2024年の海外でのKコンテンツ不法流通量は4億1400万件に達し、海賊版サイトでの割合も17.5%に増加しています。IU(아이유)主演の『21世紀の大君夫人』や『イカゲーム』最新作も不当な視聴の対象となりました。
韓国ドラマが世界的な人気を博す一方で、その影では深刻な「海賊版」問題が深刻化しています。作品が注目を集めれば集めるほど、正規のルートを経由しない不当な視聴が増加し、コンテンツ産業に大きな損失を与えている実態が浮き彫りになりました。
■ 人気作を襲う不法視聴の波
現在放送中のMBC金土ドラマ『21世紀の大君夫人』は、主演のIU(아이유)とビョン・ウソク(변우석)という豪華なキャスティングに加え、「立憲君主制のロマンス」という独特の設定で大きな話題を呼んでいます。第5話では全国視聴率10.6%を記録するなど、韓国内での興行は非常に好調です。
しかし、この人気が国境を越えると別の問題が発生しました。中国国内では公式な流通経路が制限されている状況であるにもかかわらず、現地のレビューサイトなどで評価や感想が次々と投稿されており、不法視聴が行われている状況が明らかになりました。
同様の被害は他の作品にも及んでいます。ジス(지수)(BLACKPINK(블랙핑크))とソ・イングク(서인국)が共演したNetflix(インターネット上で動画を配信するサービス)のロマンチックコメディ『月刊彼氏』も、サービスが正式に提供されていない中国国内で、レビューサイト「Douban(豆瓣)」に多くの評価が書き込まれる事態となっています。
■ バラエティや人気シリーズも標的に
ドラマだけでなく、バラエティ番組や大ヒットシリーズの続編も例外ではありません。Netflixの料理サバイバル番組『白と黒の泥棒:料理階級戦争』シーズン2も、前作に続き中国国内で大きな反響を呼びましたが、その多くは不法視聴によるものと見られています。さらに、中国のOTT(インターネットを通じて提供される動画配信サービス)大手であるテンセントビデオが、同番組と酷似したフォーマットの番組を発表し、「盗作疑惑」まで浮上する事態へと発展しました。
また、世界的な期待作である『イカゲーム』シーズン3についても、公式サービスが展開されていない地域でレビューが蓄積されるなど、公開直後から不法視聴の問題にさらされています。
文化体育観光部(日本の文部科学省に相当する行政機関)と韓国著作権保護員の資料によると、2024年の海外におけるKコンテンツの不法流通量は4億1400万件に達しました。海外の著作権侵害サイトにおいてKコンテンツが占める割合も、2022年の15%から2024年には17.5%へと拡大を続けています。
■ 産業構造を揺るがす深刻な損失
放送関係者は、このような現状について強い危機感を示しています。ある関係者は「海外での不法視聴は作品の人気を証明しているようにも見えますが、産業的には明白な損失です。コンテンツが話題になることと、製作会社やプラットフォームが正当な収益を回収することは全く別の問題だ」と指摘しています。
ドラマ一編の制作には、俳優や作家、監督だけでなく、膨大な数のスタッフや制作会社、海外配給会社、広告主などが関わっています。不法ストリーミングや非公式な字幕の流通は、これらの正当な収益構造を回避してしまうため、人気はあっても次の作品への投資資金が回収できないという悪循環を生んでしまいます。
■ 求められる「速度」と「取り締まり」の両立
韓国政府もこの問題に対して手をこまねいているわけではありません。文化体育観光部は、外交部や警察庁など7つの政府機関と民間団体が参加する「海外知的財産保護協議体」を運営し、国際的な共同捜査や取り締まりを強化しています。
しかし、不法サイトは摘発されてもすぐにアドレスを変えて復活し、クラウドストレージやウェブハード(インターネット上の共有ストレージサービス)を介して瞬く間に拡散されるため、取り締まりだけでは限界があるのが現状です。
OTT業界の関係者は、「Kコンテンツは公開直後に非公式な翻訳字幕や切り抜き動画が急速に広まります。地域によっては、合法的サービスよりも不法流通の方が速いケースさえあります」と分析しています。解決策としては、国際的な取り締まりの強化と同時に、公式配信の「速度」と「アクセスのしやすさ」をさらに高め、消費者が自然と正規ルートを選ぶ環境を整えることが不可欠だとされています。
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ Douban(豆瓣/トウバン)
中国の文化・芸術コンテンツのレビューサイトです。映画、ドラマ、音楽、本などの評価や口コミが集まり、中国国内での作品の人気や評価を測る指標として非常によく使われます。
■ Kコンテンツの不法流通
韓国のコンテンツが世界的に人気なため、海外のサイトで無断でアップロードされたり、ファンが勝手に翻訳した「ファン字幕」がつけられて拡散される問題です。製作側の収益にならないため、業界全体で深刻な問題とされています。
大好きなドラマが不当に扱われるのは、ファンとして本当に悲しいです。特に制作費がかかるミステリーや財閥系は、収益がしっかり出ないと次の名作が生まれないと思うんですよね。皆さんは、公式配信を待つ派ですか?それとも字幕の速さなどの利便性が気になっちゃう派ですか?
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