天国で果たされた再会…名優オ・ヒョンギョン三回忌に想うイ・スンジェとの絆と韓国演劇界の至宝たち

韓国エンタメ界の礎を築いた偉大な名優たちが、今ごろ天国で再会し、演劇論に花を咲かせているかもしれません。

2026年3月1日、韓国演劇界と放送界に計り知れない足跡を残した俳優、オ・ヒョンギョン(오현경)(오현경)さんがこの世を去ってから丸2年が経ちました。88歳で生涯を閉じた彼の三回忌を迎え、韓国国内では改めてその功績と、彼を見送った仲間たちの想いが注目を集めています。

特に話題となっているのが、2年前の葬儀で親友であり同志でもあった俳優のイ・スンジェ(이순재)さんが捧げた、魂を揺さぶる追悼の辞です。当時の言葉が今、現実のものとなったことで、多くのファンが涙しています。

■ 演劇に捧げた70年。伝説のドラマ「孫子兵法」で愛された国民的俳優

オ・ヒョンギョンさんは、まさに韓国芸能界の「生きた歴史」そのものでした。

彼が演技の道を志したのは、1954年、ソウル高校2年生の時。演劇部での活動がすべての始まりでした。翌年には早くも演劇コンクールで演技賞を受賞するなど、若くしてその才能を開花させます。

1961年、KBS(韓国放送公社。日本のNHKに相当する公共放送局)の開局に合わせて特注タレントとしてデビュー。その後、1980年代後半から90年代にかけて放送された伝説的ドラマ「孫子兵法(손자병법)」(ビジネス界を舞台に、古典の知恵を借りて困難を乗り越えるサラリーマンたちを描いた作品)で、万年課長のイ・ジャンス役を熱演。この役で彼は、韓国中のサラリーマンたちの哀愁と希望を代弁する「国民の顔」となりました。

韓国では今でこそ「ミセンー未生ー」のようなリアルなオフィスドラマが人気ですが、その原点とも言えるのがこの「孫子兵法」です。オ・ヒョンギョンさんの演じた親しみやすくも芯の強いキャラクターは、当時の視聴者に深い癒やしを与えました。

その後も、「春の日」「フィガロの結婚」「猛進士宅の慶事」といった舞台で活躍。東亜演劇賞や百想芸術大賞(韓国のゴールデングローブ賞と称される権威ある賞)、KBS演技大賞など、数々の栄誉に輝きました。70年近く舞台に立ち続けたその情熱は、後輩俳優たちにとっての北極星のような存在だったのです。

■ 涙の別れと、イ・スンジェが遺した「天国での約束」

2024年3月5日。オ・ヒョンギョンさんの告別式は、ソウルの演劇の聖地・大学路(テハンノ)にあるマロニエ公園で「大韓民国演劇人葬」として厳かに執り行われました。

※「演劇人葬」とは、韓国の演劇界に多大な貢献をした人物が亡くなった際、演劇協会が主体となって行う葬儀の形態です。日本の「本葬」に近い、非常に格式高いお別れの儀式です。

その席で、弔辞を述べたのがイ・スンジェさんでした。イ・スンジェさんといえば、日本でもドラマ「イ・サン」やバラエティ「花よりおじいさん(ベテラン俳優たちが海外旅行をする人気旅番組)」でお馴染みの、まさに「国民のおじいちゃん」として愛された大俳優です。

当時、イ・スンジェさんは震える声でこう語りかけました。
「私もすぐに行くから、あっちでまたみんなで会おうじゃないか」

この言葉は、単なる別れの挨拶ではなく、苦楽を共にしてきた戦友への、再会の約束でした。そして、その約束はあまりにも早く訪れてしまいます。2025年11月、イ・スンジェさんもまた、多くのファンに惜しまれながらこの世を去りました。

オ・ヒョンギョンさんの三回忌を目前に、二人の巨星が今、あちらの世界で再会を果たしていることに、韓国のSNS上では「今ごろ二人で台本を読んでいるのではないか」「韓国演劇の黄金時代が天国で続いている」といった、温かくも切ないメッセージが溢れています。

■ 時代を繋ぐバトン。私たちが忘れてはならない名優たちの姿

最近の韓流ブームといえば、華やかなアイドルや若手俳優に注目が集まりがちですが、彼らが世界で活躍できる土壌を作ったのは、間違いなくオ・ヒョンギョンさんやイ・スンジェさんのような「第1世代」の役者たちです。

韓国には「クヌン(巨木)」という言葉があります。大地に深く根を張り、大きな枝葉を広げて後輩たちに雨風を凌ぐ場所を与えてくれる。オ・ヒョンギョンさんはまさに、韓国エンタメ界にとっての巨木でした。

彼は2023年に脳出血で倒れ、半年以上の闘病生活を送りましたが、最後まで「また舞台に立ちたい」という意志を失わなかったといいます。そのプロフェッショナルな精神は、今の若いK-POPアーティストや俳優たちが持つ「徹底した自己管理」や「完璧を求める姿勢」の源流にも繋がっています。

私たちがドラマや映画で感動をもらうとき、その背後にはこうした先駆者たちが築き上げた「演技の真髄」が流れていることを、忘れたくないものです。

オ・ヒョンギョンさんとイ・スンジェさん。二人が天国で交わしているであろう再会の握手を想像すると、どこか救われるような気持ちになりますね。彼らが遺してくれた数々の名作を、この機会にもう一度見返してみるのはいかがでしょうか。

皆さんは、このお二人の出演作で心に残っているキャラクターやシーンはありますか?また、ベテラン俳優たちの存在が、作品にどのような深みを与えていると感じますか?ぜひコメントで教えてくださいね。

出典:https://www.newsis.com/view/NISX20260301_0003530818

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