ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌(天才自閉症弁護士の成長を描いた大ヒット作)」で、主人公ヨンウを温かく支える同期、チェ・スヨン役を演じ、「春の陽だまり」という愛称で日本でも一躍人気を集めた女優ハ・ユンギョン(하윤경)。そんな彼女が、また一つ、自身の俳優人生を象徴する「人生キャラクター(人生で最も記憶に残る役柄)」に出会いました。
先日、韓国で放送を終えたtvNの週末ドラマ「アンダーカバー・ミス・ホン(언더커버 미쓰홍)」は、1997年の韓国を舞台に、不審な金の流れを察知した証券監督院の監督官ホン・グンボが、末端社員として潜入調査を行う物語。初回3.5%という静かなスタートでしたが、手に汗握る展開と俳優たちの好演が話題を呼び、最終的には視聴率10%を突破。韓国の「お茶の間(地上波やケーブルテレビの放送を家族で楽しむ文化)」を席巻しました。
今回は、物語の鍵を握るコ・ボッキ役を完璧に演じきったハ・ユンギョンのインタビューをお届けします。
■ 視聴率10%突破に「グループチャットが爆発しました!」
「今の時代、視聴率を出すのは本当に難しいこと。7%を超えればいいなと思っていましたが、10%を超えたときは共演者たちとのグループチャット(カカオトークなどのメッセンジャーアプリ)が、お祭り騒ぎで大変なことになりました」
そう満面の笑みで語るハ・ユンギョン。本作のヒットの要因として彼女が真っ先に挙げたのは、主演を務めたパク・シネ(박신혜)の存在でした。パク・シネといえば、「美男<イケメン>ですね」から続く「興行不敗(出演作が必ずヒットすること)」の異名を持つトップ女優です。
「シネさんは、作品全体を俯瞰する目を持っていて、ディテールまで細かくチェックする完璧主義者。それでいて、相手が嫌な気持ちにならないように提案する『ソフトなカリスマ』の持ち主なんです。後輩たちにカメラの位置や技術的なアドバイスを優しく教えてくれる姿から、本当に多くのことを学びました」
韓国の現場では、先輩俳優(ソンベ)が後輩(フベ)をリードする文化が根強くありますが、ハ・ユンギョンにとってパク・シネはまさに理想のリーダーだったようです。劇中で二人が見せた「ウォーマンス(Woman+Romanceの造語で、女性同士の熱い友情)」は、視聴者からも「最高のコンビ」と絶賛されました。
■ 春の陽だまりから「外面はカリカリ、内面はふわふわ」な役へ
ハ・ユンギョンが演じたコ・ボッキは、社会的な仮面を使い分け、時には毒舌も吐くけれど、その内面は誰よりも孤独で繊細なキャラクター。韓国で「コッパソッチョ(表面はパリッと、中はしっとりした揚げ物の食感から転じて、性格を表す言葉)」と呼ばれる、ツンデレな魅力を持つ人物です。
「ボッキは生き残るために必死なキャラクター。嫌な奴に見えるかもしれませんが、彼女の凄絶な背景を説得力を持って伝えたかったんです。カモメのような眉毛や濃いリップ、独特の仕草まで自分で設定を考えました。視聴者の方から『ハ・ユンギョンだと気づかなかった』と言われたのが、一番の褒め言葉でしたね」
かつて演じた「春の陽だまり」のイメージを自ら壊し、新たな顔を見せることに成功した彼女。デビューから10年という歳月が、彼女に確かな「内功(長年の修行で培った内面の強さ)」を与えたようです。
■ 10年経ってようやく口にできた「余裕」という言葉
「どんな分野でも10年続ければ専門家になると言いますが、俳優という仕事はすればするほど難しく、自分がちっぽけに見える瞬間の連続でした。でも、ようやく『どうにかしてやり遂げるんだ』という自分への信頼が持てるようになったんです。演技は結局、気合(キセ)だと思います」
そう語る彼女の瞳には、かつての不安を乗り越えた、しなやかで力強い自信が宿っていました。10年前の自分に声をかけるなら?という問いには、「よく耐えたね、その時間が今の余裕を作ってくれたんだよと言ってあげたい」と答え、10年というキャリアの重みを噛み締めていました。
プライベートでも、パク・シネら共演者たちとロッテワールド(ソウルにある人気テーマパーク)へ行くほど仲が良いという彼女たち。劇中での息の合った演技は、現実での深い絆があってこそ生まれたものだったのです。
ハ・ユンギョンは今後、JTBCの新ドラマ「神の玉(신의 구슬)」など、次期作でも新たな姿を見せてくれる予定です。
「ボッキはもう、逃げ場所だったカリフォルニアではなく、韓国の地で力強く生きていくはずです。私もまた、皆さんに愛される新しいキャラクターでお会いできるよう精進します」
「春の陽だまり」から、大ヒット作を支える「実力派」へと進化したハ・ユンギョン。彼女が語った「演技は気合」という言葉、皆さんはどう感じましたか?「ウ・ヨンウ」の時とは違う彼女のギャップに驚いた!という方も多いのではないでしょうか。彼女の次なる変身、そしてパク・シネとの最強のケミ(相性)がまた見たい!という想いを、ぜひコメントで聞かせてくださいね。
出典:https://www.hankyung.com/article/202603091211H
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