イ・ドンフィの新たな顔を親友監督が引き出す!映画メソッド演技に込めた20年来の絆と俳優の葛藤

「恋のスケッチ〜応答せよ1988〜」(2015年の大ヒットドラマ)のリュ・ドンリョン役で日本でも一躍人気者となり、映画「エクストリーム・ジョブ」(2019年の超ヒットコメディ映画)などで唯一無二の存在感を放つ俳優、イ・ドンフィ(이동휘)。コミカルな演技で私たちを笑顔にしてくれる彼が、今度は「俳優としての本音」をさらけ出す意欲作で戻ってきました。

その名も、映画「メソッド演技(메소드연기)」。メガホンを取ったのは、イ・ドンフィと20年来の付き合いという親友であり、自身も俳優として活動してきたイ・ギヒョク(이기혁)監督です。今回は、長編デビューを果たしたイ・ギヒョク監督が、親友だからこそ撮れた「俳優イ・ドンフィの素顔」と、作品に込めた深いメッセージを語ったインタビューの様子をお届けします。

■「サムギョプサルが消えた!」実際の撮影現場でのハプニングが映画の原点

映画「メソッド演技」は、同名の短編映画を長編へと拡張させた作品です。もともとこの物語が生まれたきっかけは、イ・ギヒョク監督が撮影現場で目撃した、ある「おかしな事件」だったといいます。

「撮影現場で小道具のサムギョプサル(豚の三枚肉の焼肉)が消えてしまったことがあったんです。誰が食べたんだと互いに疑い合う騒動になったのですが、その状況が妙に面白くて。これを映画にしてみたいと思ったのが始まりでした」と監督は振り返ります。

しかし、単なるコメディで終わらせないのがイ・ギヒョク流です。彼はこのエピソードに、「自分らしく生きるとは何か?」という哲学的な問いを重ねました。

「私たちは時として、他人が求める姿を演じて生きることがあります。でも、その裏には本当の自分がいる。そんな人間の二面性を描きたかったんです。短編では、役作りのために断食を宣言したイ・ドンフィが、空腹に耐えかねて葛藤する姿を通じて、人間の可笑しくも切ない二面性を表現しました」

ちなみに、韓国では役作りに没頭することを「メソッド(Method)演技」と呼び、非常に高く評価される文化があります。日本でも「憑依型俳優」という言葉がありますが、韓国ではよりストイックに「その人物になりきる」姿勢が美徳とされる傾向があり、本作のタイトルにはそんな俳優へのリスペクトと、皮肉が絶妙に混ざり合っています。

■衝撃の「アルコール依存症の宇宙人」役?コメディの裏に隠された暴力性

長編化にあたり、イ・ギヒョク監督が最もこだわったのが、観客の度肝を抜くキャラクター設定です。劇中、イ・ドンフィが演じる劇中劇の役柄は、なんと「アルコール中毒の宇宙人(アルゲイン)」。

「イ・ドンフィという俳優が持つイメージとは真逆の、強烈なキャラクターが必要でした。宇宙から落ちてきて韓国の伝統酒(マッコリや焼酎など)に溺れてしまった宇宙人という、カルト的で誇張された設定です。一度見たら忘れられないインパクトを残したかった」

また、映画のオープニングを飾るトークショーのシーンも印象的です。これはアメリカの有名な「ジミー・ファロン・ショー」や、映画「ジョーカー」のワンシーンを参考に演出されたそう。

「大衆が求める『面白いイ・ドンフィ』を、あえてトークショーという空間に閉じ込めたかった。観客の笑い声やMCの際どい進行が、時として俳優にとっては暴力的に感じられることもある。華やかなステージの上(オンステージ)と、舞台裏(バックステージ)のギャップを強調したかったんです」

韓国のバラエティ番組は、日本以上にMCの突っ込みが鋭く、時にはプライベートに深く踏み込むことも少なくありません。そんな「芸能界のリアル」を知る監督だからこそ描けた、ヒリヒリするようなシーンと言えるでしょう。

■「家族」という韓国特有の絆が、孤独な俳優を救う

映画を長編にする際、監督が新たな軸として加えたのが「家族」というテーマでした。

「韓国の家族って、家の中では各自の部屋でチキンを食べるくらい個人主義なところもありますが、外で誰かが家族の悪口を言えば、全力で味方をする『義理』のような絆があります。表現は下手だけど、心の底では繋がっている。そんな僕自身の家族観を、劇中のイ・ドンフィの家庭にも反映させました」

物語の終盤、イ・ドンフィ演じる主人公が、周囲の人々との関わりの中で成長し、自分なりの答えを見つける姿は、一種の「成長ドラマ」としても見応えがあります。特に、母親役のチョン・ボクチャ(정복자)との感情が重なり合うシーンは、観客の涙を誘うポイントです。

「最後の演技シーンでは、あえて照明を落とし、イ・ドンフィの顔を隠したり後ろ姿を使ったりしました。観客の皆さんに、先入観なしで彼の『演技そのもの』を感じてほしかったからです」

俳優出身の監督だからこそ、俳優という職業の孤独と、それを支える家族の温かさを誰よりも理解していたのかもしれません。

20年来の親友である監督が見せたかった「イ・ドンフィの新しい顔」。それは、私たちが知っているコミカルな姿だけでなく、泥臭く葛藤し、一人の人間として成長しようとする、最高に人間味あふれる姿でした。

日本でも公開されたら、スクリーンの中で「本気のメソッド演技」を見せるイ・ドンフィの姿を、ぜひ皆さんの目で見守ってほしい一作です。

「恋のスケッチ」からずっと応援しているファンの方も多いイ・ドンフィさん。彼が挑む「宇宙人役」や「俳優の裏側」、皆さんはどんなシーンが一番気になりますか?ぜひコメントで教えてくださいね!

出典:http://www.srtimes.kr/news/articleView.html?idxno=198862

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