韓国エンタメ界を牽引する巨大コンテンツ、「ウェブトゥーン(縦読みのデジタルコミック)」。その最大手であるネイバーウェブトゥーン(NAVER WEBTOON)の親会社、ウェブトゥーン・エンターテインメントが最新の業績を発表しました。
驚くべきはその売上規模です。昨年(2025年)の年間売上高は約13億8271万ドル、日本円にして約2兆円に迫る勢いを見せています。一方で、約902億ウォンの営業損失を計上したというニュースが、韓国の経済界やエンタメ業界を騒がせています。
「赤字なのに絶好調?」と不思議に思うかもしれませんが、そこには韓国エンタメの「次なる一手」が隠されています。代表のキム・ジュング(김준구)氏が掲げたキーワードは、ずばり「強力なファンダムの育成」です。
■「見るウェブトゥーン」から「体験するエンタメ」へ!超大型プロジェクトが続々
ネイバーウェブトゥーンが今、最も力を入れているのが「IP(知的財産)ビジネス」です。ウェブトゥーンを単なるマンガで終わらせず、ドラマ、映画、アニメへと多角的に展開する手法で、この部門の売上は前年比31.8%という驚異的な成長を遂げました。
日本の韓流ファンにとっても、見逃せないビッグニュースが目白押しです。
まず注目したいのが、K-POP界のアイコンであるENHYPEN(エンハイプン)とのコラボレーションです。彼らをモデルにしたウェブトゥーン『DARK MOON: 月の祭壇(다크 문: 달의 제단)』のアニメ化が決定しました。アイドルの世界観を物語に落とし込む「アーティスト・コラボ・ウェブトゥーン」は、韓国ならではのファンサービスであり、推しの新しい姿が見られるとあって世界中のENGENE(エンジン/ENHYPENのファン名)が熱い視線を送っています。
また、日本でも大人気の格闘マンガ『喧嘩独学(싸움독학)』が、日本で実写ドラマ化されることも明かされました。韓国のストーリーが日本の制作陣によってどう生まれ変わるのか、日韓の文化が融合する新たな試みに期待が高まります。
■パク・ジフン主演作や『ユミの細胞たち』完結編も待機中
ドラマファンの間で最も話題を呼んでいるのが、元Wanna One(ワナワン)のメンバーであり、俳優としても高い評価を得ているパク・ジフン(박지훈)の最新作です。
彼はウェブ小説を原作とした新ドラマ『炊事兵、伝説になる(취사병 전설이 되다)』への出演を控えています。ここで気になるのが「炊事兵(チュサビョン)」というキーワード。韓国には兵役制度があり、軍隊の中で食事を作る役割を担うのが炊事兵です。韓国人男性にとって非常に身近な題材であり、それをパク・ジフンがどう演じるのか、韓国国内ではすでに大きな注目を集めています。
さらに、日本でも「細胞たちの可愛さがたまらない!」と大ヒットしたドラマ『ユミの細胞たち(유미의 세포들)』。実写と3Dアニメーションを融合させた斬新な手法で人気を博した本作が、いよいよ4月にシーズン3(完結編)として帰ってきます。これまでのシーズンで見せてきたリアルな恋愛模様がどのような結末を迎えるのか、ファンにとっては待ちきれない春になりそうです。
■なぜ「ウェブトゥーン原作」のドラマは面白いのか?
最近、韓国ドラマの多くがウェブトゥーンを原作としているのには理由があります。
韓国では「シンクロ率(俳優とキャラクターの見た目や雰囲気の一致度)」を非常に重視します。キャスティングが発表されるたびに「原作のイメージ通りだ!」とSNSでトレンド入りするのも、韓国エンタメ特有の楽しみ方。制作側にとっても、すでに原作でファンを獲得している作品を映像化することは、ヒットの確率を高める賢い戦略なのです。
キム・ジュング代表は、「これまでの10年は新しいコンテンツ形式の基盤を作り、次の10年はその成長サイクルを大きくしてきた。これからは、ユーザーの参加を増やし、強力なファンダムを育てることに集中する」と語っています。
これは、単に「読む」だけでなく、グッズを買ったり、聖地を巡礼したり、二次創作を楽しんだりといった「ファンの熱量」をビジネスの核に据えるという宣言です。
赤字を恐れず、未来のファン経済に投資し続けるネイバーウェブトゥーン。その戦略の先には、私たちが驚くような新しいエンターテインメント体験が待っているはずです。
ENHYPENのアニメ化やパク・ジフンの新作、そして『ユミの細胞たち』の完結編……皆さんが今年一番楽しみにしている「ウェブトゥーン原作作品」は何ですか?ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:https://www.wikitree.co.kr/articles/1122234
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