ソウルの演劇の聖地・大学路で真実の愛を問う。2026年3月、話題の舞台 チョコとパイ・ラブ が開幕!

韓国エンタメといえば、ドラマや映画、そしてK-POPが真っ先に思い浮かびますが、実はもう一つ、韓国の文化を語る上で欠かせない「熱い場所」があるのをご存知でしょうか?

それは、ソウルにある「大学路(テハンノ)」という街です。ここは数百もの小劇場がひしめき合う、まさに“韓国のブロードウェイ”。日々、明日のスターを夢見る若手から、重厚な演技を見せるベテランまでが舞台に立っています。そんな演劇の聖地から、春の訪れとともに心温まるニュースが届きました。

2026年3月、ベテラン演出家率いる「チャン・ドゥイレパートリー劇団」による注目の新作舞台、『チョコとパイ・ラブ(초코와 파이러브)』が上演されることが決定しました。

■ 創立23年目を迎える名門劇団が仕掛ける「真実の愛」

今回、舞台を企画・演出するのは、韓国演劇界の重鎮であるチャン・ドゥイ(장두이)氏です。彼が率いる「チャン・ドゥイレパートリー劇団」は、2003年の創立以来、なんと23年もの間、韓国オリジナルの創作劇を守り続けてきました。

この劇団がユニークなのは、ただ作品を上演するだけでなく、「ウェルダイイング(より良く死ぬための準備)演劇」や「障害者演劇」「青少年教育演劇」など、社会的なメッセージを込めた活動を精力的に行っている点です。

そんな彼らが2026年の新作として選んだテーマは、ずばり「愛」。SNSが普及し、人と人との繋がりが希薄になりがちな現代において、あえて「真実の愛の分かち合い」と「人生の価値観」を問い直すというのです。

タイトルにある『チョコとパイ・ラブ』。日本人なら思わず韓国の国民的お菓子「チョコパイ」を連想してしまいますよね。韓国においてチョコパイは、単なるお菓子以上の意味を持っています。パッケージに大きく書かれた「情(ジョン)」という文字の通り、言葉にしなくても伝わる温かい情愛の象徴でもあるのです。このタイトルからも、どこか懐かしく、そして深い愛の物語であることが予感されます。

■ 「ロミオとジュリエット」を彷彿とさせる、現代の愛の試練

物語の主人公は、壁を隔てて隣同士に住む「チョコ」と「パイ」。二人はひょんなことから初恋に落ちますが、そこに立ちはだかるのは、なんと自分たちの母親たちです。

母親たちは二人の愛を試すため、あるいは邪魔をするために、壁をさらに高く積み上げたり、監視のためにCCTV(防犯カメラ)を設置したり……。さらには二人の仲を引き裂くために「誘拐劇」まで画策するという、なんとも過激でドラマチックな展開が待ち受けています。

ここで注目したいのは、韓国における「母親」の存在感です。韓国ドラマでもよく描かれますが、子供の恋愛や結婚に対して、母親が非常に強い影響力を持つという儒教的な背景が、この舞台でもコミカルかつシリアスに描かれています。CCTVで監視するという設定も、現代の韓国社会が抱えるプライバシーや過保護といった問題を皮肉っているのかもしれません。

厳しい現実にもがき、一度は家を飛び出したチョコが、冷酷な社会を経験した末に再び家へと戻り、「愛の真実」に気づく過程は、観客の心に深く刺さることでしょう。

■ 音楽と動きが融合する「トータル・シアター」の魅力

本作のもう一つの大きな見どころは、「キネティック・シアター(動的な演劇)」および「トータル・シアター(総体融合演劇)」という形式を採用している点です。

これは、単なるセリフのやり取りだけでなく、音楽と身体の動きが絶え間なく続く、非常にダイナミックな舞台表現です。今回の公演には、韓国の作曲家シン・スジョン(신수정)氏をはじめ、アメリカのミュージカル界で活躍するリズ・スワドス(Liz Swados)、ルイ・チャン(Loui Chang)、ルーカス(Lucas)といった国際的なクリエイターたちが楽曲を提供しています。多彩な音楽と幻想的な照明、そして小道具の一つひとつが、物語の世界観を美しく彩ります。

キャスト陣も、劇団の歴史を支えてきたベテランから、オーディションで選ばれた新鋭まで、幅広い世代が集結しました。

ヤン・ジイン(양지인)、ク・ギョンヒ(구경희)、キム・ハクミン(김학민)、オ・チョウォン(오초원)、チェ・ジヒ(최지희)、カン・ジュヨン(강주영)といった実力派俳優たちが脇を固め、新人のチョ・アイン(조아인)、ソミョ・キム・テヨン(소묘김태연)、イ・サンハ(이상하)、そして子役のウォン・ソンビ(원손비)が新鮮な風を吹き込みます。10代から熟年層までが参加するこの「コミュニティ参加型」の舞台は、世代を超えて共感できる作品になりそうです。

■ 大学路の小劇場で、韓国演劇の「呼吸」を感じて

公演は3月14日(土)と15日(日)の2日間、大学路にある「成均(ソンギュン)小劇場」で行われます。

「小劇場」での観劇体験は、ドラマや映画では味わえない特別なものです。俳優たちの息遣いや、舞台から放たれる圧倒的な熱量を、わずか数メートルの距離で感じることができます。もし3月にソウル旅行を計画されているなら、聖地・大学路でこうした本格的な舞台に触れてみるのも、一歩進んだ「大人の韓流ファン」の楽しみ方かもしれません。

今回の公演は「ワークショップ公演(本公演に向けて実験や改善を繰り返す段階の公演)」という形式をとっていますが、4ヶ月にも及ぶ準備期間を経て、その完成度は非常に高いとのこと。新しい季節、春。誰かを愛することの意味を、この舞台を通じて改めて考えてみたくなりますね。

皆さんは、最近「愛

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