと述べています。「韓国の俳優たちの体の使い方は驚くべきもので、私自身が演技クラスを受けたいと思うほどだった」と称賛しました。

一方で、韓国の舞台作品(K-Stage)のストーリーテリングについては、クリエイティブな視点から率直な意見を述べています。一部の作品において、舞台上の表現が親切すぎ、すべてを説明しようとする傾向がある点を指摘しました。「世界は演劇ですべてを綺麗に説明できるものではない。観客は完璧に説明されなくても、感じ、理解できる力を持っている。制作者はもっと観客を信じるべきだ」と語りました。

興味深いことに、彼女は韓国映画やKドラマに対しては「ストーリーとプロットが非常に洗練されており、編集感覚も素晴らしい」と高く評価しています。その上で、韓国の伝統文化における「死後の世界」や「シャーマニズム(巫俗)」といった精神的な領域に強い関心を示しており、現在はスロバキア国立劇場と共に、死後の世界をテーマにした新作の準備を進めていることを明かしました。

出典:http://www.dailysmart.co.kr/news/articleView.html?idxno=124128

📚 Buzzちゃんの豆知識

■ 巫俗(ムーソク)

韓国の伝統的なシャーマニズムのことで、神と人間を仲介する「ムーダン(巫女)」が儀式(グッ)を行う文化を指します。現代の韓国でも、人生の大きな決断や困難に直面した際にムーダンに相談する人は少なくありません。最近では映画『破墓/パミョ』などのヒットにより、若い世代や海外からもエンターテインメントの題材として注目を集めています。

Buzzちゃんの感想

戦争の中でも「演劇は生存の一部」と言い切るハダル・ガロンさんの言葉に、胸が熱くなりました。重厚なミステリーや財閥のドロドロ劇も面白いけれど、人生の本質を問うような作品の力もすごいですよね!韓国の俳優さんの身体能力が世界基準で褒められているのも誇らしいです。皆さんは、ドラマや映画で「説明しすぎない余韻のあるラスト」と「全部スッキリ解決するハッピーエンド」、どちらが好みですか?

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