カンヌが熱狂!ヨアキム・トリアー監督の最新作センチメンタル・バリューが韓国で公開。名優たちの競演と家族の肖像に絶賛の嵐

世界中の映画ファンが待ち望んでいた「あの監督」の最新作が、ついに韓国のスクリーンに登場しました。2021年に公開された『わたしは最悪。』(原題:The Worst Person in the World)で、ノルウェー映画界の至宝としての地位を不動のものにしたヨアキム・トリアー(요아킴 트리에)監督。彼の最新作『センチメンタル・バリュー(센티멘탈 밸류)』が、去る2月18日に韓国で封切られ、大きな話題を呼んでいます。

本作は、2025年の第78回カンヌ国際映画祭(フランスで開催される世界最高峰の映画祭)で、最高賞に次ぐ「審査員大賞」を受賞した超話題作。さらに、米アカデミー賞でも9部門にノミネートされるなど、2025年から2026年にかけての映画賞レースを席巻している「今もっとも見るべき一本」です。今回は、韓国の映画ファンたちが熱狂している本作の見どころと、その背景にある魅力について、韓流ファンの皆さんに詳しくお届けします。

■ 疎遠だった父と娘の再会――「家」に刻まれた記憶をたどる物語

映画の舞台は、トリアー監督の「オスロ3部作」でもお馴染みのノルウェー・オスロ。物語の中心となるのは、巨匠として崇められながらも、15年もの間、沈黙を守り続けてきた映画監督のグスタフ・ボーグと、彼が長年疎かにしてきた二人の娘たちです。

ある日、グスタフは15年ぶりの新作を撮ることを決意し、舞台俳優として活躍する長女のノラに出演を依頼します。しかし、父への不信感を抱くノラは「私たちに会話なんて通じない」と一蹴。結局、その役はハリウッドのスター俳優であるレイチェル・キャンプが演じることになります。

このあらすじだけを聞くと、「よくある家族の葛藤ドラマかな?」と思うかもしれません。しかし、本作は単なる家族ものに留まりません。映画の冒頭では、特定の語り手を置かないナレーションが「ボーグ家の邸宅」の歴史を語り始めます。

韓国では「チップ(家)」という言葉に、単なる建物以上の、家族の系譜や情的な繋がりを強く込める文化があります。日本でも実家を大切にする感覚はありますが、韓国では「代々続く場所」としての意味合いがより濃厚です。劇中に登場する家は、まさに家族の歴史であり、時間の痕跡。トリアー監督は、この「家」という空間を通じて、言葉にできない家族のわだかまりを可視化しているのです。

■ 豪華キャストが集結!名優たちの「静かな火花」が散る演技合戦

本作を語る上で欠かせないのが、スクリーンを圧倒する俳優たちの存在感です。

まず注目すべきは、長女ノラを演じるレナテ・レインスヴェ(레나테 레인스베)です。『わたしは最悪。』でカンヌの女優賞を受賞した彼女は、今や北欧のみならず世界が注目する名優。今作では、偉大な父への複雑な愛憎と、幼少期から抱える不安を押し殺して生きる女性を、繊細かつ力強く演じています。

そして、父グスタフ役を務めるのは、ステラン・スカルスガルド(스텔란 스카스가드)です。ハリウッド大作『パイレーツ・オブ・カリビアン』や『アベンジャーズ』シリーズでも知られる彼ですが、今作では「時代に取り残されつつある巨匠」の顔を、これ以上ない説得力で見せてくれます。特にレナテ・レインスヴェとの対面シーンで見せる、ピリピリとした緊張感と断固とした拒絶の演技は、「本物の親子以上」と韓国の観客の間でも絶賛されています。

さらに、劇中で「役を奪う形」になるスター俳優役としてエル・ファニング(엘 패닝)が登場。華やかなスターという設定でありながら、驚くほど繊細な内面を表現し、映画にさらなる深みを与えています。次女のアグネス役を演じるインガ・イプストテール・リレオース(잉가 입스도테르 릴레오스)も、韓国の観客にはまだ馴染みが薄い顔ぶれながら、家族のハブ(中心)となる重要な役割を熱演し、強い印象を残しています。

■ 難しいのに「伝わる」。ヨアキム・トリアー監督の魔法

この映画のもう一つの魅力は、芸術的な深みを持ちながらも、決して「難解すぎて分からない」作品ではないという点です。

「影よりも美しいものはない」という劇中のセリフが象徴するように、登場人物の顔をあえて影に隠したり、映像とは裏腹に不安を煽る音楽(OST)を流したりと、トリアー監督らしい五感を刺激する演出が随所に散りばめられています。

韓国のネット掲示板やSNSでは、「不和な親子がうまく対話できないもどかしさが、言葉以上に映像から伝わってきた」「難しい話だと思ったけれど、最後には自分の家族のことを思い出して涙が出た」といった共感の声が相次いでいます。また、トリアー監督ならではのセンスが光る選曲の良さも、音楽を重視する韓国のファンたちから高く評価されています。

『センチメンタル・バリュー』は、家族、歴史、芸術、そして「時間」という多層的なテーマを、まるで一枚の美しい絵画のように描き出しています。韓国での公開を皮切りに、今後日本での公開も大いに期待される本作。皆さんがもし「もしも疎遠だった親に、仕事(表現)を一緒にしようと言われたら……」という状況になったら、ノラのように拒絶しますか? それとも、グスタフのように歩み寄りを選びますか?

親子の絆や、過去の記憶との向き合い方について、皆さんはどう感じますか? ぜひコメントで皆さんの思いを聞かせてくださいね!

出典:https://www.banronbodo.com/news/articleView.html?idxno=31808

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