ファン500名への調査で25.4%がイベント応募のために同じCDを平均6.7枚購入していることが判明しました。気候行動プラットフォーム「Kpop4planet」は、HYBEやJYPに対し廃棄を減らす「グリーンオプション」の導入を求めています。
■ K-POPファンの気候行動プラットフォーム「Kpop4planet」の活動
K-POPの世界的な人気が高まる中で、その裏側にある環境問題に目を向けるファンが増えています。その中心となっているのが、2021年に組織された「Kpop4planet(ケイポップフォープラネット)」というプラットフォームです。この団体は、韓国、インドネシア、マレーシア、ポルトガルの4カ国から集まった11人の活動家が主導しており、コンサートやCD販売の過程で発生するゴミを減らすためのキャンペーンを展開しています。
キャンペーンの発起人の一人であるパク・ジニ(박진희)さんは、NCT DREAMの熱烈なファンでもあります。彼女は、新型コロナウイルスのパンデミックによって公演が中止された経験から、気候危機が自分の「推し活(好きな対象を応援する活動)」に直接影響を与えることを実感したと語っています。彼女たちは、K-POPアーティストを広告モデルに起用しながら、実態とは異なる環境配慮をアピールする企業の「グリーンウォッシング(見せかけの環境主義)」を告発する活動も行っています。
■ 統計で見る「アルバム買い」の実態と山積みのゴミ問題
K-POPファンが環境に配慮した応援をすることが難しい最大の理由は、同じCDを何枚も購入させる業界のビジネスモデルにあります。韓国消費者院が2022年に行った調査によると、ファンダム活動に参加する消費者の25.4%が、ファンサイン会やビデオ通話イベントなどの「イベント応募」を目的としてアルバムを購入しています。これらのイベントに当選するため、ファンは同じアルバムを平均で6.7枚購入しているというデータも出ています。
また、好きなアーティストの音楽番組での順位を上げるために集中的に購入する傾向もあり、回答者の38.6%がランキングのために購入した経験があると答えました。さらに、アルバムにランダムで封入されている「フォトカード(アーティストの写真が印刷されたカード)」などの特典収集を目的に購入するケースも多く、その場合は平均で4.1枚を購入しています。
このようにして大量に購入されたアルバムは、中身の特典だけを取り出して本体は捨てられる「アルバムカン」という現象を引き起こしています。ある就職準備生は、未公開フォトカード(各事務所が限定で制作する写真)を手に入れるために、100万ウォン(約11万円)相当のアルバムを購入し、特典だけを抜いて本体は分別して捨てたと証言しています。しかし、CD自体は分別回収ができず、一般ゴミとして廃棄されるのが現状です。
■ 業界大手への抗議と「グリーンオプション」の提案
こうした状況に対し、Kpop4planetは2022年4月に「死んだ地球にK-POPはない」というキャンペーンを実施しました。ファンから集めた約8000枚のアルバムを、JYPエンターテインメント(TWICEやStray Kids所属の事務所)、HYBE(ハイブ / BTSやNewJeans所属の事務所)、CUBEエンターテインメント((G)I-DLE所属の事務所)などの大手事務所へ返却する抗議行動を行いました。
彼女たちが企業に求めているのは、アルバムの廃棄を減らすための「グリーンオプション」の導入です。これは、CDなどの実物が必要ない場合、特典のデータやデジタル権利だけを購入できる選択肢を設けるという提案です。実際に、一部のファンは新品のアルバムを買う代わりに、大量購入した人から譲り受けたり、中古市場を利用したりすることで、過剰な消費を抑えようとしています。
■ 音楽配信プラットフォームや世界的企業への影響力
K-POPファンの要求は、実物のCD販売だけにとどまりません。彼女たちは韓国国内の主要な音楽配信プラットフォーム(Melon、genie、FLO、VIBEなど)に対し、データセンターで使用する電力を100%再生可能エネルギーに転換するよう求める「Melonは炭素の味」キャンペーンを展開しました。Apple MusicやSpotifyなどの海外企業が既に再生エネルギー100%を目指す中で、韓国国内企業の遅れを指摘したのです。これに対し、韓国最大手のMelonは、2022年12月から環境に配慮したデータセンターへの移転を進めていると回答しました。
さらに、アーティストのイメージを守るために、彼らをモデルに起用する企業の姿勢も厳しくチェックしています。BTSの楽曲『Butter』のジャケット撮影地となった江原道三陟市の海辺を守るため、石炭火力発電所の建設反対運動を行ったり、BTSを広告モデルに起用している現代自動車に対し、不透明なアルミニウム調達計画の撤回を求めたりしました。この活動の結果、現代自動車は2024年3月に、問題となった企業との業務協約を終了したと発表しました。
また、高級ブランドにも矛先は向けられています。BLACKPINKのメンバーがアンバサダーを務めるシャネル、ディオール、セリーヌ、イヴ・サンローランなどのブランドに対し、気候変動への対応が不十分であるとする報告書を発表。サプライチェーンにおける炭素排出量の透明な公開や、100%再生可能エネルギーへの転換を求める署名活動を続けています。
K-POPファンは今や、単なる消費者の枠を超え、アーティストの社会的価値を守り、持続可能なエンターテインメント業界を築くための強力なステークホルダーとして声を上げ始めています。
出典:https://www.danbinews.com/news/articleView.html?idxno=32886
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ アルバムカン(앨범깡)
購入したアルバムをその場ですぐに開封し、ランダム封入されているフォトカードやシリアルコードなどの特典だけを確認して回収する行為のことです。「カン」は俗語で、何かを力ずくで開ける、あるいは「開封の儀」のようなニュアンスで使われます。大量に買うファンが多く、余ったCD本体の処分が社会問題化することがあります。
■ フォトカード文化
K-POPアルバムの最大の特徴の一つで、メンバーの自撮りなどが印刷されたトレーディングカードです。アルバムごとに数十種類用意されていたり、購入する店舗(タワーレコード、Qoo10など)によって異なる「未公開フォトカード(ミゴンポ)」が付いたりするため、コンプリートを目指すファンによる重複購入を加速させる原因となっています。
■ グリーンウォッシング
「グリーン(環境に優しい)」と「ホワイトウォッシング(ごまかす)」を合わせた造語です。企業が実際には環境保護に十分な配慮をしていないにもかかわらず、広告やイメージ戦略だけで環境に配慮しているように見せかける欺瞞的な行為を指します。K-POPファンは、推しのイメージがこうした企業の宣伝に利用されることに敏感になっています。
私もフォトカードのために何枚も買ってしまう気持ちは本当によくわかります。でも、特典だけ抜いて山積みになったCDを捨てるときは、やっぱり心が痛みますよね。最近は『財閥家の末息子』のような社会の歪みを描くドラマにハマっているせいか、業界の仕組みについても考えさせられちゃいます。皆さんは特典のために何十枚も買う「積み」文化、どう思いますか?それともこれからはデジタル派に移行すべきだと思いますか?
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