韓国を象徴する歴史都市であり、日本人観光客にも「屋根のない博物館」として親しまれている慶州(キョンジュ)。そんな古都・慶州が、伝統を守るだけの街から、世界の映画人が集う「グローバル・ムービー・シティ」へと大きな一歩を踏み出そうとしています。
今月26日、装いも新たに開幕する「2026慶州国際映画祭(GIFF)」のニュースが届きました。もともとは「慶州APEC映画祭(GAFF)」として準備が進められていましたが、このたび正式に「国際映画祭」としてのアイデンティティを明確にし、その名称を変更。世界へ羽ばたく決意を表明しました。
■ 「APEC」から「国際映画祭」へ。名称変更に込められた背景とは?
今回の名称変更について、事務局長のキム・ヨンドク(김용덕)氏は、外交上の解釈に基づき「慶州国際映画祭(GIFF)」に決定したと説明しています。しかし、その根底にあるのは、2025年に慶州で開催される「APEC 2025 KOREA(アジア太平洋経済協力会議の首脳会議)」の熱気を、一過性のイベントで終わらせないという強い意志です。
慶州は、韓国人にとって「心の故郷」のような場所。日本で例えるなら京都や奈良に近い存在です。そんな歴史的な背景を持つ街で、あえて「国際」の名を冠した映画祭を開催することは、過去の遺産(Old Heritage)と未来のビジョン(New Vision)を繋ぐという意味が込められています。
映画祭のシンボルであるポスターには、新羅(シルラ/朝鮮半島に実在した古代国家)の「金冠」にあしらわれた木の枝の装飾が描かれています。これは「天と地を繋ぐ聖なる通路」を象徴しており、映画を通じて過去と未来が交差する瞬間を視覚化したものだそうです。
■ 若き才能が慶州に集結!日本からも17作品が応募
この映画祭の最大の特徴は、次世代を担う青年監督たちの熱量です。昨年から行われた短編映画の公募には、なんとAPEC 21カ国から合計1,144編もの作品が寄せられました。
内訳を見てみると、開催国である韓国の664編に続き、中国、アメリカ、インドネシアなどが名を連ねています。そして日本からも17編の応募がありました。前身のイベントに比べて応募数は大幅に増加しており、慶州が「若手映画人の登竜門」として世界から注目され始めていることが伺えます。
審査委員長を務めるのは、映画学の権威であり演出家としても知られるミン・ギョンウォン(민경원)教授。また、開幕式の司会は、2006年の映画『ホロヴィッツによろしく(邦題)』でデビューし、ドラマや映画で幅広く活躍する女優のソン・ウヨン(선우연)が務めることが決まり、華やかなスタートを予感させています。
■ 韓流のルーツ「花郎(ファラン)精神」を映画の力で世界へ
慶州といえば、ドラマファンにはお馴染みの「花郎(ファラン)」ゆかりの地でもあります。共同組織委員長を務めるオ・イルソン(어일선)氏は、「新羅の花郎が持っていた芸術性と風流の精神こそが、今日の韓流(ハンリュウ)のルーツである」と語っています。
韓国映画界の関係者も、「慶州は、新羅による三国統一の歴史や花郎の精神、そして近代・現代に至るまで、映画の素材が無限に眠っている宝庫だ」と期待を寄せています。釜山(プサン)国際映画祭や全州(チョンジュ)国際映画祭に並ぶ、韓国を代表する映画祭へと成長すれば、世界中のファンが慶州の魅力を再発見するきっかけになるでしょう。
映画祭は3月26日から28日までの3日間、慶州市内のロッテシネマ黄城(ファンソン)店を中心に開催されます。受賞作を含む計30編が上映される予定で、古都の夜が映画の光で彩られます。
歴史ドラマの撮影地としても有名な慶州ですが、これからは「最先端の映画が生まれる街」としても目が離せませんね。歴史ある街並みをバックにレッドカーペットを歩く俳優たちの姿を想像するだけでワクワクします。
皆さんは、慶州を舞台にした映画やドラマで印象に残っている作品はありますか?また、映画祭をきっかけに慶州を訪れてみたいと思いますか?ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.kbsm.net/news/view.php?idx=510284
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