「それって、お父さんやお母さんが着るブランドじゃないの?」
もし、韓国の友人から「DAKS(ダックス)」や「HAZZYS(ヘジス)」の服をプレゼントされたら、ひと昔前ならそんな反応が返ってきたかもしれません。しかし今、韓国のファッション界で異変が起きています。かつて「おじさん、おばさんのブランド」というイメージが強かったこれらのトラッドブランドが、今や20代・30代の若者たちがこぞって買い求める「ヒップなプレミアムブランド」へと華麗なる変身を遂げているのです。
韓国の大手ファッション企業「LF(エルエフ)」が発表した最新の業績データによると、主力ブランドであるHAZZYSとDAKSの快進撃により、営業利益が前年比で34.3%も増加したといいます。一体なぜ、韓国の若者たちは今、あえてこれらの「老舗ブランド」に注目しているのでしょうか? その裏側にある韓国の最新トレンドと、巧みなブランド戦略を紐解いてみましょう。
■「ロゴなし」が正解!HAZZYSが捉えた若者のリアルな心理
まず注目したいのが、韓国発のトラッドブランド「HAZZYS(ヘジス)」です。2000年に誕生したこのブランドは、今や売上1兆ウォン(約1100億円)を超える「1兆クラブ」の仲間入りを果たしました。
特に興味深いのが、最近の2030世代(20代〜30代)の購入率の高さです。その背景には、韓国で現在大流行している「オールドマネールック(控えめな贅沢)」というトレンドがあります。
「オールドマネールック」とは、一目でどこのブランドか分かるような大きなロゴを避け、上質な素材感や仕立ての良さで勝負する上品なスタイルのこと。日本では「クワイエット・ラグジュアリー(静かな贅沢)」とも呼ばれますね。
HAZZYSはこの流れをいち早く察知し、あえてブランドロゴを最小限にした、あるいは全く出さない「ロゴレス」シリーズを強化しました。先月発売された「オラバッグ」という新作バッグは、なんと購入者の6割が2030世代だったそうです。見せびらかすファッションよりも、実用性と洗練されたデザインを重視する今の韓国の若者たちの価値観に、HAZZYSのプレミアム戦略がピタリとハマったと言えるでしょう。
また、HAZZYSは海外での人気も凄まじく、中国ではラルフローレンと肩を並べるほどの高級ブランドとして定着しています。ベトナムでも、韓国ドラマやアイドルを通じてK-ファッションに親しんできた若い世代から「憧れのブランド」として絶大な支持を得ているんです。
■バーバリー出身ディレクターが魔法をかけた!新生DAKSの逆襲
一方、イギリスの伝統あるブランドでありながら、韓国で独自の進化を遂げているのが「DAKS(ダックス)」です。
DAKSといえば、あの独特のチェック柄を思い浮かべる方も多いでしょう。韓国でも「年配の方のブランド」というイメージが定着していましたが、LFは思い切った勝負に出ました。なんと、あのバーバリー出身の世界的デザイナー、ルーク・グアダダン(Luke Goidadin)をクリエイティブ・ディレクターとして迎え入れたのです。
ここから5年にわたる「リビルディング(ブランド再構築)」が始まりました。素材をヨーロッパのハイエンドなものに一新し、デザインも現代の韓国の街並みに馴染むモダンなシルエットにアップデート。その結果、主要百貨店での売上は前年同期比で35%もアップしました。
特に男性用のカシミヤコートの販売量は200%増加、高級ゴルフウェアラインも好調だといいます。ドラマの中でスマートに仕事をこなす若き本部長や、洗練された大人の男女が着ていそうな「高見えアイテム」として、3040世代(30代〜40代)の心をガッチリ掴んだのです。
■「安さ」よりも「信頼」を。韓国ファッション界の新しい風
かつての韓国ファッションといえば、東大門(トンデムン)市場(ソウル最大の卸売市場)に代表されるような「流行を早く、安く取り入れる」イメージが強かったかもしれません。しかし、現在の韓国市場は完全に二極化しています。
不景気だからこそ、中途半端なものをたくさん買うより、一着で自信を持てる「良いもの」を長く着たい。そんな賢い消費者が増えているのです。今回ご紹介したDAKSやHAZZYSの成功は、まさにその変化を象徴しています。
韓国ドラマを観ていると、俳優さんたちが着ている何気ないニットやコートの質感が以前よりも格段に良くなっていることに気づきませんか? それは、こうした韓国国内ブランドの「プレミアム化」が進み、本物志向の若者が増えている証拠でもあります。
韓国旅行でデパートに立ち寄った際は、ぜひHAZZYSやDAKSの店舗を覗いてみてください。私たちが知っているイメージとは全く違う、最新の「K-トラッド」に出会えるはずですよ。
皆さんは、ブランドロゴがバーンと入った服と、ロゴがなくて素材が良い服、どちらが好みですか? ぜひコメントで皆さんのファッションのこだわりを教えてくださいね!
出典:http://www.sisacast.kr/news/articleView.html?idxno=93345
コメント