韓国の大手制作会社CJ ENMの株価が、10年前の最高値30万ウォンから5万ウォン台まで下落しました。1話あたりのドラマ制作費が最高20億ウォンに達するなか、AI技術でコストを5分の1以下に抑える新たな試みが始まっています。
■ 業績不振と株価の急落
韓国のコンテンツ業界を牽引してきたCJ ENM(韓国の総合エンターテインメント企業。テレビ局tvNや映画制作、音楽事業などを展開)が、深刻な経営危機に直面しています。2026年第1四半期の連結決算において、売上高1兆3297億ウォン、営業利益はわずか15億ウォンにとどまり、辛うじて赤字を免れるという結果になりました。
これを受けて市場の評価も厳しく、かつて30万ウォン台を記録した株価は、直近で5万ウォンまで下落しました。これは過去10年間の最高値から約80%も低い水準であり、長期保有していた投資家からは悲鳴が上がっています。証券会社からは「ハイニックス(韓国の半導体大手SKハイニックス)社員1人のボーナスの方が、会社の営業利益より多いのではないか」という厳しい指摘も出されています。
■ 制作費の高騰が経営を圧迫
不振の大きな要因は、広告収入の減少と制作費の爆発的な増加です。テレビ広告収入が前年同期比で20.6%減少したほか、音楽部門やOTT(動画配信サービス)プラットフォームの『TVING(ティービング)』も赤字を記録しました。
特に深刻なのが、ドラマや映画の制作コストです。数年前まで1回あたり3〜4億ウォン程度だったドラマの制作費は、現在では20億ウォン(約2億3000万円)にまで跳ね上がっています。その背景には、主演級俳優の出演料が1回あたり3〜4億ウォンに達している現状があります。作品が大ヒットしても、莫大な制作費を回収できず、実際の利益に結びつかないという構造的な問題が生じているのです。
■ AI技術によるコスト削減への挑戦
こうした状況を打破するため、CJ ENMはAI(人工知能)を活用した新しい制作手法を導入しました。その成果として、長編映画『アパート(The House)』を公開。この作品は、実際の俳優の演技をスタジオで撮影した後、背景や視覚効果をすべてAIで構築する「ハイブリッド制作方式」を採用しています。
この手法により、60分の映画をわずか5億ウォンの制作費で完成させました。同等のクオリティを従来の手法で制作した場合と比較して、5〜7倍の効率化に成功したといいます。制作費の暴騰が業界全体の課題となるなか、AIを活用した効率化が同社の業績回復の切り札となるか、今後の動向が注目されています。
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ OTT(動画配信サービス)
韓国ではネットフリックスのようなグローバル資本に加え、国内企業が運営する『TVING』や『Coupang Play』などが激しくシェアを争っています。オリジナル作品の制作競争が激化したことが、制作費高騰の一因とも言われています。
■ 出演料の二極化
韓国ドラマの世界的な人気に伴い、トップスターの出演料は高騰し続けています。一方で、制作費の大部分が主演俳優に割かれるため、脇役やスタッフの待遇、そして作品全体の純利益が圧迫されるという問題が業界内で議論されています。
大好きなドラマをたくさん作っているCJ ENMが苦境に立たされているなんて、ファンとして少し心配になっちゃいます。私は『財閥家の末息子』のような重厚なミステリーが大好きですが、最近は制作費のせいで豪華なキャスティングばかりが注目されがちな気がするんです。AIを使った映画作りは画期的ですが、やっぱり俳優さんの生の演技の魅力も大切にしてほしいですよね。皆さんは、制作費を抑えたAI映画と、莫大な予算をかけた超大作、どちらをより観てみたいと思いますか?





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