ドラマ『恋愛体質〜30歳になれば大丈夫』などで見せた、明るくチャーミングな姿を覚えているファンも多いのではないでしょうか。そんな「ラブコメの妖精」としてのイメージが強い実力派女優、ハン・ジウン(한지은)が、これまでのイメージを根底から覆すような衝撃的なステージを披露し、韓国で大きな話題を呼んでいます。
2026年3月10日、ソウルの芸術の殿堂とも言われる世宗文化会館内にある「セジョンSシアター(世宗文化会館に併設された、実験的でダイナミックな演出が可能な多目的小劇場)」にて、舞台『THE WASP(スズメバチ)』が幕を明けました。ハン・ジウンはこの作品で、完璧な人生を送っているように見えながら、その内面は過去のトラウマに深く蝕まれている女性・ヘザー役を演じ、90分間にわたって観客を圧倒しました。
■ 2人芝居という「逃げ場のない密室」で放たれた怪演
舞台『THE WASP』は、2015年にイギリス・ロンドンのハムステッド劇場で初演され、その緻密な心理描写で高い評価を得た心理スリラー作品です。今回の公演は韓国初演ということもあり、演劇ファンの間でも放送前から注目を集めていました。
物語は、高校時代の同級生であるヘザーとカールアが20年ぶりに再会するところから始まります。対照的な人生を歩んできた二人の間で行われる、ある「危険な取引」。会話が進むにつれ、過去の衝撃的な事件が次々と浮き彫りになり、息の詰まるような心理戦が繰り広げられます。
注目すべきは、この舞台が「2人芝居」であるという点です。韓国の演劇界では、実力派俳優たちが自身の演技力を試す場所として、こうした少人数構成の舞台に立つことがよくあります。観客の視線が常に自分たちだけに注がれる2人芝居は、俳優にとって「逃げ場のない真剣勝負」のようなもの。ハン・ジウンは、90分間一瞬たりとも途切れることのない緊張感を維持し、観客を物語の深淵へと引き込みました。
■ 「明るいハン・ジウン」はどこへ? 観客を凍りつかせたディテールの魔術
今回のハン・ジウンの変身がここまで絶賛されている理由は、彼女がこれまでに築いてきた「ハツラツとして可愛らしい」イメージとのギャップにあります。
彼女が演じるヘザーは、表面的には優雅で隙のない女性ですが、物語が後半に進むにつれ、その仮面が剥がれ落ちていきます。ハン・ジウンは、ただ大声を出して感情を爆発させるのではなく、台詞のトーン、話す速度、表情の微細な変化、さらには手の震えといった細部(ディテール)にまでヘザーの不安と怒りを宿らせました。
特に印象的だったのは、視覚的な演出です。靴を脱ぎ捨て、結んでいた髪を解き、口紅を塗り直すといった動作を通じて、キャラクターが崩壊していく過程を鮮明に表現しました。善と悪、そして暴力の連鎖について問いかける彼女の迫真の演技に、客席からは感嘆の声が漏れたといいます。
終演後、韓国の観客からは「ハン・ジウンの新しい顔を見た」「まるでワンテイクで撮影された映画を観ているような没入感」「鳥肌が立つほどの緊張感。今までの彼女とは完全に別人だった」といった熱い反応が相次いでいます。
■ 映画・ドラマを股にかける「カメレオン女優」の真骨頂
ハン・ジウンはこれまで、ドラマ『スタディグループ(ウェブ漫画原作の学園アクション)』や、イ・ミンホ主演で期待を集めている宇宙を舞台にした大作ドラマ『星たちに聞いてみて(宇宙ステーションを舞台にしたロマンチックコメディ)』、さらには映画『ヒットマン2』など、ジャンルを問わず活躍してきました。
韓国の俳優にとって、映画やドラマといった映像作品だけでなく、舞台(大学路・テハンノなどの演劇街を含む)での活動を並行させることは、演技の「筋肉」を鍛え、アーティストとしての深みを出すための重要なキャリア形成のひとつです。今回の『THE WASP』での成功は、彼女が単なる「人気女優」ではなく、舞台を支配する圧倒的な「表現者」であることを証明したと言えるでしょう。
過去の傷を抱え、危うい均衡の上で生きるヘザーを、自分だけの色彩で染め上げたハン・ジウン。彼女の情熱がほとばしる舞台『THE WASP』は、2026年4月26日までセジョンSシアターで上演されます。
ドラマでの可愛らしい彼女も素敵ですが、舞台でしか見られない「剥き出しの感情」をぶつける姿は、日本のファンにとっても新鮮な驚きとなるはずです。
これまで多くの作品で私たちを笑顔にしてくれたハン・ジウンですが、今回の「闇」を抱えた演技での変身、皆さんはどう感じましたか? 彼女に見せてほしい「新しい顔」や、これまでの出演作で一番好きな役柄など、ぜひコメントで教えてくださいね!
出典:http://www.osen.co.kr/article/G1112759759
コメント