韓国映画界で「天才子役」の名をほしいままにし、日本でも映画『アジョシ』(2010年の大ヒットアクション映画、ウォンビン主演)の少女役として広く知られているキム・セロン(김새론)。彼女が不祥事を起こす前に撮影を終えていた“幻の主演作”が、数年の時を経てついに日の目を見ることになりました。
作品のタイトルは『私たちは毎日毎日』(우리는 매일매일)。撮影から約3年という長い空白期間を経て、なぜ今このタイミングで公開が決まったのか、そして共演する今旬の若手俳優についても詳しく解説します。
■ 16年来の幼馴染が織りなす、甘酸っぱい青春ラブストーリー
本作『私たちは毎日毎日』は、10代の瑞々しい感性を描いた青春ロマンス映画です。物語の主人公は、16年間という長い時間を共に過ごしてきた幼馴染のハン・ヨ(キム・セロン)とホス(イ・チェミン)。
「友達以上、恋人未満」という絶妙な距離感にいた二人が、ある出来事をきっかけに、心の中に芽生えた初恋の感情に戸惑いながらも成長していく姿を爽やかに描き出しています。原作は同名の人気ウェブ漫画(韓国発のデジタルコミック)で、連載当時からその「清涼感あふれる世界観」が多くの読者を魅了してきました。
実はこの映画、撮影自体は2021年にすべて完了していました。しかし、公開を目前に控えた2022年5月、主演のキム・セロンが飲酒運転による物損事故を起こしたことで、状況は一変します。
■ 「自粛の壁」を越えて。韓国における飲酒運転への厳しい視線
韓国エンタメ界において、芸能人の不祥事、特に「飲酒運転」に対する世論の風当たりは、日本の感覚以上に非常に厳しいものがあります。一度の過ちで、それまで築き上げたキャリアのすべてを失うことも珍しくありません。
キム・セロンの場合も、事故後すぐに謝罪文を発表し、活動を中断して「自粛期間(チャシュク・キガン/自らの行いを反省し、公の場から姿を消す期間)」に入りました。当時出演が決まっていたドラマ『トロリー(SBSの政治サスペンス)』を降板し、すでに撮影を終えていたNetflixシリーズ『ブラッドハウンド』でも出演シーンが大幅にカットされるなど、甚大な影響が出ました。
本作『私たちは毎日毎日』も、主演俳優のスキャンダルという荒波に揉まれ、お蔵入り寸前の状態に。しかし、制作陣や共演者たちの熱意、そして「作品そのものの価値を届けたい」という思いから、この度ようやく劇場公開、あるいは配信へと舵を切ることになったのです。
■ 相手役は「今、最も勢いのある」あの若手俳優!
公開が遅れたことで、意外な注目ポイントとなっているのが、キム・セロンの相手役を務めたイ・チェミン(이채민)の存在です。
2021年の撮影当時はまだ新人だったイ・チェミンですが、その後、ドラマ『イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで〜(2023年のヒット作)』で優等生役を好演し、一躍ブレイク。さらには韓国の伝統ある音楽番組『ミュージックバンク(K-POPの代表的な歌番組)』のMCを務めるなど、現在は「次世代の韓流スター」として日本でも人気急上昇中の俳優となりました。
イ・チェミンにとっては、初々しいデビュー当時の姿が見られる貴重な作品でもあります。ファンの間では「当時はまだあどけなさが残る彼が、どんな演技を見せているのか楽しみ」という声も上がっています。
また、共演にはリュ・ウィヒョン(류의현)やユ・ジョンフ(유정후)といった、現在の韓国ドラマ界を担うフレッシュな顔ぶれが揃っており、結果として「今見ると非常に豪華なキャスティング」になったことも、今回の公開を後押しした要因かもしれません。
■ 天才子役と呼ばれたキム・セロンの「再出発」となるか
9歳でデビューし、韓国俳優として初めてカンヌ国際映画祭のレッドカーペットを踏むなど、若くして輝かしい経歴を誇ったキム・セロン。一時は生活のためにカフェでアルバイトをしている姿が報じられるなど、彼女の転落は韓国社会に大きな衝撃を与えました。
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