「あかちゃん、行こう!(エギア、カジャ!)」
韓国ドラマファンなら、このセリフを聞いただけで胸が高鳴るのではないでしょうか。2004年に韓国で最高視聴率50%超えを記録し、日本でも空前の「ツンデレ御曹司」ブームを巻き起こした伝説のドラマ「パリの恋人(2004年にSBSで放送された大ヒットラブストーリー)」。その主演俳優であるパク・シニャン(박신양)が、当時の撮影現場で起きていた衝撃の舞台裏を明かしました。
3月2日、ジャーナリストのバック・ジヨン(백지연)が運営するYouTubeチャンネル「今、バック・ジヨン(지금백지연)」にゲスト出演したパク・シニャン。現在、俳優業だけでなく画家としても活動している彼が語ったのは、華やかなスターの座の裏側にあった、壮絶な身体の痛みと孤独な戦いでした。
■ 松葉杖をついて撮影した「パリの恋人」
インタビューの中でパク・シニャンは、演技に没頭していた当時の負傷について口を開きました。「撮影中に何度も腰をひどく痛めた」と語る彼は、特に「パリの恋人」の序盤、カバンを投げ捨てるシーンを撮影した際に異変を感じたといいます。診断の結果は、なんと「ディスク(椎間板)破裂」。
本来であれば、すぐに手術を受けて最低でも3ヶ月は安静にしていなければならない状態でした。しかし、当時の韓国ドラマ界は、放送スケジュールに合わせて撮影を進める「生放送(センバン)システム」が主流。主演俳優が数ヶ月も離脱することは、作品の制作中止を意味する過酷な環境でした。
※補足:韓国の「センバン(生放送)」撮影文化
かつての韓国ドラマは、放送当日の朝まで撮影していることも珍しくないほど過酷なスケジュールで知られていました。近年は働き方改革やOTT(動画配信サービス)の普及で事前制作が増えましたが、当時は「視聴者の反応を見て脚本を変える」というメリットの裏で、俳優やスタッフの肉体的な負担が大きな問題となっていました。
そんな状況下で、パク・シニャンが選んだのは「強行軍」でした。「松葉杖をつきながら、最後まで撮影をやり遂げた」という彼の告白に、ファンからは驚きと尊敬の念が寄せられています。
■ 10年間に及ぶ闘病と、救いとなった「絵画」
しかし、無理が祟ったのか、彼の身体は悲鳴を上げ続けました。連日の徹夜撮影が続く中で腰の状態は悪化し、さらには甲状腺(ホルモンを分泌する器官)にまで異常をきたしたといいます。
「1日に30分ほどしか動けない状態が、10年近くも続いた」
この衝撃的な告白は、彼がなぜ一時期、表舞台から姿を消していたのかという疑問への答えでもありました。思うように動けない日々の中で、彼が抱いたのは「遠くにいる友人への恋しさ」でした。その感情を表現するために、誰に習うこともなく画材を買い込み、描き始めたのが「絵」だったのです。
それから13年。パク・シニャンが描き溜めた作品は約200点にものぼります。現在は、ただの展示会ではなく、10〜15人の俳優が参加し、観客がまるでアトリエに迷い込んだかのような体験ができる「演劇的要素を取り入れた展示」を準備中とのこと。「自分とは何者か」という哲学的な問いを追求し続ける彼の姿は、俳優から芸術家へと見事に昇華されています。
■ ヒロイン、キム・ジョンウンとのサプライズ電話
インタビューの途中、ファンにはたまらないサプライズもありました。かつての共演者であり、「パリの恋人」のヒロイン、テヨン役を演じたキム・ジョンウン(김정은)との電話連結です。
パク・シニャンのスマホに彼女の名前が表示されると、二人はすぐに当時の空気感に戻ったような親しげな会話を繰り広げました。キム・ジョンウンは「サプライズにしようと思ったのに、名前が出ちゃった!」と笑いながら、「昔、飛行機で隣同士になった時、十数時間ずっと家具の話ばかりされていたのを覚えています」と、パク・シニャンの並外れたこだわりと知的な一面を暴露。これにはパク・シニャンも照れ笑いを見せていました。
現在、キム・ジョンウンもドラマ「力の強い女 カン・ナムスン(2023年に大ヒットしたアクションコメディ)」などで活躍中ですが、20年の時を経ても変わらぬ二人の友情は、ドラマのファンにとって最高のプレゼントとなりました。
■ 「自分を追求する」生き方への共鳴
パク・シニャンは、今回の展示に合わせて、自身が書き溜めてきた思考の断片を一冊の本として出版する予定だそうです。単なる「有名俳優の趣味」の域を超え、生と死、そして自己のアイデンティティを見つめ直した彼の言葉は、多くの現代人の心に響くことでしょう。
不屈の精神で数々の名作を世に送り出してきたパク・シニャン。彼が痛みを乗り越えてキャンバスにぶつけた情熱が、今度はどのような形で私たちを感動させてくれるのか、期待が高まります。
皆さんの心に残っている「パリの恋人」の名シーンや、パク・シニャンへの応援メッセージをぜひコメントで教えてください!あの頃の熱い気持ちを一緒に語り合いましょう。
出典:https://www.tenasia.co.kr/article/2026030240914
コメント