北朝鮮離脱住民が韓国社会に出る前に通う「ハナ院」で、2026年1月からスマートフォンの使用が許可されました。K-ビューティーやバリスタといった職業教育も強化され、定着支援の形が大きく変化しています。
北朝鮮を離れ、韓国へと入国した人々が社会に定着する前に必ず経由する施設があります。それが、韓国統一部(北朝鮮との交流・協力や統一に関する事務を司る官庁)が運営する定着支援施設「ハナ院(一つ院)」です。近年、北朝鮮離脱住民の入国者数が減少し、彼らを取り巻く定着環境も変化していることから、ハナ院の運営方式にも大きな変化が訪れています。
■ K-ビューティーと職業訓練の多様化
現在、ハナ院では定着支援の一環として、最新の美容トレンドを取り入れた教育が行われています。その一つが、自分を最も引き立たせる色を見つける「パーソナルカラー診断」を取り入れた美容授業です。
授業では、色とりどりの布を顔に当て、顔色がどのように変化するかを確認する訓練が行われています。講師からは「『サマー・ミュート』というタイプです。ドラマ『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜』のキム・ゴウン(김고은)さんを知っていますか?」といった具体的な有名俳優の例を挙げた解説も行われており、受講生たちは熱心に耳を傾けています。
こうした「K-ビューティー」の技術を学ぶことは、受講生たちにとって新しい夢を持つきっかけにもなっています。参加したある受講生は、「北朝鮮にいた頃から身なりを整えることが好きだった。短期間でもいいので、将来は美容に関する事業をしてみたい」と語っています。
また、バリスタの資格取得を目指す授業も人気を集めています。コーヒー豆の香りで種類を区別する方法を学び、お湯を注ぐ量やタイミングを一定にするなど、一杯のコーヒーを淹れるために集中して取り組む姿が見られました。バリスタ講師のイ・チョル氏は、「商品の製作方法だけでなく、接客のスタイルも時代に合わせて変わっています。教育システムも常にアップデートしている」と説明しています。
■ スマートフォン使用の全面許可とセキュリティ対策
ハナ院内での生活規則も大きく様変わりしています。これまでは、入所者の身辺保護やハナ院自体が「国家保安施設」に指定されているという理由から、施設内での個人スマートフォンの使用は固く禁じられてきました。しかし、2026年1月からはこの制限が緩和され、スマートフォンが支給されるようになりました。
懸念されていたセキュリティ問題については、個人名義ではなく機関(ハナ院)の名義で複数の回線を開通させ、適切な管理を行うことで補完しています。これにより、入所者は先に韓国へ定着した家族と自由に連絡を取り合ったり、定着に必要な公的支援などの情報を自分で直接検索したりできるようになりました。
ハナ院の教育訓練課の担当者は、「以前は個人的な話を自由にすることが難しかったが、スマートフォンを使えるようになったことで、家族との通話が自由になり本当に良かったという声が届いている」と、その効果を語っています。
■ 運営体制の見直しと背景
ハナ院がこうした大幅な改革に踏み切った背景には、北朝鮮からの入国者数の激減があります。かつては年間3,000人規模に達していた北朝鮮離脱住民の入国者数は、新型コロナウイルス感染症の影響や北朝鮮による国境封鎖の余波で大きく減少しました。最近では年間200人台にとどまっています。
これを受け、韓国統一部は2026年初めにハナ院の本院と分院を統合。効率的な運営を目指すと同時に、少人数教育のメリットを活かした質の高い定着プログラムへの転換を本格化させています。韓国社会の変化を敏感に察知し、より実用的なスキルを身につけてもらうことが、彼らのスムーズな定着につながると期待されています。
出典:https://news.kbs.co.kr/news/pc/view/view.do?ncd=8546942&ref=A
📚 Buzzちゃんの豆知識
■ ハナ院
北朝鮮を離れて韓国にやってきた人々が、韓国社会の仕組みを学び、定着するための支援を受ける施設です。約3ヶ月間にわたって、韓国の文化、法制度、就業訓練などの教育が行われます。
■ パーソナルカラー診断
個人の肌、目、髪の色に調和する色(似合う色)を診断する手法です。韓国では「サマー・ミュート」や「スプリング・ウォーム」などのタイプ別診断が非常に一般的で、メイクやファッションを選ぶ際の重要な基準になっています。
美容の授業でキム・ゴウン(김고은)さんの名前が出てくるあたりが、すごく韓国らしいですよね。私が大好きな『財閥家の末息子』のようなハラハラするドラマもいいですが、現実のニュースでこうして新しい生活に希望を持っている方々の姿を見ると温かい気持ちになります。バリスタやK-ビューティーなど、韓国で今まさに流行しているものが自立の助けになるのは素敵だと思うんです。皆さんは韓国で今一番人気の職業やトレンド、何に注目していますか?
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