2022年、世界中に癒やしを届けたドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』(自閉スペクトラム症を持つ新人弁護士の成長を描いたヒット作)。その中で、主人公の親友チェ・スヨン役を演じ、視聴者から「春の陽だまり(ポムナレ・ヘッサル)」という愛称で親しまれた女優ハ・ユンギョン(하윤경)が、新たな転換期を迎えています。
最新作『アンダーカバー・ミス・ホン(原題)』を大ヒットに導いた彼女。ソウル・江南(カンナム)のカフェで行われたインタビューでは、自身の代名詞となった「春の陽だまり」への本音から、役作りのための大胆な変身までを赤裸々に語ってくれました。
■ 「春の陽だまり」は負担ではなく、自分を律する大切な言葉
ハ・ユンギョンといえば、いまだに『ウ・ヨンウ』のスヨンを思い出すファンも多いはず。劇中でウ・ヨンウがスヨンに対し、「あなたは春の陽だまりのような人だ」と伝えるシーンは、多くの韓国ドラマファンの涙を誘いました。
このあまりにも有名な修飾語について、ハ・ユンギョンは意外にもさっぱりとした表情でこう語ります。
「『春の陽だまり』という言葉は、私が本当に愛している表現です。だから、そう呼ばれなくなることを望んだことは一度もありません。感謝の気持ちでいっぱいですし、負担というよりは、むしろ良い刺激になっています。いつも『そんな人に近づかなければ』という心構えを持たせてくれる言葉なんです」
韓国では、俳優が一度定着したイメージを払拭しようと苦心することが多いのですが、彼女はそれを否定するのではなく、今の自分を形作る大切な一部として受け入れています。
「『ウ・ヨンウ』が終わってからもう4年(※記事設定上の年月)が経ちました。今でもその言葉を意識しすぎるのは、自意識過剰かなとも思います(笑)。呼んでいただければ感謝しますし、そうでなくても大丈夫。時間が経って自然に忘れられたとしても、また新しい姿をお見せできれば、それもまた意味のあることですから」
そう語る彼女が今、最も求めている言葉は「演技派俳優」という称号だそうです。
■ 視聴率13%超えの快進撃!90年代レトロを「細眉」で再現
そんな彼女が今回、俳優としての実力を証明したのがドラマ『アンダーカバー・ミス・ホン』です。物語の舞台は1990年代末。エリート証券監督官が、不審な資金流動を探るために20歳の新入りとして証券会社に潜入するレトロ・オフィス・コメディです。
初回3.5%からスタートした視聴率は、最終的に13.1%を記録する大ヒットとなりました。ハ・ユンギョンはこの作品で、証券会社社長の専任秘書で「301号の長女」的存在のコ・ボクヒ(고복희)役を熱演。一見すると毒舌で気難しいけれど、実は情に厚いという「ツンデレ」なキャラクターを見事に演じきりました。
特に注目を集めたのが、彼女の徹底したビジュアル作りです。
「1997年という時代を表現するために、当時の流行だった『カモメ眉(細く角度のついた眉)』に挑戦しました。役作りのために自ら眉毛を剃り落としたんです。ファッションも、今流行っているスタイルと共通点があるワイドパンツやクロップド丈(短めの丈)を取り入れつつ、当時らしい濃い色のリップでムードを出しました」
韓国では近年、1990年代から2000年代初頭を懐かしむ「ニュートロ(New+Retro)」ブームが続いていますが、彼女の徹底した役作りは、当時のリアルを知る世代からも高い評価を得ました。
■ 「自本主義の笑顔」の裏に隠された繊細な演技力
ハ・ユンギョンの魅力は、何といっても「生活感のある自然な演技」です。彼女は名門の韓国芸術総合学校(通称:ハン・イェジョン。キム・ゴウンやパク・ソダムなど実力派を輩出する超難関校)出身。確かな基礎に裏打ちされた演技は、視聴者に「あんな人、周りにいるよね」という共感を抱かせます。
今回のコ・ボクヒ役についても、彼女らしい深い洞察が光りました。
「ボクヒには家庭内暴力に苦しんだ過去がありますが、劇中では詳しく語られません。だからこそ、彼女が仕事で見せる『資本主義の笑顔(仕事用の作り笑い)』が、どこか切なく見えるようにしたかったんです。テキパキと仕事をこなす姿を見れば見るほど、『この子がここに至るまで、どれほどの時間を耐えてきたんだろう』と、視聴者の方に感じてもらえたら嬉しいですね」
「資本主義の笑顔(チャボンジュイ・ミソ)」とは、韓国でよく使われる表現で、本当は楽しくないけれど、給料やビジネスのために見せる「完璧な営業スマイル」を指します。そんな現代人なら誰しも共感できるディテールを、彼女は丁寧にすくい取って演じました。
ハ・ユンギョンは、単に「可愛い親友役」に留まることなく、泥臭いオフィスライフや複雑な感情を持つ大人の女性へと、着実にステップアップしています。
「ドパミンが出るような刺激的な物語もいいけれど、時には自分に似た誰かの話を見て、共感や慰めを得たい瞬間がありますよね。私はそういう感情を表現できる俳優でありたいです」
「春の陽だまり」のような温かさを持ちながら、どんな色にも染まれる柔軟さを持つハ・ユンギョン。彼女が次に私たちにどんな「共感」を届けてくれるのか、楽しみでなりません。
『ウ・ヨンウ』のチェ・スヨンで彼女のファンになった方も多いはず!今回の『アンダーカバー・ミス・ホン』で見せた、強くて切ない大人の演技も本当に素敵ですよね。皆さんは、ハ・ユンギョンのどの出演作が一番好きですか?ぜひコメントで教えてください!
出典:https://www.tenasia.co.kr/article/2026030860404
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