KBSで20年以上のキャリアを持つベテランドラマPDが、50歳で第15回弁護士試験に合格しました。現在は復職し、AI時代のドラマ制作における著作権法や未来戦略の構築という新たな役割を担っています。
■ 20年のキャリアを経て掴んだ「合格」の瞬間
KBS(韓国放送公社、韓国の公共放送局)のドラマセンターに所属するイ・ソヨン(이소연)PDは、ドラマ制作の最前線で20年以上の歳月を過ごしてきたベテラン演出家です。50歳という大きな節目を前に、彼女は「弁護士」という全く異なる専門職への挑戦を決意しました。韓国の法曹専門紙への寄稿によると、イ・ソヨンPDは慶北大学校法学専門大学院(ロースクール)を卒業し、今年行われた第15回弁護士試験に見事合格。50代で新人弁護士としての第一歩を踏み出したことが明らかになりました。
合格発表当日、自身の受験番号と名前を確認した際の衝撃について、彼女は「心臓が破裂しそうなほどの非現実的な喜びだった」と振り返っています。長年ドラマ制作に携わる中で、あらゆる感情に慣れてしまったと感じていた50代の自分にも、これほどまでに強烈な歓喜が訪れることに驚きを隠せなかったといいます。
■ 現場で感じた「法」の必要性とロースクールへの道
ドラマPDとして多忙を極める中で、なぜあえて弁護士の道を志したのか。その背景には、長年の現場経験から感じた切実な問題意識がありました。イ・ソヨンPDは「ドラマの中の人物ではなく、現実の生身の人々のために働きたいという思いがあった」と語る一方で、演出の現場で法律の知識が必要不可欠であると痛感する場面が多々あったことを明かしています。
彼女がロースクール進学を決意したのは、ある制作会社の代表との会話がきっかけでした。不慮の事故で世を去った俳優について語り合った際、彼女は無意識に「人生の第2シーズンは弁護士として生きたい」と口にしていたといいます。それは単なる願望ではなく、自らの運命を決定づける確信に近いものでした。
■ ドラマ制作と法律を繋ぐ「架け橋」としての役割
弁護士試験合格後、イ・ソヨンPDはKBSドラマセンターに復職しました。現在は、3年間の空白を経て劇的に変化したドラマ制作現場の分析と、「人工知能(AI)時代におけるKBSドラマの未来戦略」に関する報告書の作成に注力しています。
現場ではAIが制作構造を急速に変容させており、既存の著作権法体系では対応しきれない法的な空白や亀裂がいたるところで発生していると彼女は指摘します。カメラの前で起きているドラマ制作の実態と、法典の間に横たわる溝を埋めるためには、両方の世界を熟知した専門家が必要だと強調しています。
今後は、AI、メディア・エンターテインメント産業、コンテンツ、著作権、そして法律が交差する領域で、意味のある繋がりを作り出し、法的な隙間を埋めていく「実力のある弁護士」を目指すとしています。50歳の新人が挑む新しい季節は、ドラマの現場に新たな視点をもたらすことが期待されています。
出典:https://www.lawtimes.co.kr/news/articleView.html?idxno=219989
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ 韓国の法科大学院(ロースクール)制度
韓国では2009年からロースクール制度が導入されました。かつては学歴を問わず受験できる「司法試験」が主流でしたが、現在は3年制のロースクールを卒業しなければ弁護士試験の受験資格が得られない仕組みになっています。
■ ドラマPD(プロデューサー)の地位
韓国の放送局における「PD」は、演出から企画、予算、キャスティングまで非常に大きな権限を持つ花形の職業です。現場の総指揮官として高い社会的地位と影響力を持っています。
20年もドラマの現場にいた方が、50歳で全く違う弁護士の世界に飛び込むなんて本当にかっこいいですよね。私の大好きな『財閥家の末息子』のような、財閥や複雑な権利関係が絡むミステリー作品も、今後は法的なリアリティがより深まりそうで期待しちゃいます。皆さんは、今の仕事を離れて全く新しい世界に飛び込むなら、どんな職業に挑戦してみたいですか?今のキャリアを活かした仕事?それとも全然違う仕事?
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