■ミュージカル界の名優が映画で600万観客超えを達成
2006年のミュージカル「ミスター・マウス」でデビューしてから19年。チョン・ミド(전미도)がついにスクリーンの大舞台で輝きを放つ瞬間がやってきました。
現在上映中の映画「王と一緒に暮らす男」(邦題『王と一緒に暮らす男』、2月22日現在で全国累計約582万8800人の観客動員)が600万観客目前という大ヒットを記録している中で、チョン・ミドはこの作品において、宮女・梅花(メファ)役を好演。長年、舞台の世界で一流女優として活動してきた彼女が、やっと映画界でも本格的な成功を収める時代が到来したのです。
多くのファンが「なぜもっと早く映画に出なかったのか」という疑問を持つほど、チョン・ミドの存在感は圧倒的です。しかし実は、彼女の映画キャリアはほとんど構築されていませんでした。2019年の「変身」での脇役出演を除けば、本格的な商業映画出演は事実上これが初めて。5年のブランクを経ての復帰が、このような大ヒット作品での重要な役柄だったというのは、キャスティングの妙とも言えるでしょう。
■舞台で培った確かな力量がスクリーンで開花
本作の監督・チャン・ハンジュン(장항준)は、主演のユ・ヘジン(유해진)、パク・ジフン(박지훈)、ユ・ジテ(유지태)といった実力派俳優たちと共に、チョン・ミドをキャスティングしました。その判断は完全に正解だったと言えます。
朝鮮時代の苦難に直面する端宗(たんじょう)を最も近い立場から支える宮女・梅花を演じたチョン・ミドは、端宗が幼少の時代から廃位後の流刑の地までを共にした人物という設定で、その役の重みを見事に体現しています。まるで母のような温かさを持ちながらも、危機に瀕した先王を守り抜く強い意志を兼ね備えたキャラクター――。この繊細で複雑な役柄を、彼女は過度な表現に頼ることなく、深い感情と説得力をもって表現してみせたのです。
映画を観た観客たちは、CJ CGV(映画館チェーン)の掲示板に「ドラマとミュージカルで現実的で人間らしいキャラクターを説得力を持って表現してきた彼女だからこそ、今回の時代劇でも感情を誇張しない、心に残る演技が見られた」という称賛コメントを相次いで投稿しています。
■20年近く舞台で磨き続けた底力
チョン・ミドがここまでのキャリアを築いてきた背景には、舞台での圧倒的な実績があります。「ヒーロー」「ドクター・ジバゴ」「ヴェルテル」「Once」「もしかしたらハッピーエンディング」といった数々のミュージカル作品に出演し、その役を次々と現実のものにしてきました。
特に注目すべきは、その受賞歴の豊富さです。2016年には「Once」でザ・ミュージカル・アワーズを受賞、同年「スウィーニー・トッド」では韓国ミュージカル・アワーズの女優主演賞に輝きました。そして2017年には「もしかしたらハッピーエンディング」で再び韓国ミュージカル・アワーズ女優主演賞を獲得。演劇の世界でも、2008年に「Agnes of God」で大韓民国演劇大賞・新人賞を受賞し、その後「かもめ」「桜の園」「オスロ」などの舞台で光を放ってきました。
つまり、映画界にとってチョン・ミドは「突然現れた新しい才能」ではなく、「これまで舞台の世界に埋もれていた確かな実力者」だったわけです。その力量がようやく映画というより広い媒体で認識される機会を得たのが、今この瞬間なのです。
■テレビドラマを経由しての映画界へのアプローチ
舞台から映画へのシフトが急速に進んだのは、テレビドラマの存在もあります。2020年のtvNドラマ「賢い医師生活」が、チョン・ミドが舞台を離れてテレビを通じてより広い視聴者層と出会うきっかけとなりました。その後、JTBC「39」やSBS「コネクション」といった主要放送局の作品に参加することで、彼女の知名度は確実に拡大していったのです。
しかし、ドラマで新たな観客を獲得していたにもかかわらず、映画という最も大きなスクリーンへの本格進出は遅れていました。その理由は単なる機会の不足ではなく、彼女自身がキャリアの軸足を舞台に置き続けていたからでもあります。ドラマへの参加が増えた後でさえ、映画は選り好みされていたのでしょう。
■新たな人生の章の始まり
チョン・ミドが「王と一緒に暮らす男」の梅花役に臨むにあたって、宮中礼儀の教育を受けるなど、キャラクター作りに真摯に取り組んだというエピソードは印象的です。彼女は梅花という人物について「言葉少なく後ろから静かに端宗を守りながらも、非常に自制されている人物」と分析し、この多面的な側面を立体的に表現することに心を砕きました。
本作のチャン・ハンジュン監督は、チョン・ミドが「梅花というキャラクターに生命力を吹き込んでくれた。彼女を見つけることで、このキャラクターが意味のある役割となった。一緒に仕事をしていて本当に良くて、次は絶対に彼女と一緒に制作したい」と語っており、こうした信頼関係が画面に反映されていることは明白です。
19年のキャリアの中で、ついにスクリーンでの成功を手にしたチョン・ミド。600万を超える観客からの反応は、彼女がこれまで舞台で積み重ねてきた努力と実力に対する、遅ればせながらの正当な評価と言えるのではないでしょうか。次は、この映画がどこまで観客数を伸ばしていくのか、そしてチョン・ミドがどのような映画作品で再び我々を驚かせてくれるのか——その先行きに注目が集まります。
出典:http://news.maxmovie.com/445299
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