世界的な音楽プロデューサー・キム・ヒョンソク氏が、イギリスの名門オックスフォード大学と協力し、K-ポップをはじめとするK-カルチャーに基づいた新しい教育プログラムを開発することが発表された。
■音楽産業の巨匠が実現した国際的な連携
キム・ヒョンソク氏とオックスフォード大学政治国際関係学部傘下の「オックスフォード・キャラクター・プロジェクト」は、2月12日(現地時間)に「KISAS(キサス=Korean International School of Arts and Sciences)」教育プログラムの支援と韓国の芸術教育分野における人格・リーダーシップ研究での協力に関する協約を締結したと発表した。
キム・ヒョンソク氏は、イ・ムンセ、イム・ジェボム、インスニ、キム・グァンソクなど、韓国を代表する歌手たちの数々の名曲を作曲した人物。特に、TWICE(トゥワイス)やStray Kids(ストレイ・キッズ)などのグローバルアイドルグループを輩出しているJYPエンターテインメント会長で著名プロデューサーのパク・ジニョン氏の音楽的師匠として知られている。
キム氏は2024年にオックスフォード大学の韓国語教育のために、自らが作曲した1,400曲以上の使用を許可。その後、同大学の訪問研究者として活動を続けてきた。
■K-カルチャーで次世代リーダーを育成
今回の協力により、両者はK-ポップなどの韓流文化を活用した創意的な教育と、人格・リーダーシップ教育を融合させた初中等向けのカリキュラムを開発する。このカリキュラムはキム氏が韓国に設立するKISASで使用されるほか、オックスフォード大学でカスタマイズされたサマーキャンプを開催し、修了証書も授与される。
注目すべき点は、このプログラムが従来のK-ポップ事務所の練習生養成システムとは異なるという点だ。K-カルチャーを活用しながらも、芸術と人文学を教授し、人格と創意性を備えた若きリーダーと創作者の育成に重点を置いている。
オックスフォード・キャラクター・プロジェクトを総括するエド・ブルックス教授は、「このカリキュラムは、若い芸術家の育成において、目的と回復力、共感、責任感などの徳目に関する深い思考を通じて、芸術的卓越性を補完するよう設計される」と説明している。
■AI時代に求められる教育の形
キム・ヒョンソク氏が今回の教育プログラム開発に至った背景には、深刻な問題意識がある。AIを活用すれば数十秒で一曲を制作できる時代において、K-ポップが世界のトップに君臨した理由は何か。そして、そうした成功を次世代へどのように継承すべきか——という思索だ。
キム氏は「K-ポップを超えて(Beyond K-pop)、AI時代において後世に何を教えるべきか、という問いの中から教育を思い至った」とコメント。「AI時代には『自分は誰で、何をするのか』という本質が重要。そのためには芸術と人文学、哲学の融合が必要」と強調する。
オックスフォード大学側も、キム氏の考えと合致する問題意識を持っていた。ブルックス教授は「K-カルチャーは既にグローバルリーダーシップの一形態であり、K-カルチャー・アーティストは国境を超えてアイデンティティを形成し、価値観に影響を与え、大きな文化的影響力を行使している」と述べている。
■グローバルな展開を視野に
キム・ヒョンソク氏は現在、新しい学校としてKISASを設立する方案と、韓国で既に運営中の既存インターナショナルスクールでKISASカリキュラムを導入する方案の両方を検討中だという。
さらに両者は、将来的にはこのカリキュラムをグローバル・サウス(主に南半球の発展途上国と新興国)に非営利で配布する、世界規模で適用可能なモデル構築も構想している。
ブルックス教授は、「このパートナーシップにより、現代の最も影響力のある文化運動の一つである韓流に関する言論に、学問的な深さを加えることができるだろう」と今後の展開に期待を寄せている。
出典:https://www.hankyung.com/article/2026021901947
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