去年4日に公開された映画『王と暮らす男』が大ヒットを続けている中、この作品で存在感を放つ若手俳優キム・ミン(김민)が注目を集めている。先輩俳優ユ・ヘジン(유해진)やユ・ジテ(유지태)という大物の間にありながらも、印象深い演技で視聴者の心をつかんでいるのだ。
先ごろ行われたメディアインタビューで、キム・ミンは「思っていた以上に反応が良いみたいです」と笑顔を見せた。この言葉からは、若い世代が大先輩たちと作品を共にする喜びと、同時に漲る緊張感が伝わってくる。
■時代劇初挑戦で感じた不安と準備
『王と暮らす男』は1457年の朝鮮時代を舞台とした史劇。村の繁栄のために自ら左遷地を選んだ村長と、王位から落とされて左遷された幼い先王のドラマティックな交流を描いている。公開からわずか4日で582万人の観客動員を達成し、韓国映画史に残る大作となっている。
キム・ミンにとって史劇は初めてのジャンル。「時代劇をやるのは初めてなので、不安がありました。自分がちゃんと表現できるかって悩んだんです」と当時の心境を明かす。しかし監督との打ち合わせを重ねることで、役のトーンを徐々に掴んでいったという。
村で育った青年という設定を活かすため、キム・ミンは顔に傷のメイクを施し、肌のトーンも落とすなど、細かなディテールにこだわった。その準備と工夫の積み重ねが、今作での説得力ある演技につながったのだろう。
実は、キム・ミンはこれまでもチャン・ハンジュン監督(장항준)と『リバウンド』『ザ・キラーズ』で共作しており、信頼関係があったという。その信頼の中での挑戦が、より深い表現につながったに違いない。
■ユ・ヘジンとの共演で「本当に緊張した」
今作でキム・ミンが演じたのは、村長エム・フンド(엄흥도)の息子エム・テサン(엄태산)。師匠も書物も持たずに育ったにもかかわらず、5歳で『千字文』を修め、8歳で『小学』をマスターするほど、並外れた才能を持つ少年だ。左遷された単종に出会ったことで、勉学への夢を再び膨らませるようになる。
「最近の若い世代も現実に直面する瞬間がたくさんありますよね。私も演技を始めた頃、『この仕事をずっと続けられるのだろうか』という悩みがありました。エム・テサンはそういった葛藤を伝えるキャラクターだと思ったんです」
キム・ミンが語る役作りの考え方は、単なる技術的な演技ではなく、より深い人間理解に根ざしている。彼は「父親のエム・フンドとの感情線の邪魔にならないよう、機能的な役割を果たそうと心がけました。エム・テサンに見えるというより、村の一部になるべきだという気持ちで臨みました」と述べる。
そして何といっても、大先輩ユ・ヘジンとの共演は大きなプレッシャーだったという。
「先輩と共演することになったと聞いた時は、本当に光栄でした。韓国映画史に名を残すような方じゃないですか。迷惑をかけてはいけないという思いで、本当に一生懸命準備しました」
その不安は現場での撮影を通じて、さらに増していったそうだ。
「ものすごく緊張しました。先輩が自分の演技に満足してくださらないんじゃないかって怖くて、たくさん準備を重ねていったんです。でも現場で先輩の演技を見たら、本当に素晴らしくて…。母は映画を見た後『なぜ皆がユ・ヘジンユ・ヘジンって言うのか分かった』と言って、ファンになってしまった(笑)」
母親もファンになるほどのユ・ヘジンの実力。その傍で演じることの重みと責任感が、キム・ミンの演技をより一層引き締めたのではないだろうか。
■パク・ジフンへの尊敬とライバル心
興味深いことに、キム・ミンは単종役を演じたパク・ジフン(박지훈)への尊敬の念も語った。
「ジフンが本当に素晴らしく演じていますが、もし自分がやったらどんな感じになっていたのか、ちょっと気になるんです(笑)」
撮影時の日記に「パク・ジフン、本当に良い俳優だ」と書き残していたというキム・ミン。単종という役は、王としてのカリスマと失われた権力への葛藤を同時に表現しなければならない、非常に難しい役柄だ。
「撮影中ずっと『単종その人そのもの』でいるのを見ていて、尊敬心が生まれました。ホラ吹き製造虎退治の場面を、モニターで見た時に、王のエネルギーを感じたんです。皆が言うように、本当に目に多くのものが詰まっている俳優なんだって思いました」
ちなみに、キム・ミンは『弱いヒーロー』のシン・シウン(신시은)役でも好評を得ており、同じパク・ジフンが演じたその役との目の表現の違いについても、「同じ俳優とは思えないほど、それぞれの役に合わせて表現を変えている。良い俳優だと改めて感じた」とコメントしている。
1999年生まれのキム・ミンは、2022年のtvNドラマ『ユアン・ブルー』でデビューして以来、『猪狩り』『ハイクッキー』『ハイド』『捜査班長1958』、映画『リバウンド』『ザ・キラーズ』『ロビー』など、次々と作品に出演し、演技力を磨いてきた。
今後は、ENA新ドラマ『恋愛博士』での活躍が期待されている。この作品では、元水泳選手だが病で片脚を失った博士課程学生・チェ・ヨンウ(추영우)と、人生の進路を見失った修士課程学生・ユジン(김소현)の交流を描く。キム・ミンはチェ・ハンギョル(최한결)役を担当する予定だ。
チェ・ヨンウとは韓国芸術総合学校(通称KARTs)の同窓生で、一緒に授業を受けたこともあるというキム・ミン。「お互い学校時代の繋がりがあるので、撮影がすごく楽でした。ヨンウも私も、現場で学び続けている段階だと思います」と、後輩俳優らしい謙虚さと親友との信頼関係を笑顔で語った。
■おわりに
キム・ミンのインタビューからは、大先輩との共演という緊張感の中でも、それを糧に成長しようとする若き俳優の誠実な姿勢が伝わってきた。『王と暮らす男』での存在感ある演技は、これまでの多くの作品での努力と準備の結果なのだろう。
今後、さらに多くの作品で彼の演技を見る機会が増えるに違いない。新星俳優キム・ミンの今後の活躍から、目が離せない。
出典:https://www.mydaily.co.kr
コメント