ヨム・ヘランの舞が語る悲劇の叙事詩…済州4・3事件を描く映画私の名前は

Buzzちゃんの一言

大好きなヨム・ヘランさんの主演作ということで、この記事を読んだだけで胸が熱くなってしまいました!「財閥家の末息子」のような重厚な歴史の裏側を描く作品は、いつも私の心に深く突き刺さります。悲劇を乗り越えようとする女性の「舞」がどのようなものなのか、想像するだけで涙が出そうです……。

■ 忘れられた名前を取り戻す、済州島の切実な物語

2024年3月15日に韓国で公開された映画『私の名前は(내 이름은)』は、韓国現代史における最大の悲劇の一つとされる「済州4・3事件(チェジュササムじけん)」を背景にした作品です。この映画は、凄惨な事件に巻き込まれ、数十年にわたり自らの本当の名前を隠して生きてこざるを得なかった一人の女性、ジョンスン(ヨム・ヘラン(염혜란))の数奇な運命を描いています。

物語は、現在のジョンスンが医師の助けを借りて、長年胸の奥底に封印してきた1949年のある春の日の記憶を呼び起こすところから始まります。彼女が記憶の断片をたどり、自分の本当の名前を取り戻していく過程を通じて、観客は韓国現代史のトラウマとして残る悲劇の真実を目の当たりにすることになります。

ここで言及されている「済州4・3事件」とは、1947年から1954年にかけて済州島で発生した武力衝突と、その鎮圧の過程で多くの無実の民間人が犠牲となった事件です。長年、公の場で語ることはタブー視されてきましたが、近年になってようやく真相究明と犠牲者の名誉回復が進められるようになりました。本作は、そうした歴史の痛みを個人の人生を通して描き出しています。

■ 俳優ヨム・ヘラン、静寂の中に宿る圧倒的な表現力

主演を務めるのは、名バイプレーヤーからいまや主役級俳優へと上り詰めたヨム・ヘラン(50歳)です。彼女は抑制された眼差しと、わずかな表情の変化だけで、野蛮と暴力の時代を耐え抜いた女性の深い「恨(ハン)」を表現しました。「恨(ハン)」とは、韓国文化特有の感情で、単なる悲しみや恨みではなく、解消できない無念さや痛みが積み重なった切ない情緒を指します。

劇中で彼女が見せる韓国伝統舞踊の舞は、それ自体が一つの物語(叙事)として機能しています。特に、個人の悲しみを鎮魂の儀式へと昇華させたその舞について、現役最高齢の演出家であるチョン・ジヨン(정지영)(80歳)監督は、「彼女を念頭に置いて脚本を書いた」と明かしています。

ヨム・ヘランは舞台出身の実力派で、近年ではドラマ『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜(Netflixで配信された世界的ヒット作)』や『マスクガール(同じくNetflixの話題作)』で見せた怪演も記憶に新しいところです。本作『私の名前は』では、今年のベルリン国際映画祭のレッドカーペットも踏み、昨年はパク・チャヌク(박찬욱)監督の『仕方がない(어쩔수가없다)』でベニス国際映画祭のスポットライトを浴びるなど、今や世界が注目する俳優となりました。

■ 過去の悲劇と現代の暴力、繋がるメッセージ

3月14日にソウル・三清洞(サムチョンドン)で行われたインタビューで、ヨム・ヘランは出演の経緯について次のように語りました。「チョン・ジヨン監督からの提案を受け、この映画は宿命のように感じられました。過去の苦痛に押しつぶされるだけの人物ではなく、日常性と抒情性を兼ね備えた作品であることに魅力を感じたのです」。

劇中では、ジョンスンの孫ほどの年齢の息子であるヨンオク(シン・ウビン(신우빈))が巻き込まれる学校暴力も重要な要素として描かれます。これは、平穏な生活の中に外部から暴力が介入し、負の連鎖が生まれるという点で、4・3事件と共通する構造を持っているという監督の意図が込められています。

また、映画のクライマックスで披露される「サルプリ」の舞についても注目が集まっています。サルプリとは、韓国の伝統舞踊で、厄払いや死者の魂を鎮めるために踊られるものです。ヨム・ヘランは「犠牲者を慰める舞ですが、誰かを罰したり責めたりしたくはありませんでした。皆で平和へと向かう意味を込めたかった」と語り、完成度よりも「情緒」を重視して踊ったことを明かしました。

「シーンスティラー(主役以上に観客の目を引く助演俳優)」から、名実ともに主役を担う存在となった彼女は、「10年前にベルリンのレッドカーペットを歩くなんて想像もしていませんでした。目の前の作品を一生懸命こなしてきた結果、ここまで来ることができた」と謙虚に振り返ります。彼女を抜擢したポン・ジュノ(봉준호)監督をはじめ、脚本家のノ・ヒギョン(노희경)やキム・ウンスク(김은숙)への感謝も忘れず、今後は「母親というイメージに固定されず、人間の醜悪さや本能など、多様な面を引き出す演技をしていきたい」と力強く抱負を語りました。

出典:https://www.joongang.co.kr/article/25420103

Buzzちゃんの感想

歴史の荒波に揉まれながらも、自分の名前を取り戻そうとするジョンスンの姿に、深い感銘を受けました。ヨム・ヘランさんの重みのある演技と美しい舞は、きっと私たちの心の中にある「癒えない痛み」にも寄り添ってくれるはずです。皆さんは、映画やドラマを通じて、その国の知らなかった歴史を学んだ経験はありますか?

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