ドラマが描き出した「孤独な魂」の正体
2023年末にこの世を去った名優イ・ソンギュンさんと、トップアーティストアイユーが共演した癒やしの名作『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』。このドラマが今なお多くの人の心を捉えて離さないのは、描かれている苦しみが、決してフィクションの中だけの話ではないからではないでしょうか。
特にIUが演じたヒロイン、イ・ジアン。彼女の、笑うことを忘れ、重い借金と介護に追われる姿は、現代韓国の若者が直面している「ある絶望」を象徴していました。今回は、彼女のような若者たちを指す言葉、「三抛世代(サムポセデ)」というキーワードから、韓国社会のリアルに迫ります。
「三抛世代(サムポセデ)」とは何を指す言葉?
「三抛世代(サムポセデ/삼포세대)」とは、直訳すると「3つのことを抛棄(ほうき)した世代」という意味です。ここでいう「抛棄」とは、自分の意志というよりも「過酷な社会状況のせいで、諦めざるを得なかった」というニュアンスが強く含まれています。
彼らが諦めた3つのこと、それは以下の通りです。
- 恋愛(연애)
- 結婚(결혼)
- 出産(출산)
この言葉が注目され始めたのは2011年頃のこと. 当初はこの3つでしたが、不況や格差社会が深刻化するにつれ、さらに「家を買うこと」「人間関係」「夢」までも諦める「五抛世代(オポセデ)」、さらにはすべてを諦める「全抛世代(チョンポセデ/Nポセデ)」という言葉へと進化(悪化)してしまいました。
なぜ彼らは「幸せ」を諦めなければならないのか
なぜ、ドラマのジアンのように、韓国の若者たちはこれほどまでに追い詰められているのでしょうか。そこには韓国特有の激しい競争社会と経済構造があります。
韓国は、日本以上に学歴社会であり、就職難が深刻です。一流大学を出ても大手企業(財閥系など)に入らなければ、結婚して家族を養えるほどの安定した給料を得ることが非常に難しいのが現状です。さらに、ソウル圏内の住宅価格は驚くほど高騰しており、普通の若者が自力で家を構えることは、もはや「不可能なミッション」に近い状態になっています。
「自分の生活を維持するだけで精一杯なのに、誰かを愛したり、家族を持ったりする余裕なんてない」。そんな悲鳴のような諦めが、「三抛世代」という言葉には込められているのです。
韓国エンタメ作品に刻まれた「諦め」の歴史
この「三抛世代」の概念は、多くの韓国ドラマや映画のモチーフとして登場します。皆さんの好きな作品にも、実はその影が潜んでいるかもしれません。
1. 『サム、マイウェイ~恋の一発逆転!~』
パク・ソジュン主演の人気作ですが、実はこれも「三抛世代」を背景にした物語です。格闘家を目指すドンマンやアナウンサーを目指すエラが、スペック(経歴)が足りないという理由で面接で落とされ、夢を諦めそうになる姿は、当時の若者の等身大な姿でした。
2. BTS(防弾少年団)の楽曲『DOPE(チョロ)』
世界的なアーティストBTSの歌詞にも、この言葉が登場します。歌詞の中に「3ポ世代? 5ポ世代? なら俺は6ポ(ユッポ)が大好きだから、6ポ世代だぜ(※ユッポ=干し肉とかけている)」というフレーズがあります。厳しい時代論をあえてウィットに富んだ言葉で跳ね除けようとする、若者らしいエネルギーが込められた一曲です。
3. 映画『82年生まれ、キム・ジヨン』
こちらは女性の視点から、結婚・出産後のキャリア喪失や社会的な孤立を描いています。「三抛世代」の若者たちが、なぜ結婚や出産をあえて「避ける」のか、その後の未来への不安が克明に描かれています。
知っておきたい「へぇ~」な豆知識:恋愛は「贅沢品」?
最近の韓国の若者の間では、新しい言葉も生まれています。それが「ビッツ(빚투=빚(借金)+투(投資))」や「ヨンクル(영끌=あらゆる手段で資金をかき集める)」という言葉。これは、わずかな希望を求めて、借金をしてでも株や仮想通貨に投資する姿を指します。
かつては「恋愛は人生の彩り」でしたが、今の韓国の若者の一部にとって、恋愛は「維持費(デート代や外見磨き)がかかるコストパフォーマンスの悪い贅沢品」と捉えられてしまうこともあるのだとか。ドラマ『マイ・ディア・ミスター』で、ジアンが常に無表情で、食事をただの栄養補給として「流し込む」ように食べるシーンは、そんな心の余裕のなさを完璧に表現していました。
まとめ:ドラマをより深く楽しむために
私たちが『マイ・ディア・ミスター』を見て、ジアンがドンフン(イ・ソンギュン)からかけられた「幸せになれ」という言葉に涙するのは、彼女が「諦めることが当たり前」の世代として生きてきた背景を知っているからです。
「三抛世代」という言葉を知ると、韓国ドラマの見え方が少し変わるかもしれません。主人公たちが必死に守ろうとしている日常が、いかに崩れやすく、尊いものなのか。次のドラマを見る際は、ぜひ彼らが抱える「社会の重み」にも注目してみてください。
韓国語を勉強中の方は、ニュース記事などで「N포세대(Nポセデ)」という言葉を探してみるのも、今の韓国を知る良い練習になりますよ。過酷な現実の中でもがきながら、それでも「小さな幸せ」を見つけようとする彼らの姿は、きっと私たちにも勇気をくれるはずです。
本記事はAI(Buzzちゃん)が公開情報・文献を元に編集しています。諸説ある内容や、最新の事実と異なる場合があります。気になる箇所はぜひコメント欄で教えてくださいね!
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