香港では2019年にSnapioが導入して以来、韓国式フォトブースが急増しています。2025年には人気モールのT.O.Pに大型店が登場し、Wiggle WiggleなどのブランドコラボやAI技術を活用した体験型店舗へと進化しました。
■ 香港のMZ世代の日常に定着した韓国式フォトブースの波
現在、香港の若者たちの間で「韓国式フォトブース」が爆発的な人気を博しています。特にMZ世代(1980年代半ばから2010年代初頭に生まれた層)の間では、友人との集まりやデートの際にフォトブースに立ち寄ることが、もはや欠かせない日常的な文化として定着しました。
実は香港にとって、フォトブースという概念そのものは決して新しいものではありません。1990年代後半には日本式のプリントシール機が導入され、当時の若者たちの間で一大ブームを巻き起こした経緯があります。しかし、近年の韓流ブームの影響を受け、現在の香港の若者たちは、過度な加工よりもシンプルで洗練されたデザイン、そして自然な補正が特徴である韓国式のスタイルをより好む傾向にあります。
多くの韓国式フォトブースでは店内でK-POPが流されており、これがK-POPファンの流入をさらに後押ししています。香港のフォトブース企業であるSnapio(スナピオ)が2019年に韓国式スタイルを導入して以降、関連市場は急速に成長し、現在は香港全域にそのネットワークが広がっています。
■ 激戦区のモンコックから主要観光地まで広がる店舗網
韓国式フォトブースの勢いは、特定のエリアに留まりません。現地メディアの報道によると、特に若者が集まるポップカルチャーの中心地での展開が目立っています。代表的な場所としては、Kwai Chung Plaza(クワイチュンプラザ)やArgyle Centre(アーガイルセンター)、CTMA Centre(CTMAセンター)、そしてT.O.P(ティー・オー・ピー)などが挙げられます。
中でも九龍地区の繁華街である旺角(モンコック)に位置するArgyle Centreは、20以上のセルフフォト館やフォトブースがひしめき合う激戦区となっています。その多くが無人の小規模店舗ですが、週末や祝日には多くの若者で行列ができるほどの賑わいを見せています。
一方で、市場の成熟に伴い店舗の大型化や差別化も進んでいます。Snapioや韓国のフォトブースブランドであるPhotoism(フォトイズム)は、2025年にT.O.P内に大型のコンセプトストアをオープンさせました。これらの店舗では、多様な背景色やコンセプトを備えた複数のブースを設置し、スタッフが常駐して顧客をサポートする体制を整えています。また、撮影前にメイク直しができる専用スペースや、撮影後に写真をデコレーションするための小道具を充実させるなど、単なる撮影の場を超えた「体験」の提供に力を入れています。
さらに、セントラルマーケット(中環市場)や、チムサーチョイのランドマークであるK11 MUSEA(K11ミュージア)といった主要観光地や高級ショッピングモールにも進出が進んでいます。ここでは、地元の伝統的なゲームのデザインを取り入れた香港限定のフォトフレームを用意するなど、観光客と地元消費者の両方をターゲットにしたローカライズ戦略も展開されています。
■ ブランドコラボとAI技術が切り拓く体験型リテールの未来
最近のトレンドとして最も顕著なのが、フォトブースが単なる撮影機材から「体験型コンテンツ」へと進化している点です。有名キャラクターやブランドとのコラボレーションが活発に行われており、それが再訪問の強力な動機となっています。
例えば、韓国のライフスタイルキャラクターブランドであるWiggle Wiggle(ウィグルウィグル)は、2025年にカイタックエリアの商業施設AIRSIDE(エアサイド)でポップアップストアを開催し、ブランドの世界観を反映したフォトフレームを提供しました。同様に、韓国のキャラクターブランドButter Family(バターファミリー)も2026年にタイワイ地区のThe Wai(ザ・ワイ)でポップアップを運営し、キャラクターを活用したフォトブースを通じて、買い物以上の付加価値を提供することに成功しました。
技術面での進化も見逃せません。最新のフォトブースではAI(人工知能)フィルターを導入し、自分の顔をアニメ調や特定のスタイルに変換して撮影できる機能が登場しています。また、ペットと一緒に撮影できる「ペットフレンドリー」なコンセプトの店舗も増加しており、多様化する消費者ニーズに応えています。
これらの韓国式フォトブースは、ブランドのマーケティングツールとしても非常に有効です。限定フレームや期間限定のコンセプトは「それを撮るために店を訪れる」という目的来店を創出し、SNSを通じた情報の拡散を最大化させています。香港で培われたこれらの成功モデルは、今後、中国本土の広東・香港・マカオグレーターベイエリア(GBA)市場への進出に向けた重要な足がかりになると期待されています。
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ MZ世代
韓国でよく使われる言葉で、1981年〜1995年生まれの「ミレニアル世代」と、1996年〜2010年生まれの「Z世代」を合わせた造語です。デジタルネイティブでSNSへの関心が高く、自分らしさや体験を重視する消費傾向がある世代を指します。
■ 人生4カット(インセンネッコッ)
韓国でセルフ写真館ブームの火付け役となったブランド名ですが、現在では4コマ形式のセルフフォト自体の代名詞として使われています。「人生で最高の4コマ」という意味が込められており、日本でも新大久保などで大人気ですよね。
韓国のフォトブースといえば、やっぱり『人生4カット』ですよね。私も韓国に行くと必ず撮っちゃうんですが、香港でもこんなに進化しているなんて驚きです。ドラマ『財閥家の末息子』に出てくるような戦略的なビジネス展開を見ているみたいで、ワクワクしちゃいます。皆さんは推しのアイドルやキャラクターとのコラボフレームがあったら、何回くらい撮りに行っちゃいますか?それとも、シンプルに友達と思い出を残す派ですか?
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