韓国ドラマで見かけるあの展開は現実!離婚時の慰謝料未払い問題と法的対策

韓国ドラマの離婚シーンで、約束した慰謝料が支払われないまま物語が進む展開。視聴者は「こんなことってあるの?」と思いながら画面を見つめますが、実は韓国社会ではこれが紛れもない現実。最近、韓国のメディアで大きな話題となっているのが、離婚時の慰謝料(위자료)未払い問題と、その法的な対策方法についての専門家解説です。

■ドラマでは見えない「現実の壁」

韓国で離婚が成立した場合、相手方が慰謝料の支払いに同意したからといって、すぐに銀行口座にお金が振り込まれるわけではありません。裁判所の判決文が出ていても、相手が自発的に支払わないケースが驚くほど多いのです。

弁護士のベ・ヒャンミ(배향미)氏が指摘するように、韓国でも日本でも「判決が出た=解決」ではなく、そこからが本当の戦いなのです。ドラマでは華麗にスキップされるこの過程ですが、現実には複雑で時間がかかる法的手続きが待っています。

■「推心」という名の強制執行

韓国法では、相手が約束を守らない場合に「推心(추심)」と呼ばれる手続きを取ります。日本語で言うなら「強制執行」に当たるもので、暴力団の取り立てをイメージする人もいるかもしれませんが、あくまで法的な強制手段です。

ただし、この推心手続きを開始するには前提条件があります。それは以下の三つのいずれかに該当することです:

1. 裁判による判決文の存在
2. 支払督促決定文の存在
3. 公証人による強制執行認諾公正証書

これらを法律用語で「執行権原」と呼び、この状態になってはじめて、離婚した配偶者や不倫相手に対して法的な強制力を行使できるようになります。

■実戦的な対策方法

では、具体的にはどうやって慰謝料を回収するのか。ベ弁護士が挙げる方法は複数あります。

不動産がある場合は「競売」という手段が使えます。相手名義の土地や建物、アパートを法院に申し立てて、競売手続きを通じて慰謝料を回収するというもの。ただしこれには、事前に相手の不動産所有状況を調査することが重要です。

銀行口座に預金がありそうな場合は、口座の差押えと預金の推心を実行。相手の住民登録番号があれば、具体的な口座番号を知らなくても大手銀行に分散して差押えができるのが実務的なポイントです。

そして最も実効的とされるのが「給与差押え」です。相手が会社に勤めている場合、毎月の給料の一定比率を受け取ることができます。法律で定められた最低限度の額を相手に残し、残りは回収できるという仕組みです。これは月々継続的に回収できるため、大きな金額の慰謝料の場合に特に有効です。

■協議離婚の場合はより複雑に

ここで日本のファンにとって意外かもしれないのが、「協議離婚」(両者の合意による離婚)の場合の扱いです。韓国でも日本でも、裁判を経ずに合意離婚した場合、その際に作成した「合意書」は執行権原にはならないのです。

つまり、協議離婚で慰謝料の支払いに合意しても、相手がそれを履行しない場合、強制執行しようと思えば、別途で民事裁判を起こすか、支払督促手続きを取るか、公証人による強制執行認諾公正証書を改めて作成しなければならないということ。これは二度手間であり、追加の費用と時間がかかります。

そのため法律専門家たちが推奨するのが「調停離婚」という選択肢です。協議離婚で事を進める前に、家庭裁判所の調停を利用すれば、より安い費用で法的な拘束力を持つ合意ができるわけです。

■ドラマから学べること

韓国ドラマで何度も見かける離婚シーン。その後のストーリーで慰謝料トラブルが生じる場合、実はそれは単なるフィクションではなく、韓国社会が直面する現実の問題なのです。

視聴者としてドラマを楽しむ際、登場人物たちがどのような法的手続きを踏んでいるのか、または踏むべきなのかを理解することで、ストーリーの深みが増すかもしれません。また、もし自分たちが同じような状況に直面したときのための基礎知識としても、このような専門家の解説は実に参考になるものです。

韓国社会は法治国家として、相手の義務を強制する手段を豊富に用意しています。ただし、それを発動するには事前の準備と知識が不可欠。「離婚=終わり」ではなく、その後の法的な権利回収まで視野に入れておくことが大切なのです。

出典:http://www.financialreview.co.kr/news/articleView.html?idxno=40537

  • X

コメント

PAGE TOP