飲酒運転に泥酔会見、数々の騒動を起こした女優キム・ジスが欧州生活を経て韓国へ。再出発とCEO就任に寄せられる複雑な声

かつて韓国ドラマ界の第一線で活躍し、その高い演技力で「涙の女王」とも称された女優キム・ジス(김지수)。彼女がいま、大きな転換点を迎えています。

数々のヒット作に出演する一方で、度重なる飲酒運転騒動により世間を騒がせてきた彼女。一時は韓国を離れ、チェコのプラハで新たな生活を送っていましたが、このほど自身のSNSを通じて韓国への帰国と、現地での近況を報告しました。かつての輝きを知るファンにとっては驚きと期待が入り混じるニュースですが、韓国国内では依然として彼女に向けられる視線は厳しいものがあります。

今回は、キム・ジスの近況と、彼女が背負う過去の騒動、そして韓国芸能界における「不祥事への向き合い方」について紐解いていきましょう。

■ 欧州でのCEO転身から、懐かしのソウルへ

2026年3月14日、キム・ジスは自身のSNSアカウントに長文のメッセージと写真を投稿しました。そこには、ソウル屈指の風情ある街並みとして知られるサムチョンドン(三清洞/삼청동)、プクチョン(北村/북촌)、ソチョン(西村/서촌)を散策する彼女の姿がありました。

これら3つのエリアは、韓国の伝統家屋「韓屋(ハノク)」が残り、おしゃれなカフェやギャラリーが立ち並ぶ、日本人観光客にも人気のスポットです。キム・ジスは「韓国にいる時間なら欠かさず出かけたい町」と紹介し、「もうすぐ花が咲き誇れば、どれほど綺麗でしょうか」と、ソウルの春の訪れを心待ちにする様子を綴りました。

また、投稿の中では「ヨーロッパでは味わえないパッピンス(韓国式かき氷)やエゴマ油のマッククス(そば粉の麺料理)、韓国式のしゃぶしゃぶ。いつもそばにあると、その大切さに気づかない貴重なものたち」と、離れてみて初めて気づいた母国への愛着を滲ませています。

特筆すべきは、彼女が実業家としての第一歩を歩み始めたことです。キム・ジスは3月3日、プラハに拠点を置く旅行会社「ジス・イン・プラハ」を設立したことを明かしました。「まだ小さな会社ですが、特別なテーマツアーやイベントも企画しています」と語り、芸能活動とは異なる「CEO」としての顔を見せています。

■ 韓国中を驚かせた「三度の飲酒トラブル」

しかし、こうした彼女のポジティブな発信に対し、韓国のネットユーザーの反応は必ずしも温かいものばかりではありません。その背景には、彼女が過去に起こした「三度」にわたる飲酒関連の不祥事があります。

1回目は2000年。当時、血中アルコール濃度0.175%という、かなりの泥酔状態で無免許運転をし、事故を起こして立件されました。
2回目は2010年。再び飲酒状態でハンドルを握り、タクシーに衝突した後に現場を立ち去った(当て逃げ)疑いで罰金1,000万ウォンの判決を受けています。

そして決定打となったのが、2018年の騒動です。自身が出演した映画『完璧な他人(완벽한 타인)』(2018年に韓国で大ヒットした密室ワンシチュエーション・コメディ)の広報インタビューの場に、約束の時間を40分も遅刻した上、泥酔状態で現れたのです。取材陣からの問いかけにまともに答えられず、結局インタビューは中止に。この「泥酔インタビュー事件」は、プロとしての自覚に欠けると、業界内外から猛烈なバッシングを浴びることとなりました。

韓国では「飲酒運転」に対して非常に厳しい倫理観が求められます。特に「ユン・チャンホ法」と呼ばれる飲酒運転致死傷罪の厳罰化以降、芸能人の飲酒トラブルは「一発アウト」になってもおかしくないほどの重罪とみなされる傾向があります。三度にわたって酒にまつわる問題を起こした彼女に対し、「またか」という失望感は根深く残っているのです。

■ 厳しい視線と「自粛」という韓国独自の文化

韓国芸能界には、不祥事を起こした際に活動を休止して反省の意を示す「自粛(チャシュク/자숙)」という文化があります。日本よりもはるかに長い期間、公の場から姿を消すことが一般的で、その間、ボランティア活動に励んだり、今回のように海外へ拠点を移したりするケースも少なくありません。

キム・ジスも昨年11月からヨーロッパに渡り、ある種、世間の喧騒から離れた生活を送ってきました。しかし、韓国へ戻り、再びSNSで華やかな日常を発信し始めたことに対し、一部からは「反省が足りないのではないか」「そのまま海外で暮らせばいい

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