約1年をかけた長編ドラマの撮影を終えたばかりのコン(공유)。ネットフリックスの話題作『天天と激しく』(천천히 강렬하게)で彼が体験したのは、これまでのキャリアとは違う独特の時間だった。
2025年の彼のほぼすべてをこの作品に費やしたというコン。撮影スタジオを離れた今も、演じた「ドンク」というキャラクターの熱が体に残っているという。1960~80年代の韓国エンタメ黎明期を舞台にした全22話のこの大作について、そしてミニマルな魅力を放つ俳優の仕事哲学について、ファッション誌「W Korea」のインタビューで語られたのは、成熟した大人の言葉だった。
■コンが初体験した「1年の撮影」という重み
2024年春に始まった『天天と激しく』の撮影は、丸1年をかけて完成した。四季を全て経験しながら作り上げる長編ドラマの制作——これはコンにとって初めての経験だった。
作品には、ソン・ヘギョ(송혜교)を中心に、キム・ソルヒョン(김설현)、チャ・スンウォン(차승원)、イ・ハニ(이하늬)らが出演。1960~80年代、当時の米軍基地を舞台に公演していたペ・ティキムやユン・ボクヒなど実在の芸能人たちの活躍を背景に、ノ・ヒギョン(노희경)という実力派脚本家がこの時代を生きた人間たちの夢と希望の物語を紡ぎ出している。
現在のK-POPの隆盛へとつながる、当時の「興」と「気」のDNAを感じさせる設定だ。そんな時代背景の中で、コンが演じたドンクという人物は、彼のフィルモグラフィに新たな色合いをもたらした。
■俳優・コンの多面性を象徴する軌跡
これまでのコンのキャリアを振り返ると、彼がどれほど多彩な役柄を選んできたかが見えてくる。2000年代の青春ラブストーリー、ロマンティックコメディ、激情的なアクション、日本統治時代の歴史ドラマ、社会的メッセージを秘めた作品、さらにはSFジャンルまで——俳優としての偏りのなさに驚嘆させられる。
父親として危機に立ち向かう姿を描いた『釜山行』(부산행)はカンヌ国際映画祭のメイン会場で上映され、韓国映画史に刻まれた。また、神の役まで演じてきたコンにとって、『ヒューマン・デザイナー』での悪人という新たな領域も、彼の演技の奥行きを証明する試金石となった。
しかし、1960~80年代を背景とした懐古的な恋愛ドラマでのコン——それはまだ見たことのない境地だったのだ。
■イ・ユンジョン監督との再会が生んだ化学
興味深いのは、このドラマの監督であるイ・ユンジョン(이윤정)との関係だ。コンは2007年のMBS『コーヒープリンス1号店』以来、約20年ぶりの再タッグとなった。当時とほぼ変わらない関係を保っているという二人は、現場で監督の笑い声に心ときめき、信頼関係の中で作業を進めたという。
新作での感情的な難しさについても、脚本家ノ・ヒギョンの信頼がコンの支えになったと語る。撮影後、ノ・ヒギョンから文字で寄せられた言葉は、認められ、期待され、応援される喜びだったのだろう。1年にわたる撮影を通じて、コンは「役者としてさらに成長できた」と実感したという。
■「結果より過程が大事」という人生哲学
インタビューの中で最も印象的だったのは、コンが語った人生哲学だ。
「私は結果より過程が大事な人です。昔からそうでした」
1つの作品を完成させるために、無数の人々がそれぞれの位置で最善を尽くす——その過程こそが美しく、素晴らしいことだとコンは考えている。撮影を終えた後は、結果に執着しない。作品の成功・失敗がどうであれ、現場で感じた苦しみや葛藤こそが、俳優にとっての幸福であり成就なのだという。
「神経を使うことで変わらないことに、わざわざエネルギーを注がず、自分が使える場所に集中する。年を重ねるほどそう思うようになりました」
シネマティックな長編コンテンツが次々と短編フォーマット(ショーツ)に塗り替わっていく時代だからこそ、ネットフリックスで全22話の作品を製作したことの意義は大きい。コンはそれを「有意義な試み」と評価している。
■年を重ねることへの自然な向き合い方
年齢を重ねることについても、コンは実に自然体だ。「特に止まりたいわけでもなく、昔に戻りたいわけでもなく、自然の摂理に任せている」という言葉には、人生経験に裏打ちされた落ち着きがある。
現場で年下のスタッフたちが増えていく中で、彼らを見守る姿勢は「甥っ子のような後輩たちをもっと応援したい叔父さんモード」へと自然に移行したという。年を重ねることで初めて見える景色がある——コンはそれを当たり前のこととして受け入れている。
ルイ・ヴィトン2026年秋冬コレクションのメンズトランク・エディションを身に纏ったコン。パリでの銀座ショーを見学し、デザイナーたちの個性の違いを発見する楽しさについても語っている。一流ブランドのモデルを務めることも、基本は「俳優」という自分の本業を軸にしながら、さらなる経験値を積み重ねることの一環として捉えている姿勢が伝わってくる。
『天天と激しく』はこれからの季節へ向けて、その全貌を見せることになる。ドンクとしての1年間の時間を、やがて世界中のファンたちが目にすることになるだろう。その時、コンが過程を大事にしながら紡ぎ出した、激しくも儚い時代の息吹が、どのように響き渡るのか——それを待つのも、また別の喜びなのだ。
出典:https://www.wkorea.com/2026/02/24/%ec%a0%80%eb%8a%94-%ea%b2%b0%ea%b3%bc%eb%b3%b4%eb%8b%a4-%ea%b3%bc%ec%a0%95%ec%9d%b4-%ec%a4%91%ec%9a%94%ed%95%9c-%ec%82%ac%eb%9e%8c%ec%9e%85%eb%8b%88%eb%8b%a4-%eb%8a%98-%ea%b7%b8%eb%9e%98%ec%96%b4/?utm_source=naver&utm_medium=partnership
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