SKT・KT・LGU+が仁川で激突!韓国通信3社がバルセロナMWC2026でAI覇権戦 K-POPアイドルやK文化とも融合

来月スペイン・バルセロナで開催される世界最大規模の移動通信展示会MWC2026(Mobile World Congress 2026)を舞台に、韓国の通信大手3社——SKテレコム(SKT)、KT、LGユープラスが一斉に最先端のAI技術を披露し、グローバルステージでの覇権争いに乗り出すことになった。

かつての「通信会社」というイメージを完全に脱却し、「AI企業」として世界に認められるべく、各社が放つ切り札の数々。その舞台裏と見どころを、日本の韓流ファンにもわかりやすくお伝えしよう。

■「人中心のAI」を掲げるLGユープラス、感動と技術の融合で魅せる

LGユープラスはMWC2026の中核展示エリア・フィラ・グラン・ビア3号館の中心部に、872㎡という広大なブースを展開。テーマは「Humanizing Every Connection(人中心のAI)」と掲げている。

同社のアプローチで特筆すべきは、冷たく感じられがちなAI技術に「人間らしさ」を持たせようという姿勢だ。展示の軸となるのは、声ベースの超個人化AI「エージェンティック AI」へと進化中のコールエージェント『イキシオ(ixi-O)』。これは単なる自動応答ではなく、顧客の感情さえも読み取ってケアするカスタマイズAIセンターとしての機能を持つ。

セキュリティの領域では「イキシガーディアン2.0」という新ブランドも発表。同形暗号やPQC(ポスト量子暗号)、さらには音声フィッシング詐欺を予防するソリューションなど、日本のシニア世代やスマートフォン初心者層が特に関心を寄せそうな対策が盛りだくさんだ。

最も話題を呼ぶのは、英国の著名メディアアートグループ「ユニバーサル・エブリシング」とのコラボレーション。展示会場では、訪問者のデータと同社の技術を融合させた「超個人化メディアアート」が繰り広げられる。AI技術と芸術の融合という、韓国らしい創意性が光っている。

■KTが仕掛ける「K-文化×AI」の壮大なストーリーテリング

一方KTは、フィラ・グラン・ビア4号館を「光化門広場」——ソウルを象徴する歴史的広場をテーマに演出し、韓国のAI・インフラ革新技術をK-カルチャーと結びつけるストーリーテリング形式で打ち出す。

入口では、光化門を中心に展開してきた大韓民国の革新の過去と現在を照らし出す映像が上映。会場内には世宗大王像やKT光化門ビル、世宗文化会館などの象徴的建造物が現場感たっぷりに再現される。これは決して単なる展示デザインではなく、KTが「AI時代を主導するのは、歴史と文化の蓄積を持つ国だ」というメッセージを世界に発信しているのだ。

展示の目玉は、企業環境に最適化された AI運営システム「エージェンティック・ファブリック(Agentic Fabric)」。複数のAIエージェントとLLM(大規模言語モデル)を連携させることで、単なる相談対応を超え、実際の業務処理まで自動化する次世代コンタクトセンター「エージェンティック AICC」も披露される。

K-POPアイドルグループ「コルティス」とのAR(拡張現実)ダンスプログラム、チマチョゴリ(韓国伝統衣装)を仮想試着する「AI 韓服体験」など、若い観覧客の心を掴む工夫も満載。さらに"K-square"ゾーンではBCカードやKTスポーツ、ミリの書斎など関連企業が協力し、中小・ベンチャー企業との共存生態系をアピールしている。サッカー選手イ・ガンイン(이강인)の「AI版応援メッセージ」が7言語で発信されるスポーツゾーンなども話題必至だ。

■SKテレコムが総力戦で仕掛ける「フルスタック AI」の圧倒的なポテンシャル

SKテレコムのスローガンは「AI for Infinite Possibilities(無限の可能性を創造するAI)」。992㎡の巨大展示館の中枢に、AIインフラ・モデル・サービスを網羅した「フルスタック AI」の競争力を前面に打ち出す。

同社は昨年、韓国国内最大級のAIデータセンターを蔚山(ウルサン)に誘致し、高性能GPU(画像処理ユニット)クラスター「海印(ヘイン、Haein)」を構築した。その実績を基盤に、AIデータセンター内の膨大なデータを統合・リアルタイム監視する知能型プラットフォーム「AI DCインフラ・マネージャー」や、GPU資源を最適化する「AI クラウド・マネージャー」、「K-ソバリン GPUaaS」ソリューションなどを展示する。

特に注目すべきは「AIインファレンス・ファクトリー」だ。AIの進化が「学習」から「推論」中心にシフトしていく市場トレンドに対応し、機器・コンピューティングインフラ・ソフトウェアを統合提供することで、従来のAIデータセンターの費用・電力・メモリーの制約を一挙に解決する方向性を示唆している。

AI言語モデルブランド「A.X(エーエックス)」のフラッグシップである519B規模の超大規模モデル「A.X K1」も現場でのデモンストレーションを予定。政府プロジェクト「独自AI基盤モデル」に選定されたこのモデルは、SKテレコムのAI戦略の象徴とも言える存在だ。

さらに、現実世界を精密に複製する「デジタルツイン・プラットフォーム」や、仮想環境と実際の現場をつなぐ「ロボット・トレーニング・プラットフォーム」、一人称視点の映像を高精度で分析する「SynapsEgo(シナプスゴ)」といった「フィジカル AI」(物理的なロボットなどを制御するAI)の中核技術も披露される。

商用化されたAIサービスとしては、AI通話サービス「エイドット電話」、AI音声記録「エイドット ノート」、行動認識ケアサービス「ケアビア(CareVia)」などが展示されるほか、SK ハイニックスが導入した「AI物性予測システム」やSK インテリックスの「AIウェルネスロボット『ナムハックス(NAMUHX)』」も同一空間で公開される。

会場の一角には、グローバルなAI規制対応と技術環境の変化に立ち向かうためのSKテレコムの「AI ガバナンス体系」も展示。「T.H.E. AI(by Telco, for Humanity, with Ethics AI)」というビジョンを世界に向けて発信することで、単なる技術力の誇示に留まらない、倫理的で人間中心のAI産業構想を打ち出している。

■3社の激突が意味するもの

MWC2026での韓国通信3社のバトルは、単なる企業間の技術競争を超えている。K-POPからK-ドラマ、K-ビューティーへと拡大してきた「韓流」が、いまやAI時代の最前線にまで達しているという現実を世界に示す、重要なターニングポイントなのだ。

日本の韓流ファンにとっても、推し活動で使用するスマートフォンやアプリの背後で、これらの企業が提供するAIインフラが支えられていることが実感できる、興味深いニュースとなるだろう。

出典:https://www.straightnews.co.kr/news/articleView.html?idxno=295498

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