天才子役から一転…キム・セロンの事実上の遺作とも呼ばれる主演映画私たちは毎日毎日がついに公開へ。失われた才能を惜しむ声

かつて「天才子役」の名をほしいままにし、韓国映画界の至宝とまで謳われた女優、キム・セロン(김새론)。彼女が飲酒運転事故という大きな不祥事を起こす前に撮影を終えていた、いわば“お蔵入り”状態だった主演映画が、ついに日の目を見ることになりました。

映画のタイトルは「私たちは毎日毎日(우리는 매일매일)」。ファンの間では「彼女の演技が見られる最後の作品になるかもしれない」という意味を込めて、半ば皮肉、半ば哀惜の念を込めて“遺作”とも呼ばれている本作。一体どのような作品なのか、そしてなぜこれほどまでに公開が遅れたのか。韓国エンタメ界を取り巻く背景とともに紐解いていきましょう。

■ 瑞々しい青春を描いた10代の物語と、今をときめく共演者

映画「私たちは毎日毎日」は、爽やかな青春ラブロマンスです。16年間を共に過ごした幼馴染のハニョ(キム・セロン)とホス(イ・チェミン)の間に芽生える、甘酸っぱくも切ない恋模様を瑞々しく描いています。

実はこの作品、撮影が行われたのは2021年のこと。公開まで実に数年の歳月を要したことになります。今となっては驚きなのが、相手役を務めたイ・チェミン(이채민)の存在です。

彼は現在、韓国の地上波放送局KBSの人気音楽番組「ミュージックバンク(世界中に放送されているK-POP番組)」のMCを務めたり、大ヒットドラマ「イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜(塾講師と保護者の恋を描いたラブコメディ)」に出演したりと、まさにライジングスターとして飛ぶ鳥を落とす勢いの若手俳優。撮影当時はまだ「期待の新人」だった彼が、今や主演級へと成長したことも、この映画が改めて注目を浴びる大きな要因となっています。

■ なぜ「公開延期」に? 韓国における飲酒運転への厳しい視線

本作の公開がこれほどまでに遅れた最大の理由は、主演のキム・セロンが2022年5月に起こした飲酒運転事故にあります。

韓国では、芸能人の不祥事、特に「飲酒運転」に対して日本以上に極めて厳しい倫理観が求められます。韓国は車社会であり、過去に飲酒運転による悲惨な事故が社会問題化した経緯から、「飲酒運転=潜在的な殺人行為」という認識が非常に強く根付いています。

一度このような問題を起こすと、公共放送への出演が制限されたり、撮影済みの作品から降板・カットされたりすることは珍しくありません。キム・セロンの場合も、事故の影響で当時出演中だったドラマを降板し、表舞台から姿を消すこととなりました。

制作側としては、多額の予算を投じた映画を死蔵させるわけにはいかないものの、世論の反発を考えればすぐに公開することもできない……という苦肉の選択の結果、数年という「自粛期間」を置くことになったのです。

■ 「演技のために生まれてきた子」……惜しまれる稀代の才能

本作の監督を務めたキム・サンウ(김상우)は、キム・セロンの演技について「まさに演技をするために生まれてきたような子だった」と、その才能を高く評価しています。

実際、キム・セロンのキャリアは華々しいものでした。2000年生まれの彼女は、2009年に映画「冬の小鳥(韓国・フランス合作映画)」でデビューするやいなや、わずか9歳でカンヌ国際映画祭に招待されるという快挙を成し遂げました。

そして日本でも大ヒットしたウォンビン主演の映画「アジョッシ(2010年のアクション映画。ウォンビン演じる元特殊要員と孤独な少女の絆を描く)」で、守られるべき少女ソミ役を熱演。韓国中の涙を誘い、国民的子役としての地位を確立したのです。

監督は撮影当時を振り返り、「他の俳優たちが悩むようなシーンでも、彼女は一瞬で役に没入し、スタッフ全員を唸らせていた」と語っています。だからこそ、彼女の私生活での過ちが、作品そのものの輝きまで曇らせてしまった現状を、多くの映画関係者が「あまりにも惜しい」と嘆いているのです。

■ 複雑な想いとともにスクリーンへ

映画「私たちは毎日毎日」の公開は、キム・セロンの復帰を意味するものではありません。あくまで「過去に撮影された作品の放出」という側面が強いのが現状です。

韓国のファンからは「作品に罪はない。スタッフの苦労を考えれば公開すべきだ」という声がある一方で、「不祥事を起こした俳優をスクリーンで見たくない」という厳しい意見も根強く残っています。

しかし、かつて「アジョッシ」で見せたあの澄んだ瞳や、繊細な感情表現を知るファンにとって、彼女の瑞々しい「10代最後の姿」が収められた本作は、どうしても無視できない作品であることも確かです。

一瞬の誤ちが、積み上げてきた輝かしいキャリアを止めてしまった今回の騒動。スクリーンの中で輝くハニョの姿を見て、私たちは何を思うのでしょうか。

稀代の天才子役と呼ばれた彼女の演技を、皆さんはどのような気持ちで受け止めますか? 彼女の作品をもう一度見たいか、それともまだ早いと感じるか、ぜひ皆さんの率直な想いをコメントで聞かせてください。

出典:https://www.kmib.co.kr/article/view.asp?arcid=0029466140&code=61181511&cp=nv

  • X

コメント

PAGE TOP