憧れの不労所得が地獄の始まり?オ・ジョンセ主演ドラマ 建物主 が描く韓国不動産バブルのリアル

「神の上に建物主(コンムルジュ)あり」――。
韓国には、そんな言葉があるのをご存知でしょうか。万物の創造主である神様よりも、ビルのオーナー(建物主)の方が偉大で羨ましい存在だという、韓国社会の不動産への執着と憧れを皮肉った有名なジョークです。

そんな韓国ならではの社会背景を舞台にした注目の新ドラマが、ついにベールを脱ぎました。2026年3月14日より韓国のケーブルテレビ局tvN(『愛の不時着』や『涙の女王』など数々のヒット作を生み出した放送局)で放送がスタートするドラマ『建物主(건물주)』です。

本作は、全財産をかき集めて憧れのビルオーナーになった男が、予期せぬトラブルに巻き込まれ、人生最大のピンチを迎える物語。日本人の韓流ファンにとっても、「推し」の俳優たちの熱演とともに、韓国のリアルな世相を覗き見ることができる興味深い作品になりそうです。

■ 「魂までかき集める」という過酷な現実:ヨンックルとは?

物語のキーワードは、元記事のタイトルにもある「ヨンックル(영끌)」という言葉です。これは「魂(ヨンホン)までかき集める(クッロマウダ)」の略語で、自分の貯金だけでなく、親戚からの借金や最大限のローンなど、ありとあらゆる手段で資金を調達して不動産や株に投資することを指します。

数年前、韓国では不動産価格が異常なほど高騰し、若者から中年層までが「今買わなければ一生家を持てない」という焦りから、この「ヨンックル」をしてビルやマンションを購入する社会現象が起きました。しかし、その後に待っていたのは金利の上昇と不動産バブルの停滞。本作は、まさにその「ヨンックル」の末にビルを手に入れたものの、借金返済のために偽の賃貸契約という泥沼に足を踏み入れてしまう主人公の姿を、ブラックコメディとして描いています。

■ 演技派俳優オ・ジョンセが魅せる「情けないけど愛らしい」主人公

主演を務めるのは、日本でも大ヒットしたドラマ『サイコだけど大丈夫』(2020年)で自閉スペクトラム症の兄役を完璧に演じ切り、数々の演技賞を受賞した実力派俳優オ・ジョンセ(오정세)です。

彼が今回演じるポン・デヒは、念願のビルオーナーになったものの、借金に首が回らなくなり、あろうことか「偽の入居者」を仕立て上げるという突拍子もない計画を立てる人物。オ・ジョンセ特有の、どこか情けなくて放っておけない、けれど人間味あふれる演技が、このブラックコメディに深みを与えてくれることは間違いありません。

共演陣も豪華です。ポン・デヒの親友でありながらライバル心を持つキム・ソンギ役には、映画やドラマで圧倒的な存在感を放つ名バイプレーヤー、イム・ソンジェ(임성재)がキャスティングされました。二人のコミカルな掛け合いは、本作の大きな見どころの一つとなるでしょう。

また、若手実力派として注目を集めるノ・ジョンウィ(노정의)も重要な役どころで登場します。彼女は子役出身で、近年ではドラマ『その年、私たちは』(2021年)などに出演し、その圧倒的なビジュアルと確かな演技力で「Z世代のアイコン」とも呼ばれています。久々の地上波・ケーブルテレビドラマへの復帰とあって、ファンの間では早くも期待の声が上がっています。

■ 『ジョンニョン』制作陣が贈る、笑いと涙の人間ドラマ

本作への期待が高いもう一つの理由は、その制作陣にあります。脚本を手掛ける

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